Special Issue

ビズリーチ これからのインサイドセールス論 成功したビズリーチ流とは?

2021/12/23 09:00

週刊BCN 2021年12月20日vol.1904掲載


 ビズリーチの特別講演では、HRMOS事業部インサイドセールス部部長兼BizReach創業者ファンドパートナーの茂野明彦氏が登場。これからのインサイドセールス(IS)と営業活動に必要な考え方を語った。

ビズリーチ
HRMOS事業部 インサイドセールス部
部長 兼BizReach創業者 ファンドパートナー
茂野明彦氏

 市場背景について茂野氏は、福田康隆氏の著書「THE MODEL」から人々の購買行動が変わり、営業と商談するまですでに全体の57%が完了していることを紹介。ガートナーの資料からも、前段階の情報収集や社内検討が長期化し、顧客が営業と話す時間は17%とのデータを引用して「顧客の心に寄り添って必要な情報を適宜提供する“バイヤーイネーブルメント”を強化する必要がある」と説く。さらに情報収集経路がデジタルに移行し、時代に即した形に変化できなければ検討のテーブルにものれなくなる。茂野氏は、ビズリーチの取り組みをもとにISの重要性を説明した。

 ISチームは、マーケティングとフィールドセールス(FS)の間に位置する。問い合わせを商談につなげることがミッションだが、同社では商談に必要な情報を収集してFSに引き継ぐほかにマーケと連動してコンテンツを作成することに注力。IS起案でマーケが支援という形で数百人規模のWebセミナーを続けて開催し、そこから成約も生まれている。

 組織論では、営業組織の分業化が定着する中、組織間で対立することも少なくないが、その際に目指す関係性は安定ではなくビジネスパートナーレベルであると説く。「ユーザベースの酒居潤平CMOがいう“健全なコンフリクト”、つまり信頼し合った状態でお互いのKPI、改善点に言及できる関係性を構築することが必要」と茂野氏はいう。

 活動の考え方としては、「ホイール型」を推奨。従来はリード取得から成約に至るまでの流れを逆三角形のファネル型で考えていたが、これからは長期的な関係構築と情報提供を行い、“紹介リード”を得てサークルを大きくしていくようにする。

 そのために、マーケとISチームの結びつきがこれまで以上に重要になるとし、マーケティング統括部として動くことを茂野氏は勧める。その上でFSも含め自部門の改善を進めながら他部門への干渉も行い、顧客の購買プロセスの変化に対応していく。「プロセス全体でマーケティングを意識しコミュニケーションを強化することで、これからの時代の変化に適応していきながら顧客の購買行動を良いものにしていってほしい」と訴えた。
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外部リンク

ビズリーチ=https://www.bizreach.co.jp/