Special Issue
富士通クラウドテクノロジーズ×ヴイエムウェア対談 待ったなしの「オンプレミスからクラウドへの移行」に企業はどう取り組むべきか――そのメリットと心構え
2018/09/28 08:00
「予算は減り、やることは増える」問題の解決に、クラウドが使える理由
――まずそれぞれのお立場から、オンプレミスの企業システムをクラウドへ移行することで、ユーザー企業やそのサポートを行うSIerが得られるメリットについて、どのように考えておられるかをお聞かせください。ヴイエムウェア
VMware Cloud
Partner Program
スタッフクラウドソリューション
アーキテクト
吉荒祐一氏
IT部門に対するコスト削減のプレッシャーは高まる一方で、セキュリティーやコンプライアンス面など、対応すべき課題は以前よりも増えているという現実があります。そうした問題に対して、ハードウェアや仮想化基盤部分の運用管理をアウトソースできるクラウドは有効な選択肢です。
横山(富士通クラウドテクノロジーズ) ニフクラは、基盤技術にVMware vSphereを採用したパブリッククラウドサービス(IaaS)として提供しています。その立場からメリットを挙げるとすれば、「ハードと仮想化基盤の運用管理作業からの解放」というものがあると思います。
オンプレミスでの仮想化の動機を考えると、これまで社内に分散していたハードウェア資産の集約度を上げ、利用効率を高めたり、運用負荷を下げたりしたいといった部分が大きいのではないかと思います。
しかしそれが進むと、いくつかのサーバーハードウェアの中に、大量の仮想マシン(VM)が構築されるという状況が生まれます。オンプレミスでは、そうしたサーバーやVMの管理には「VMware vCenter Server」を利用することになるのですが、一部の管理者にとっては、あるハードでどのVMが動いているかといった管理が大変で、結局その対応をスプレッドシートで管理しているという例もあるようです。
クラウドにそうした環境を移行できれば、ハードとVMの両方を意識する必要がなくなり、純粋にVMだけに注目して管理が行えるようになります。特にパブリッククラウドを利用する場合、それは大きなメリットになると思います。
VMwareの技術をフル活用するニフクラの強み
――多様なクラウドサービスの中から企業ユーザーがニフクラを移行先に選ぶことで得られるメリットについて、もう少し詳しくお聞かせください。富士通クラウドテクノロジーズ
営業マーケティング本部
マーケティング部
横山尚人氏
「クラウドを活用したいけれど自信がない」という方に対しては、これまでのサービス提供の中で洗練されてきた「使いやすさ」というメリットを提供できます。VM管理にあたって、vCenterほどの細かい粒度は必要なく、より抽象化されたレベルで活用したいという管理者の方にも、ニフクラのユーザーインターフェースは簡単に使っていただけます。
吉荒 ニフクラの場合は、旧ニフティクラウドの時代から現在に至るまで、一貫してVMwareのテクノロジーを高度に活用しながら、パブリッククラウドサービスをつくられているというのが大きいと思いますね。
横山 ありがとうございます。VMwareの技術に関して言うと、VMware vSphereには自動フェイルオーバーやロードバランシングを実現するための「DRS(Distributed Resource Scheduler)」や「HA(High Availability)」といった機能があります。これらは自前で構築、運用しようとすると、かなり手間がかかるものでもあります。一方、ニフクラではこれらが標準機能として利用できます。
こうした機能を技術に詳しくないユーザーにも簡単に使っていただくというのは当然なのですが、さらに、VMware vSphereの優れた機能をご存じのユーザーであれば「あの機能をクラウドで使いたい」と思った時にすぐ実現できるというのは、ニフクラの強みの一つです。
吉荒 VMwareでは「VMware Cloud Provider Program」というパートナー制度を展開しているのですが、富士通クラウドテクノロジーズさんはその中でも先進的なパートナーの一社です。今お話があったものをはじめ、VMwareのテクノロジーをフルに活用し、IaaSなどのさまざまなサービスを展開しておられますね。
横山 富士通クラウドテクノロジーズは「2016 VMware Partner Innovation Award」で「VMware Regional Cloud Provider of the Year」を受賞させていただきました。VMware製品を扱っているだけではなくて、きちんと「活用している」という点を評価されたというのは誇りに感じています。今後、エンタープライズユーザーにとって、ニフクラがVMwareと互換性がある技術を高いレベルで活用しているサービスであるという点は、ぜひ知っていただきたいと思っています。
