Special Issue
5Gとデータ分析ニーズで生まれるPCの新市場、IoTエッジデバイスに注目
2020/08/04 13:00
SI会社や販社が取り扱うPCの主力モデルといえば、会社や自宅で使うデスクトップ、さらに昨今のテレワーク需要でニーズが急増したノートやモバイル、そしてエンジニアやデザイナーなどが活用する高機能なワークステーション、もう少し範囲を広げれば各種サーバーも含むといったところだろう。いわば、ワークスペースと人をターゲットにした商材である。
ただ社会全体でのデジタル革新が急速に進む中で、PCにも新しいニーズが生まれつつある。Wi-Fi新規格の発表に続きキャリアの5Gサービスも開始され、近い将来、確実に無線ネットワーク環境が増強される。これによりIoTの普及が見込まれるが、その際にはクラウドへ大量にデータを送信するわけにはいかず、データ発生場所に近いエッジ側でデータを処理する必要がある。そこで注目されるのが、モノとデータ、あるいは現場をターゲットとしたIoTエッジという新しい領域である。
IDCが定義する「IoTの3層モデル」では、IoTの構成要素はクラウドやデータセンター層で使用される「IoTコアインフラ」と、エッジコンピューティング層で使用される「IoTエッジインフラ」、そのほかにIoTエンドポイント層で使用される「IoTインフラ(センサー、デバイスなど)」に分類される。
このなかでIoTエッジインフラは、データ分析などの高度なコンピュート処理を可能にする「インテリジェントエッジ」と、データ分析を行わないIoTゲートウェイやルーターなどに分けられる。IoTエッジデバイスとして活用されるPCは、前者のインテリジェントエッジに分類され、製品ジャンルとしてはエッジPCやエッジIoTサーバーが相当する。
IDC Japanが4月に発表した国内IoTインフラ市場インテリジェントエッジ利用状況調査によると、IoTエッジインフラにおける制御や分析処理で最も重要なものは、現在は、「OT(制御システム)の監視」、3年後は「データ分析(AIを利用した深層学習)」が最上位項目となっている。
また、最も重要な処理を行うIoTエッジインフラの採用意向に関する質問では、現在は回答者の5割以上が「汎用サーバー」を選択しているのに対し、3年後の採用意向ではその割合は減少し、「IoTエッジ専用製品とクラウドサービスベンダーのIoTエッジサービス」を選択する割合が増えている。
同じPC販売でもオフィスPCの買い替えとは違い、IoTエッジ領域はほぼこれからのブルーオーシャン市場だ。調査結果を見ても、購入意欲はあるとのこと。これはまさしく、販社にとって新規ユーザー開拓のチャンスである。
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