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佳報(上海)信息技術(JBCN上海) 「失敗が許されない」事務所移転計画 ITインフラから諸手続きまでワンストップで支援 現地スタッフがシステム担当代わりに
2018/09/20 09:00
週刊BCN 2018年09月17日vol.1743 第2部掲載
欠かせない日本側との連携 トータルサポートが選定理由に
大江橋法律事務所は、大阪を本拠地とし、 東京と名古屋、上海の3カ所にも事務所を構えている。上海事務所は1995年に開設。上海市の金融街・陸家嘴のビルに04年から入居しているが、「10年以上がたって手狭になったほか、奥まった場所が顧客から分かりにくかった」(松本弁護士)ことを理由に、別の階への引っ越しを決めた。今回の引っ越しで欠かせなかったのは、日本側との連携だ。松本弁護士は「中国で法律サービスを提供する上では、日本の拠点と同じネットワークでつながっていることは何よりも大事だった」と説明する。
しかし、上海事務所には専任のIT担当者はいない。日本からITチームに来てもらう場合、長期間になるとビザの問題が発生する可能性があった。
そのため、JBCN上海にIT関連のプロジェクト管理を依頼。多くのベンダーの中から同社を選んだのは、「日本との連携をしっかり確保しつつ、ネットワークや電話、PCなど、事務所のITインフラをトータルでサポートしてくれることが魅力だったからだ」と松本弁護士。さらに、「私たちは、クライアントの機密情報を取り扱っている。引っ越しを任せるベンダーを選ぶ上では、そのベンダーが信頼できるかどうかも重要な要素だった」と決め手を語る。
春節休暇やオフィス設計も綿密な進行管理で解決
上海事務所は、中国の大型連休にあたる春節休暇を挟んで引っ越しをした。松本弁護士は「タイミングはあまり良くなかったが、顧客のことなどを考えると、この時期しかなかった」とし、「中国では、春節休暇に合わせて多くの人がふるさとに帰るため、計画通りにきちんと工事が進むかが一番心配だった」という。上海事務所が引っ越しの検討を始めたのは17年春ごろ。同年夏ごろにはJBCN上海も引っ越し計画に加わった。JBCN上海は、スムーズに新しいオフィスで業務が開始できるように、ITインフラ設備導入前からさまざまな方策を講じた。
例えば、新オフィスの設計に関わり、コンセントの位置を使いやすいところに配置した。また、あらかじめ引っ越し先にサーバーを設置し、引っ越し前から運用を開始。引っ越し後にPCを持っていくだけで、それまでの業務の続きをできるようにした。
特にサーバー室として使う部屋については、床面積が狭く、熱がこもりやすいことが想定された。構造的問題点を解決するため、天井と接する壁の上部に大きな穴を開けて通気性を確保した。
松本弁護士は「サーバー室の構造をはじめ、細かい部分はITの専門知識がない私たちでは分からなかった。JBCN上海が早い段階から計画に入ってくれたため、問題なく引っ越しをすることができた」と振り返り、「電話を移した場合の当局への届け出など、いろいろな諸手続きがあったが、JBCN上海に聞いたら何でも解決してくれるのは心強かった」と評価する。
引っ越し後に感じる効果 今後の連携にも期待感
2月28日に新オフィスでの業務が始まり、すでに半年以上がたった。新しい環境で業務を進める中で、松本弁護士は「通信の安定化や会議用の電話システムなどにより、業務の効率は引っ越し前に比べて格段に上がった」と引っ越しの効果を感じている。上海事務所では、引っ越しに合わせ新しい機器もいくつか導入した。使い方が分からないこともあるが、松本弁護士は「JBCN上海の担当者が親身に教えてくれる。引っ越し後にIT関係でトラブルが起こることがまったくなくなった」と語る。
「メールが一本見られないだけでも、顧客からの信頼が大きく変わる」(松本弁護士)という法律事務所の業務。計画検討時から導入後も、継続的に支援してくれるJBCN上海は、上海事務所にとっては現地のシステム担当代わりになっている。
インターネット回線の帯域拡大や人工知能(AI)の活用など、上海事務所では、これからもITの利用拡大を検討する。松本弁護士は「どういうシステムやプログラムを入れればいいかは、専門知識がないと判断が難しいので、これからもJBCN上海の知恵を借りていきたいと思っている」と今後の連携に期待感を示した。
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