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<BCN CONFERENCE 2018 夏 「ポスト2020」~リセッションに備える>データ活用で付加価値を創出する社会を目指す 大企業とベンチャーの連携を推進――経済産業省
2018/09/20 09:00
週刊BCN 2018年09月17日vol.1743掲載
「Connected Industries」とは、2017年3月にドイツで開催された世界最大級のIT見本市「CeBIT」で、安倍晋三首相、世耕弘成経済産業大臣が提唱したコンセプト。データを介して人、モノ、技術などがつながることで、新たな付加価値や製品・サービスを生み出し、社会課題の解決や生産性の向上を実現する産業社会を目指す。その実現に向けて、経済産業省ではAIやIoTを活用した革新的な産業モデルの創出・展開の支援、データを流通・利活用できる環境の整備を推進している。
昨年10月には、Connected Industriesの重点5分野として「自動走行・モビリティサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」を選定した。各分科会の取り組みの全体像を説明した河野課長補佐は、「(競合企業間の)データの協調」「大企業とAIベンチャーの連携」「人材育成」の三つが各分野の共通課題だと話し、これらを軸に各分科会でコンセプトの浸透や行動計画などを議論してきたとしている。また、補正予算事業として、複数事業者間でのデータ活用や、大企業とAIベンチャーの協業によるAIシステムの共同開発を支援してきたという。
さらに、経済産業省は今年6月、新たなスタートアップ企業の育成支援プログラムとして「J-Startup」をスタートさせた。その背景について河野課長補佐は「大企業の取り組みにも期待している一方、特にAIやIoTなどの第4次革命技術の活用を加速する場合、先端的技術を有するスタートアップへの支援にさらに力を入れていくことが重要。次の政策リソースの集中投入先は、グローバルに展開するユニコーン企業を増やすことのできる環境の提供だ。選ばれた企業を集中支援するという新たな政策ブランドとして、J-Startupを立ち上げた」と説明。現在、J-Startupには92社のスタートアップが名を連ねる。河野課長補佐は「Connected Industriesで大企業のデータシェア、ベンチャー連携、人材育成を行いながら、J-Startupというブランドで新しいエコシステムをつくり、ユニコーン企業が育成されていく環境を整備する」と強調した。
これらのほか、データ契約ガイドラインの改訂や「産業データ共有事業の認定制度」の創設など、Connected Industries実現のためのデータ関連制度の整備も進めているとした。
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