Special Issue
法規制や訴訟リスクへの対応に欠かせない、重要性が高まるメールアーカイブ
2020/04/08 09:00
バックアップとは異なるメールアーカイビングのメリット
――メールのアーカイビングが求められる背景を教えてください水野(ソースポッド) 主に三つの理由があります。まず一つは、監査目的として原本を長期的に確実に残すことです。次に、標的型攻撃対策にメールの無害化ソリューションを導入した場合、添付ファイルが外されるなどの変更が加わるため、原本を残しておきたいというケースがあるかと思います。その場合、原本がいつ必要になるかという問題において、長期的な保存が有効になるからです。最後に、オペレーションミスなどでメールが喪失したとき、時間が経過しても必要にときに備えての長期保存です。
――必要性を感じていながらも、実際にツールを利用して実施しているユーザーは必ずしも多くないようですが。従来のバックアップでは不十分なのでしょうか?
福田(Arcserve Japan) メールアーカイビングは、メールの送受信時にリアルタイムでアーカイビングします。原本に一切の変化がなく、法などに対応して長期保管ができることも必須です。
一般にバックアップはIT管理者が取得し、サーバー全体を保護するために使用します。しかし、実際にリストアを行う管理者にはメール閲覧権限がないケースも多いです。この場合、目的のメールを見つけ出すには、ある程度まとめてリストアしておき、別の閲覧権限のあるユーザーがチェックすることになるので、これはあまり効率的な作業とはいえません。しかし、アーカイブならば、メールを保護しながら権限レベルに応じ、ユーザー自身がメールを検索して、自身の作業で目的のメールが取り出せるので、IT管理者への負担も少なく、手間がかかりません。一方、メールアーカイブは自分の目で確認しながら必要なものを高速検索することができます。
また、メールやメールサーバーにも検索の機能はありますが、それはあくまで原本ですから保護ではありません。保護対象を高速検索できることがポイントなのです。
――それぞれメールアーカイビングサービスを開始はされたのはいつからですか。
水野 当社は、2013年にメールセキュリティ対策サービスの一環として「SPC Mailアーカイブ」というクラウドメールアーカイブサービスを開始しました。背景には、法改正で長期保管が求められるようになったこと。膨大なやり取りの中から素早く目的のメールを探し出したいという声がありました。そして今回、UDP Cloud Archivingがラインアップに加わり、さらにサービスの充実を図っていく方針です。
福田 当社は、17年11月に仮想アプライアンスとしてArcserve UDP Archiving6.0を、19年12月にアーカイブデータをクラウド上に保管できるUDP Cloud Archivingをリリースしました。メール利用者の大多数がクラウド メールサービスに移行し続けている状況で、メールのアーカイブ先にもクラウドを利用したいお客様のニーズと、より安価なサービス提供により競争力を強化したいソースポッドさんの要望に、UDP Cloud Archiving機能と価格がマッチしたため、今回の協業につながりました。
――特に、どのような分野でのニーズが目立ちますか。
水野 法的な面からも金融業は必須ですし、PマークやISMSを取得している企業でも監査対応として導入されています。また、メーカーのニーズも高いですね。人材の流動性が高まる中で、退職者の分もしっかり残しておきたいという声も多くなっています。
福田 研究開発、医療などの分野も目立ちますね。特に、研究開発分野では海外にデータを置けない、置きたくないというニーズもあります。UDP Cloud Archivingは、国内にデータセンターを置いていますので、そうしたニーズにお応えできます。
管理者権限に対する柔軟な設定、国内DCにおける充実したサポート
――競合サービスとの比較したUDP Cloud Archivingのメリットについてはどのように評価されていますか。水野 管理者権限の設定が柔軟に行うことができる点です。組織やポリシーの変更に応じて、運用を容易に変更していくことができます。加えて、他社サービスの多くはアカウントベースの課金体系ですが、UDP Cloud Archivingは容量ベースです。そのため、ユーザーは多いが容量は少ない企業様においては、コストメリットが大きくなります。特に、人の流動性が高まって入退社が多くなると、アカウントベースではコスト効率が悪くなりますから。
福田 バックアップ製品で得たノウハウ、お客様の声をサービスに反映しています。監査担当者、コンプライアンス責任者、IT管理者など立場に応じた設定が可能になっており、検索結果にタグやメモを加えて保存できるため、監査や証拠開示が必要な際に再利用できるようになっています。
――拡販に向けた施策、目標について教えてください。
水野 標的型攻撃への対策の一環として、原本保管をセットにした販売を考えています。特に、自治体、官公庁は以前に導入した標的型攻撃対策がリプレース期に差し掛かっており、オンプレからクラウドへの移行も進んでいるので、強く訴求したいと思います。
当社の平均的なユーザーは300~500クライアント規模でしたが、最近は1000~2000規模のユーザーも目立ってきました。大規模ユーザーに向けては、Arcserveブランドの知名度、信頼性、定評あるサポートは大きな強みになると思います。
福田 大企業や金融などのお客様の中には、国内の安心できる環境でデータを保管したいとする企業が少なくありません。ぜひ、そうしたお客様にお使い頂ければと考えています。
https://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_archiving
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