Special Issue
アールスリーインスティテュート ノーコードで内製化が進むユーザー SIerが提供する新たなサービスの形とは
2021/07/29 09:00
週刊BCN 2021年07月26日vol.1884掲載
アールスリーインスティテュートのセッションでは、サービスグループgusukuユニットの築山春木氏が登壇。サイボウズのkintoneと、kintoneの開発を効率化する自社開発サービス「gusukuシリーズ」を活用した「ノーコードで実現する、継続的な業務改善とそれを支える新しいSIの成功パターン」について解説した。
築山氏は、ノーコード開発が注目されている背景として、コロナ禍での自治体業務アプリ開発を例示。「短納期」「担当者がシステムに不慣れ」「状況が予測不能」という三つの要素があり、「短期間でたたき台となるものを実装でき、修正の要望にも対応できるノーコード/ローコード開発が向いている」と説明した。
さらに、民間企業でもコロナ禍での働き方の変化による業務の変化と、短期間でのシステム構築要求でシステム開発の内製化の動きが活発化し、それに合わせてノーコード開発のニーズが高まっているという。実際、星野リゾートでは、kintoneを活用した内製開発でワークフローを1カ月半でリプレースし、「年間1000万円のカスタマイズコストを削減した」としている。
そこで活用されたのが、kintoneをカスタマイズできるアールスリーの「gusuku Customine(グスクカスタマイン)」である。築山氏は、「ノーコードツールを使って内製化するユーザーが増えても、SIerの仕事がなくなることはない」とし、三つの根拠を示す。
一つ目は、高速に開発できること。昨今の導入事例でも、元々kintoneユーザーであった大阪府から、短期間で信頼できるシステムを作りたいからと、開発の依頼があったという。二つ目は、適切なシステム開発。ノーコード開発でもセキュリティや拡張性など考慮しなければならないポイントがあり、従来のシステム開発と変わらないとする。三つ目は、例えばkintoneとの連携サービスは300以上あるが、それらの使い方や選び方が重要になるという部分である。同社は、日清食品ホールディングスに対し、kintoneを活用した内製開発を行う際に知見を提供するサービスを展開しているという。
「ノーコードによって内製化が進んでも、SIerの知見は引き続き必要。コードを書かなくてもプロとして価値の提供ができる」と築山氏は説く。実際、パートナーでも厚生労働省のコロナ情報収集ツール開発を実施した富士フイルムビジネスイノベーションや、自社をショーケースとしてSFA/CRMツールを開発したNDIソリューションズの事例もあるとしている。
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