クラウド活用で、デジタルトランスフォーメーションを加速する
――企業が現在、あるいは今後、現状のオンプレミス環境をクラウドへ移行することを視野に入れている場合、必要になる心構えや準備のようなものがあれば教えてください。横山 われわれが行った調査によれば、実際にオンプレミスで動くシステムを持っているユーザーの中で「今のシステムをクラウドに移行する必要はない」と考えているユーザーが約6割に上りました。
吉荒 少し意外ですが、確かに現状動いているシステムであれば、その環境をわざわざ変えることには消極的になるというのはあるかもしれないですね。
ただ、現在オンプレミスを使っているエンタープライズのお客様も、ゆくゆくはシステムをクラウドへ移さざるを得ないという思いは、共通して持っておられるように感じます。
世の中でデジタルトランスフォーメーションが注目されていますが、この先それを実現できない企業は、競争力の面で大きく不利になっていきます。とはいうものの、特に古くからITを活用されてきた企業であれば、容易に移行も再構築もできないモノリシックなシステムが、それを妨げているということも十分に考えられます。
われわれとしては、そういう課題を抱えたユーザーであっても、より現実的な方法でクラウドのメリットをフル活用し、デジタルトランスフォーメーションへの道筋を描けるよう、技術の強化とサービス提供をしていきたいと考えています。
横山 企業が現在オンプレミスで持っているIT資産を新たな環境へ移行させるのには複数の方法が考えられますが、まずやっておくべきなのは物理マシンから仮想マシン(VM)への移行、つまり「P2V」です。P2Vによって、システムをハードの制約から自由にしておけば、その先には、本当にさまざまな手段が提供されています。
そして、もし移行先としてパブリッククラウドを考えているのであれば、ニフクラにはVMware vSphereベースのVMをそのままエクスポート/インポートできるツールも用意されています。効率は非常に良いと思いますのでぜひご検討いただきたいです。
無料eBook「VMware vSphereユーザーのためのクラウド移行のポイント」
ダウンロードはこちらから
https://lp.cloud.nifty.com/nifcloud_ebook_VMwarepoints.html
吉荒 先ほどお伺いした「クラウド移行の必要性を感じていない」という6割のお客様にお伝えしておきたいのは、決してクラウドは「オンプレミスとは異質の恐い世界ではない」ということですね(笑)。特にニフクラのように、技術力を持った信頼できる企業が提供しているサービスであれば、むしろ自社で独自に構築運用を考えるよりも安心な環境と言えると思います。
横山 富士通クラウドテクノロジーズとしては、お客様がクラウドの価値をフルに享受できる「クラウドネイティブ」に至るまでの道筋づくりをサポートするという立場を、今後も強調していきたいと思います。
オンプレミスでの運用管理が人海戦術的になってしまい「今やらなければならないこと」にしかリソースを割けなくなっているお客様でも、いくつかの段階を経て「クラウドネイティブ」に変わっていくことで、これまでできなかった新しいことができる、あるいは「やらなければならない」ことだけでなく「やりたかったこと」ができるようになる。そのための道案内としての役割を果たしていきたいですね。
http://www.seminar-reg.jp/bcn/survey_onpre
また、富士通クラウドテクノロジーズ社員によるセッションも予定しておりますので、ぜひお越しください。
vFORUM 2018( https://vforum.jp/tokyo/ )
日程 :2018年11月13日(火) - 14日(水)
会場 :ザ・プリンス パークタワー東京 [会場アクセス]
http://www.princehotels.co.jp/parktower/access/
主催 :ヴイエムウェア株式会社
参加費 :無料(事前登録制)
ブース出展情報
https://vforum.jp/tokyo/program/showcase/expo/83/
セッション情報
https://vforum.jp/tokyo/program/datacenter/DC436/
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