Special Issue
Dell EMC、従来型と変革型のワークロード、両方のニーズを満たす単一のインフラ「Dell EMC PowerEdge MX」
2018/10/01 10:40
“キネティック インフラ”により、従来型と変革型の双方のデータセンター・ワークロードに対応
馬場健太郎
Dell EMC
インフラストラクチャ・
ソリューションズ事業統括
パートナー営業本部本部長
キネティックとは、建築分野などで使用される言葉で、全体的な構造の完全性を低下させることなく、建物の一部を変化させることができるように設計された構造物のことをいう。
PowerEdge MXはソフトウェア定義ワークロードに最適化されており、モジュラー型構造のため、コンピュート、ストレージ、ネットワークファブリックといったリソースをプール化して、用途に応じて柔軟に組み合わせながらシステムを構築・拡張していくことができるようになっている。また、将来の技術変化に対応する設計(レスポンシブルデザイン)を採用し、俊敏な管理(アジャイルマネジメント)の提供により、管理効率を高めて運用オペレーションを迅速化することが可能だ。
ミッドプレーンをなくし、インフラとライフサイクルに関する投資を保護
PowerEdge MXの大きな特長の一つは、シャーシからミッドプレーンをなくした設計にある。これにより、シャーシ内でNICとスイッチをコネクタで直接接続することができる。かつてブレードサーバーが注目されていた時代には、1Gのスイッチから新たに10Gのスイッチに入れ替えようとしても、ミッドプレーンがパフォーマンスの制約になっていた。このため高速化するにはシャーシの設計変更やファブリック自体を買い替えなければならなかったのである。こうした課題を解消するためPowerEdge MXではミッドプレーンを排して、サーバー(コンピュート)のNICとシャーシのスイッチを直結できるようにしている。
「この設計により最新のスイッチに入れ替えた時には、それに対応するNICを用意するだけでパフォーマンス面での制約を受けることなく、プロセッサー技術、新しいストレージタイプ、接続技術のイノベーションなど、将来にわたって最新テクノロジーに対応することができる。しかも、単一の障害点がなくなるので信頼性もかなり向上する」と馬場本部長はメリットを説明する。
また最近、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の需要が高まっているが、HCIでスケールアウトしていくとスイッチ本体に加えて、1本数万円という高額なLANケーブルのコストが掛かるという問題がある。この点でもPowerEdge MXは、vSANクラスタ用ノードを追加するだけで、コンピュート、ストレージを容易に拡張することができる。もちろんVMware vSAN Ready Node認証を取得済みのため、HCIの基盤としても安心して活用できる。
「2020年に5Gの時代になると速度が100倍になり、IoTのデータやリッチコンテンツなどトラフィックが急激に増加するだろう。そうなるとネットワーク制御やその柔軟性がとても重要になってくるが、PowerEdge MXであればストレスなく使用することができるはずだ」と馬場本部長はアピールする。
複数シャーシの一括管理を可能にする“スケーラブル ファブリック アーキテクチャ”
PowerEdge MXは管理面でも大きな優位性を備えている。かつてブレードサーバーでは、シャーシを追加していくと、各シャーシのスイッチ同士を接続して、それぞれを管理する必要があった。そのため一つのスイッチのファームウェアのバージョンを上げると、接続先スイッチや別シャーシのファームウェアのバージョンも上げなければならないなど、作業の手間がシステム管理者の大きな負担だった。「こうした問題を解消するのが、“スケーラブル ファブリック アーキテクチャ”だ」と馬場本部長。複数のシャーシを一つのシャーシで束ねることができるもので、これにより全てのスイッチをあたかも1台の論理きょう体のようにまとめて一括管理することが可能になる。
従来のように個別にスイッチをアップデートするのではなく、親スイッチの役目を持つファブリックスイッチエンジンをアップデートすれば、その下にぶら下がる全てのファブリックについて、アップデートや設定などを実行できる。しかも、親スイッチ以外のスイッチはOSもなくスイッチング処理もしない単なるエクスパンダーだ。それでいて帯域は25GbE×16レーン。「きわめて低レイテンシーのシャーシ間通信を、低コストで実現する」と馬場本部長は続ける。
また、全ての管理は一つのコンソールで制御することができるので、データセンター運用をかなりシンプルにしていくことができる。Dell EMCでは、PowerEdge MXの発表に合わせて、システム管理ツール「OpenManage Enterprise」のVer.3.0をリリースする予定だ。そのMX専用版「OpenManage Enterprise Modularエディション」がMXには標準搭載され、シンプルで一元的なインターフェースによるコンピュート、ストレージ、ネットワークの管理が可能となる。運用の手間を省き、スキル習得の時間短縮、複数の既存ツールの統合などにより、TCO削減に貢献できる。
最大で10のシャーシを一つのネットワークとして見せることができ、1シャーシに8台のサーバーを搭載できるなど、高いスケーラビリティーを備えている。
「かなりの規模のプロバイダーでもない限り、ミッドレンジから大規模まで、ほとんどのユーザーニーズに対応できるはず。既存のブレードサーバーの置き換え、高密度な仮想化、ビッグデータ分析、AI系、RDBMSのほか、Hadoopなど分散ファイルシステムの用途にも幅広く適応できる」と馬場本部長はアピールする。
2020年1月14日に終了します。サーバの移行作業には時間がかかります。早期の準備が大切です。
http://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_modular
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