Special Issue
日本コンピュータシステム販売店協会 岐路を迎えた販売店ビジネス 円滑なクラウドシフトを提言
2021/12/23 09:00
週刊BCN 2021年12月20日vol.1904掲載
特別講演には、日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)会長の林宗治氏(ソフトクリエイトホールディングス社長)が登場。協会の動向と、これからの時代における販売店ビジネスの在り方について語った。
JCSSAは来年、創立40周年を迎える。会員数は315社。内訳は販売店の正会員が190社、ハード、ソフト、クラウドベンダーなどの賛助会員が129社である。「お客様に一番近い立場にいる業界団体として、特にSMBを中心としたお客様にどういったことができるのか議論している。内容はハードウェア、ソフトウェア、サポートサービスと多岐に渡る」と林氏は活動内容を説明する。
直近では、「いずれの販売店もクラウドの販売にどう向き合っていくかが懸案事項になっている」ことから、クラウドシフト対策を検討。講演では、クラウドの普及に伴っての「販売店」「クラウドメーカー・ベンダー」「エンドユーザー」「業界全体」それぞれの課題を踏まえて提言を行った。
まず販売店では、クラウド化で今まで提供してきたサービスの一部がユーザーにとって不要となった。そのため、「今後は業務、プラットフォームなどそれぞれがクラウド領域の得意分野を持つことと、利益率が低い中、業界全体で価格競争にもっていかないようにする仕組みが必要」と説く。
ベンダー・メーカーでは、パッケージ販売からスタートした事業者と、クラウドネイティブの新興ベンダーが存在しているが、前者が販売モデル、後者は需要の一巡という要因によりそれぞれが販売に関して行き詰まりを迎えているという。そこで、「販売プログラムの研究と共有をしていただき、われわれ販売店を活用することを考えて欲しい」と訴える。
ユーザーに対しては、情報システム部に向け、利用部門のクラウド契約が目立つ中でクラウドサービスを統制し、情報戦略の司令塔になることを提言。「われわれから支援して押し上げていくことも必要」と強調している。
JCSSAでは、「クラウド推進委員会」を組織。クラウドベンダーの代理店向け施策の比較研究などの活動を行っている。さらにクラウド販売に不可欠なマーケティングデータを統計し、共有する取り組みを開始。「クラウド販売全体の効率を上げる」としている。
クラウドベンダーとの懇親イベントも開催。「これを機に一緒に業界を発展させたい」と林氏は訴える。
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