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NEC パートナー共創ソリューションフェアを開催 生体認証、AI/RPA、IoT/ITインフラに28社が出展
2019/12/05 09:00
週刊BCN 2019年12月02日vol.1803掲載
NECは、東京・大阪の2都市で「NECパートナー共創ソリューションフェア」を開催した。ビジネス共創コミュニティのリニューアル後初となる今回のフェアでは、生体認証、AI/RPA、IoT/ITインフラの各技術を組み込み共創した、パートナーのさまざまなソリューションを一堂に展示。東京開催時には28社のパートナーが出展、7セッションのセミナーが行われる中、販社やSIer、ユーザー企業などから多くの来場者が訪れ、終日大盛況となった。
個人に合わせた照明演出で
「おもてなし」
生体認証では、コイズミ照明が顔認証システムと連携した「DALI照明制御システムによる目的別の照明シーン演出」を展示した。顔認証システムとDALIシステム(照明の調光制御に特化した国際標準規格)を連携させ、入室した人の顔に合わせて照明を調整し、カメラで撮影した人の動きやものを自動認識して照明を自動操作するものだ。「われわれは顔認証システムなどの技術と全く無縁であったことから、NECさんに技術面を含めてさまざまなサポートを受けた」と折居直純・市場開発本部開発推進室室長。同システムは、NEC本社ビルのNEC Future Creation Hubに導入済みだ。
近年、LEDの普及に伴い、光の制御による新しい価値創造ニーズが高まっているという。店舗、商業施設では、顔認証・DALIシステムを組み合わせ、顧客の年代に合わせた商品の展示場所へ誘導、ディスプレイを際立たせる、といったさまざまな「おもてなし」が可能だ。「オフィス、店舗、商業施設などで場面に合わせた照明をカメラや各種センサーと連携させ、状況に応じて自動制御することで空間に新しい価値を生み出していきたい」と折居室長は意欲を示す。
セキュリティ強化にも活用でき、例えば、立ち入り禁止場所に誰かが侵入すると、照明の点灯や点滅で視覚的に注意を喚起し、別の方向に誘導する。オフィス向けでは、集中力を高める、リフレッシュ効果を生み出す、ミーティングをはかどらせる、といった照明の機能を用いて働き方改革への活用も狙う。さらに、ホテル向けのさまざまな家具を販売していることから、照明と合わせた総合的な提案を目指している。
RPA×EAIで機能を補完し
より多くの業務を自動化
AI/RPAでは、キーウェアソリューションズが「ここまでデキる!業務自動化 ~RPA×EAIで働き方改革を実現~」をテーマに展示を行った。「働き方改革を目標にRPAの導入を検討する企業は多いが、つまずく例も少なくない」と秋山好成・カスタマーサクセス部長は語る。自動化の処理に必要なデータは、連携先の各システムから取り入れなければならないが、データ形式やプロトコル変換、加工処理、項目の紐づけなどが不可欠だ。データのハンドリングが正しく行われないとRPAがうまく機能しない。課題を解消するため、RPA(NEC Software Robot Solution)とEAI(ASTERIA Warp)を連動させて、双方の機能を補完し、より多くの範囲の業務を自動化の対象にできるソリューションを提案する。
NEC Software Robot Solutionは、キーボードやマウスを用いて画面上のアイコンを選択するだけで設定可能なため、ノン・コーディングでロボット構築ができる。作業内容が変更された際の修正・追加設定も容易。EAIと組み合わせるRPAツールに、NEC Software Robot Solutionを選択した理由について秋山部長は、「何より現場を向いているツールだった」と述べる。
業務自動化を求める現場は、ITやプログラミングのリテラシーがさまざまだが、純国産ツールのためマニュアルやインターフェースも日本語で、サポートが充実している。加えて、「お客様のどんな業務がRPAに向くのか、本当に成果が出せるのかという観点からアドバイスしている」と秋山部長は語る。今後は、オフィス内の紙ドキュメントをAI/OCRを組み合わせて処理し、多くの業務自動化を目指す方針だ。
子どものお昼寝を見守り、
保育士の精神的負担を軽減
IoT/ITインフラでは、ワイイーシーソリューションズが、おひるねセンサー「りりーふなっぷ」~午睡チェック補助ツール~を展示。保育所、保育園を対象に子どもの昼寝を見守るツールだ。24GHzのマイクロ波・ドップラーセンサー(人体無害)を利用して子どもの体の表面の動き(みぞおちの動き=呼吸)と、体表を流れる静脈流の動きを感知する。国内には約3.6万の保育所があり、270万人の児童がいる。そのうち0歳児は13万人、1歳児は35万人にのぼる。0歳児は5分ごと、1歳児は10分ごとの目視や触診での午睡チェックが推奨されているが、万一を考えた不安が、保育士の精神的負荷を大きくしているという。「りりーふなっぷは、子どもの体に触れない非接触型で寝心地を遮らず、あらかじめ設定した基準値を異常として検知し、警告音を鳴らしてスタッフに子どもの確認を促す。常時、見守りをするという精神的な負担を大幅に軽減できる」と岩﨑寿信・取締役は語る。
センサー装置は小型の電池式でベッド下に設置するので、誤飲やかぶれなどによるトラブルも防止できる。24GHzのマイクロ波は、体表で反射するため、電磁波などによる影響も心配がない。補助金対象製品で、「保育園における児童の安全対策強化」の補助金を活用して導入することも可能だ。
同製品は4月の販売開始後、既に導入500台強、年内導入見込み1000台の実績を持つ。さらに1~2年以内に1万台の販売を目指す方針だ。今後は、1台のセンサーでさらに多くの子どもの見守りができるようにしていくことに加えて、家庭での子育ての不安を解消するツールとしての活用を提案していくという。
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