Special Issue

今のサブスクビジネスは順調?「チャーンレート」でビジネスの事業性を確認

2020/02/20 11:00

【SMB向けビジネスの必須科目4】連載『SMB向けビジネスの必須科目』では、全国のSIerやIT販社が、ユーザー企業の変革をビジネスパートナーとして支えるために抑えておくべきビジネスやITのトレンドを「キーワード解説」の形で紹介していく。第4回は、キーワード解説のテーマである「サブスクリプション」型のビジネスを実施するにあたって、押さえておくべきワードとなる「チャーンレート(Churn Rate)」を紹介しよう。

「チャーンレート(Churn Rate)」

 チャーンレートとは、「解約率」のことであり、IT企業がSaaSを行う際などに顧客の維持率あるいは事業性を見るためのものさしとなる。チャーンレートを継続的かつ正確に把握しておくことで、自社で提供しているサービスが顧客にとってどの程度需要があるのか、ビジネスが順調であるのかと状態を把握することができる。

 基本的にチャーンレートには、「顧客数ベース」で解約率を見る「カスタマーチャーンレート」と、「収益ベース」で解約率を見る「レベニューチャーンレート」の2種類がある。

 これらを分けて考える必要があるのは、サブスクリプション型のサービスには月額であったり、年額であったり、あるいはフリーミアムモデルのような無料プランがあったりと複数のプランがあるからである。そのため、顧客数をベースにしたカスタマーチャーンレートが低くても、収益ベースのレベニューチャーンレートは高いといったケースも生じる。

 それぞれの計算式(月次の場合)は、「カスタマーチャーンレート=今月解約されたアカウント数/前月のアカウント数×100」となる。「レベニューチャーンレート=サービス単価×今月解約されたアカウント数/今月の総収益×100」となる。
 
 サブスクリプションビジネスにおいてチャーンレートが重視される理由には、新規の顧客を獲得することが難しく、獲得するにあたってもコストがかかりがちである上に、1回あたり得られる売り上げ単価が低いということがある。それならば、一度獲得した顧客をいかに維持していくか、自社サービスの優良顧客としてLTV(前回参照)を高めていけるかというアプローチを行う方が得策である。

 サブスクリプションビジネスの成長を維持するためには、まずチャーンレートを改善するという視点からのアプローチが必要になる。チャーンレートを下げるには、まず顧客の要望や本音を聞く仕組みが必要になる。具体的には、コンタクトセンター機能の設置やNPS(ネットプロモータースコア)調査の実施などである。

 旧来のIT企業によくみられる技術力が売りという考え方は、正しくはあるがすべてではない。いかにリアルタイムで顧客のニーズをつかみ、不満の芽を摘み取ってサービス内容に反映させていくかが、サービスビジネスという観点ではより重要になるのである。

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外部リンク

レノボ・ジャパン=https://www.lenovo.com/jp/ja/

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