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日本マイクロソフト、Surfaceの新リセラープログラム「Distributor Managed Partner(DMP)」がスタート

2021/06/08 09:00

 日本マイクロソフトの法人向けSurfaceの販売チャネルとしてパートナーの大多数が登録していたD-VARプログラムが3月31日に終了、その後継として新たにDistributor Managed Partner(DMP)プログラムがスタートした。DMPプログラムでは、これまで法人向けSurfaceで限定されていた多段商流(他のリセラーへの再販)が可能となる。販売チャネルの柔軟性が増す大きな変更だ。D-VARプログラムのパートナーは、認定ディストリビューター(ADD)からSurfaceを購入して販売する場合は、今後はDMPプログラムへの登録が必須となる。そこでDMPプログラムの紹介とともに、メリット、DMPプログラムへの登録方法を解説していく。

法人向けSurfaceの商流
(2021年4月1日以降)

D-VARプログラムが終了し、新たにDMPプログラムがスタート

 Device Value Added Reseller(D-VAR)は、マイクロソフトの流通会社や認定Surfaceリセラーから提供されるSurface付加価値再販業者プログラムの法人向け販売チャネルで、国内で約4000社が登録していたリセラープログラム。同プログラムは、2021年3月31日に終了し、その後継として新たにDMPプログラムがスタートした。今後は、ADDからSurfaceを購入して販売する場合、DMPプログラムへの登録が必須となる。そうでなければ、DMPもしくは7社の認定Surfaceリセラー(ADR)からSurfaceを購入して販売するAdditional Reseller(AR)としての多段商流での参加となる。

 DMPプログラムは、すでにグローバルで展開されていたリセラープログラムで、D-VARの終了とDMPプログラムの開始により日本も世界と足並みをそろえる形となる。そして、このDMPプログラムに参加するSurfaceパートナーには、多くのメリットが提供される。
 
DMPになるメリット

 まず、「デモ機の購入プログラム」。これは、Surfaceを50%オフで自社用に購入または顧客向け販売できるもの。パートナー自社用(Surfaceパートナー社内用途)としてはデモ機用途や社内トレーニングなどの社内ビジネス開発での利用するために購入でき、顧客への販売(商談登録案件用途)としては商談登録(DR=Deal Registration)プログラムで承認された案件に限るが、承認案件の顧客の検証用途として販売ができる。Surfaceパートナー社内用途はADD、ADRそしてDMPのみが購入できるプログラムで、購入可能台数は過去の販売実績に基づいて認定される。

 なお、商談登録用途で必要となる商談登録(DR)プログラムはSurfaceパートナー向けのディスカウントプログラムの1種だが、このディスカウント獲得権利はADRもしくはDMPに限られている。
 
Surfaceパートナー向けデモ機購入プログラム

 また、DMPになると、マイクロソフトの正規代理店としてSurfaceの販売が可能だ。これは多段商流参加のARにはないメリットだ。Surfaceにはパートナー向けに各種ディスカウントが用意されているが、例えば案件登録でこの他にもARにはないメリットとして、「ADDからの仕入れが可能」「マイクロソフト主催のトレーニングに無料で優先参加できる」「Surface販売インセンティブが獲得できるGold/Silverプログラムに参加が可能」「商談規模に応じたマイクロソフトのハイタッチ営業による支援が受けられる」「各種ディスカウント」といった特典が提供される。

 その他、これはARも対象となるが「デモ機の短期貸出プログラム」や、「Surfaceパートナー向けポータルへのアクセス」、「Yammerコミュニティーへの参加」といった特典もある。だがやはりDMPだけのメリットとして、正規代理店としてSurfaceを販売できること、商談登録プログラムなどでディスカウント権利を自社独自で確保できること、そして中でも、Gold/Silverに応じたインセンティブの獲得は大きな魅力であるため、Surface販売する上でDMP登録はぜひ検討すべきであろう。

 また、最近ではクラウド時代に相応しい新しいSurface・クラウドサービス販売のビジネス開発をADDとの連携により立ち上げ、新たな収益源として打ち出すDMPも増えているという。マイクロソフトが近年強力に推進しているSurfaceの“Device as a Service (DaaS)”のサービス化や、従来のPCキッティングに置き換わる新しいPC・デバイスの展開方法として急成長を遂げている“Autopilot”のメニュー化などだ。PC販売リセラーにとっては、一般的なPC専業メーカーと異なりクラウド製品も自社で有するマイクロソフトならではの連携メリットといえよう。
 
Surfaceパートナー向け情報収集ツール

すでに多くのパートナーがDMPプログラムへの移行を完了

 魅力の多いDMPプログラムへの登録方法は大きく3ステップ。まず、STEP 1では、DMPプログラムへの参加要件の確認で、有効なMPN契約があること、パートナーセンターのログイン情報(MPNIDとAzure AD)、会員情報等登録情報の提供が必要だ。もちろん、これまでD-VARプログラムに参加していなかったパートナーもDMPへの登録は可能だ。

 STEP 2では、実際にパートナーセンターにログイン情報を入力して、企業情報などの必要情報を提供するなど、オンラインで申請する。情報の登録時に、取引を希望するADDを選択。審査はADDごとに行われ承認/却下が判断されるため、複数のADDとの取引を希望しても判断が異なるケースもある。ADDが審査を承認すると、マイクロソフトに情報が送信されて審査が行われる。

 STEP 3は、マイクロソフトの窓口から審査結果の受け取りで、DMP申請が承認されると、事務局から取引開始に必要な情報が告知される。

 すでに、旧D-VAR参加企業の多くが、特にSurface販売の上位を占めるパートナーのほとんどがDMP登録を済ませているという。なお、DMPプログラムへの登録でパートナー企業が最も躓く点は、パートナーセンターへのログイン時に、Microsoft Partner Network ID(MPNID)を忘れしまっていることだという。もし、ログインできないときには、サポートチケットを発行して無償でサポートが受けられる体制も整えられている。それでもDMPプログラムへの登録で迷った時は、Surfaceチャネルデスクに問い合わせてほしいとのことだ。
 
DMPプログラム登録方法

申込書の提出で多段商流も可能になる

 DMPプログラムの導入には、コンプライアンスをより徹底する狙いもあり、契約にはAnti-Corruption(腐敗行為の防止)とディスカウントパススルーの内容が追加されている。これらは、マイクロソフトが市場に先駆け各国の政府機関と連携し推進している汚職・腐敗防止の取り組みだ。

 一方、商流面では規制が緩和されている。D-VARプログラムでは、エンドユーザーへの直接販売のみが可能であり、多段商流が文教、公共機関を除いて制限されていた。これがDMPプログラムでは、商流参加申込書を提出し、承認されることで多段商流が可能になる。つまり、一般の法人向けでもリセラーへの再販が可能になる。

 その承認条件だが、前述の商流参加申込書の提出とAC Vetting(Anti-Corruption Vetting Process)がマイクロソフトの承認部門によりグリーンと認定されることだ。

 新たなDMPプログラムへの参加を機に、Surfaceビジネスのさらなる拡大を目指してはいかがだろうか。
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外部リンク

日本マイクロソフト=https://www.microsoft.com/ja-jp

DMP登録サイト=https://reseller.microsoftcrmportals.com/

MPN、パートナーセンターに関するサポート=https://partner.microsoft.com/ja-JP/support/?stage=1

Surfaceチャネルデスク=KKSCD@microsoft.com