Special Issue
ネットワーク領域のデジタルトランスフォーメーションをサービス型で実現
2020/08/27 16:01
ICT領域における製品提供形態において、サービス型の「アズ・ア・サービス(as a Service)」化が加速している。当連載で紹介したPC as a Serviceもそのひとつだが、ネットワーク領域にも同様の動きがみられる。それがNetwork as a Service(NaaS)※であり、特に中堅・中小企業向けの次世代型ネットワーク対策として有効性が期待されている。
NaaSは従来のネットワーク監視やマネージドサービスにとどまらず、各種機器を企業内に設置した上でネットワークの構築から機器の設定・設置、運用監視、更新、回線費用支払い業務まで、ネットワークに関連する業務を幅広くサポートするものとなる。延長上に、セキュリティ対策や通信系のビジネスアプリケーションのSaaS提供なども含められる。
これからのネットワーク対策では、5GやWi-Fi 6の普及、さらにエッジコンピューティングといった劇的な環境変化を見据えなければならない。現実レベルでは、ソフトウェア制御によってネットワークを動的に運用管理するSDN(Software Defined Networking)という新技術も普及している。
そのような中で多くの企業ICTの現場では、管理者の負担増加、対策の高度化、ひとり情シスなどの問題を抱え、中小企業では機器を導入してネットワークを構築し、設定をしたらそのままというケースも少なくない。そのうえこのコロナ禍で、テレワークをはじめ社内での早急な対策や変革が求められている。専門的な外部サービスを活用するのは、自然な流れである。
これを後押しするのが、大手ネットワーク機器ベンダーの動きである。シスコシステムズは、中小企業向け製品ブランド「Cisco Start」を「Cisco Designed」に刷新。パートナーによる運用支援サービスを、ネットワーク機器やセキュリティ対策製品などとセットで提供する同プログラムには、すでに大手リセラーがパートナーとして名を連ねる。中小規模のリセラーやSIerを対象としたパートナープログラムも新たに用意するとしている。
日本ヒューレット・パッカードは、ネットワークに求められる諸機能と管理機能を統合したソフト「Aruba ESP(エッジ・サービス・プラットフォーム)」を発表。これによってネットワークのサービス型提供を強化している。パートナーによるAruba製品のNaaSも可能で、APIを通じてパートナーのサービスを連携できる形にもなっている。
これらの動きは、メーカーから販社に対しての販売型からサービス型に切り替えるように促すメッセージでもある。リセラーは、しっかりと受け止めておく必要がある。
※NaaS/Network as a Serviceは、みずほ情報総研株式会社の商標
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外部リンク
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