Special Issue
クライム 物理・仮想・クラウドにあるデータを保護 稼働環境に合わせたソリューションの選び方
2021/07/29 09:00
週刊BCN 2021年07月26日vol.1884掲載
クライムのセッションでは、ソフトウェア事業部システム・エンジニアの福海優也氏が登壇、「物理・仮想・クラウドのデータ保護・セキュリティ対策は? ユーザー環境に合わせたソリューション提案」と題して講演した。
機器の故障、災害、マルウェアなどの“予期しない障害”によってデータが失われると、金銭的損失や事業の中断/停止が生じることがある。それを防ぐための手段が、バックアップとレプリケーションだ。両者の違いを福海氏は、「バックアップは多様な媒体が使えるので低コスト。レプリケーションは目標復旧時点(RPO)と目標復旧時間(RTO)を短縮できるが高コスト」と解説。同社には、データ保護の目的や環境別に商材があると述べた。
例えば、物理マシンや仮想マシンで稼働するシステムのデータを保護するための商材としては「Veeam Backup & Replication」「Druva inSync/Druva Phoenix」「Zerto Virtual Replication」の三つがある。Veeamは物理/仮想の両環境に対応した製品で、バックアップもレプリケーションもできるのが特徴。Druvaは、物理/仮想対応のバックアップサービスで、PCの盗難・紛失時のセキュリティ保護にも対応している。また、Zertoは仮想マシンのレプリケーションに特化した製品だ。
一方、Amazon Web Services(AWS)内のデータ保護には「N2WS Backup & Recovery」を用意している。このサービスの特徴は、スケジュールや世代数を含むバックアップポリシーをGUIで作成し、保護したいものをそこに割り当てる方式になっていること。復元時も、手作業でスナップショットからリストアするよりも手間も工数も大幅に削減できる。
また、Kubernetesで管理されているコンテナのバックアップと移動には「Kasten K10」が便利だ、と福海氏はいう。このツールの特徴は、データ保護対象のコンテナを指定するとアプリケーションを自動的に検出してくれること。バックアップの設定はGUIによるポリシーベースだ。
この他、データベースに対する変更をトランザクション単位で複製するためのツールとしては「Syniti Data Replication」がある。対応しているデータベースはOracle Database、SQL Server、PostgreSQLなどの54種類。データ移行やデータ連携にも利用可能だ。
「当社には、バックアップの要件に合ったソリューションが環境ごとに用意されている」と福海氏。目的に応じた使い分けで最適なバックアップ環境を構築してほしいとアピールした。
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