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<BCN CONFERENCE 2018 夏 「ポスト2020」~リセッションに備える>レコモット、楽天コミュニケーションズ モバイル端末にデータを残さない 働き方改革でのモバイル活用をセキュアに
2018/09/20 09:00
週刊BCN 2018年09月17日vol.1743掲載
MDMとMAMを分離しデータを端末に残さない
少子高齢化で働き手人口の減少が進む日本で、生産性に直結する人材活用の推進に欠かせないのがモバイル活用である。レコモットの東郷CEOは、時間と場所を選ばず円滑に業務を推進できるようにするには、「さまざまな利用場面を面で網羅することが重要」と語る。そしてモバイル活用で重要となるデバイス管理では、「端末を守ることも大事だが、もっと大事なことはデータを端末に残さないこと。アプリとデータを守れば個人情報も企業情報も漏えいしない」と強調した。モバイル活用では端末を企業が配布するケースだけでなく、今ではBYOD(Bring your own device:私的デバイスの活用)も考慮しなければならない。そうしたケースも含めてデータを端末に残さないという命題に対し、レコモットが開発・提供するのがテレワーク基盤サービス「moconavi」だ。
moconaviはモバイル端末管理(MDM)とアプリ・データ管理(MAM)を分離することで、堅牢なセキュリティを確保した環境で多様なモバイル端末を業務に活用できるようにする。業務利用するシステムやデータは専用アプリからしか操作できず、他アプリから業務データの閲覧や端末内にデータを保存できないようにしている。
端末の種類は問わず、各種OSを搭載したスマートフォン、タブレット端末から利用可能で、グループごとのポリシー設定、利用時間制御が可能なため、労務規定に沿ったワークライフバランスに生かせる。
標準でメール、チャット、セキュアブラウザー、電話、アドレス帳、ストレージ、ドキュメントビューアー、カレンダー、CRM、拡張アプリを備えるが、「真の価値はOffice 365、G Suite、Salesforceなど、外部のクラウドサービスとの連携で生まれる」とする。
サービス連携の具体例として東郷CEOは、名刺管理「Sansan」と連携したセキュアでより便利なアドレス帳の利用、「モバイルチョイス“050”」と連携した端末を問わない高セキュリティの通話、モバイル向けリモートデスクトップ「splashtop」と連携した在宅勤務などを紹介した。
モバイルチョイス“050”連携でセキュアなBYODの活用が実現
講演の後半には、楽天コミュニケーションズの神谷マネージャーが登壇して楽天グループの働き方改革の取り組みと事例を紹介した。楽天グループでは、社内外を問わずにITにアクセスできる環境を整備してきた。そのために活用しているのが、モバイルチョイス“050”をはじめとする楽天コミュニケーションズが提供するソリューションである。
楽天コミュニケーションズの音声コミュニケーションサービスであるモバイルチョイス“050”は、社員が所有するスマートフォンや携帯電話に、ビジネス用の「050番号」を付与するBYOD向けのサービス。2004年のサービス開始からこれまでに大手SIer、官公庁、保安関係行政機関を中心として数万社の導入実績がある。
「ビジネスとプライベートで番号と通話料を自動的に使い分けできる。初期費用・月額基本料が無料で、従量課金なのでコストの最適化が可能だ。インターネット回線とは異なり、音の途切れや遅延などのストレスもない」と神谷マネージャーはメリットを説明した。
また、「モバイルチョイス・アップゲート」(moconaviのOEM)を併用し、そのアドレス帳を利用することで相手先情報がプッシュ通知され、ビジネス情報を端末の電話帳に残さずクラウド上で管理することができる。事例として紹介したNTTデータCCSでは、通信コストを3分の1に削減し、生産性向上も実現しているという。
講演の最後には再びレコモットの東郷CEOが登壇し、moconaviの実績を紹介した。
「中小企業から超大手企業まで幅広い規模、業種の450社以上、23万IDを超える利用実績がある商材だ」とアピールした。
また、社内サーバーへのアクセスには、必要な中継ソフトをプリセットしたマイクロサーバー「クラウドボックス」を提供(30日間の無料トライアル実施中)。金融機関などの専用システムを求めるユーザーにはオンプレミス専用環境も提供している。
「当社は100%間接販売で、年額課金の代理店モデルと月額課金のOEMモデルを用意している。教育制度、サポートの仕組みも整備しているので、これを機会にmoconaviに興味を持っていただいたのであれば、ぜひ、当社のパートナーに手を上げてほしい」と呼び掛けた。
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