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<セキュリティ対策特集>ウォッチガード ウォッチガードが提供する新たなセキュリティ対策の価値「AuthPoint」と「IntelligentAV」多要素認証、Cylance社のAI技術であらゆる脅威に備える

2018/09/13 09:00

週刊BCN 2018年09月10日vol.1742掲載

 日に日に巧妙化するサイバー攻撃に、高まる情報漏えいのリスク──。これらへ対策を徹底しなくてはならない企業にとって、セキュリティは常に頭を悩ませる課題だ。ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン(ウォッチガード)は、新サービスとして多要素認証サービス「AuthPoint」やUTM(統合脅威管理)の新たなマルウェア検知機能「IntelligentAV」の提供を開始。昨今の複雑化したセキュリティ課題に応えるソリューションとして、パートナーとともに展開していく考えだ。

スマホを活用して低コストで利用できる多要素認証

 「AuthPoint」は、クラウド型のため別途サーバーなどオンプレミスの機器を用意する必要はなく、セットアップも簡単で、手軽に使い始めることができる多要素認証サービスだ。IDとパスワードに代わる認証手段として注目される多要素認証を、中堅・中小企業(SMB)を含めた全ての企業向けに提供する。

ユーザーのスマートフォンを認証端末として利用し、無料の専用アプリをダウンロードすると、プッシュ通知やワンタイムパスワード、オフラインの場合にはQRコードを使った認証が行える。また、ウォッチガード独自の認証手段として「モバイルデバイスDNA」を採用。あらかじめ許可された正規のデバイスからのみ、認証できるようになっている。

 さらに、「Office 365」「box」をはじめとするサードパーティー製品と連携し、クラウドアプリケーションやVPNにアクセスする際に認証を要求することができる。一度ログオンすると、シングルサインオンで他のサービスを利用することも可能だ。
 

 また、直感的なインターフェースで簡単に運用管理を行うことができる。低価格であることも特徴で、参考価格は1ユーザー当たり月額190円から。これは、「他のクラウド型多要素認証サービスと比較しても安い」とウォッチガードの堀江徹・マーケティング部部長はアピールする。
 

 AuthPointは、昨年7月に買収したデータブリンク社の技術をベースに開発された。すでに金融機関をはじめとする多数の企業で導入実績を持つことから、「信頼性の高いテクノロジーを使用しているという点で、日本のお客様にも安心して使っていただける」と堀江部長は強調。AuthPointの導入により、「シングルサインオンによるビジネスでの利便性とセキュリティ強化を一石二鳥で手に入れられるメリットをSMBのお客様にも手軽に感じてもらえるだろう」と話す。
 

実績あるCylanceのAI技術を追加したデュアルスキャンエンジン

 「IntelligentAV」は、UTMアプライアンス「Fireboxシリーズ」に搭載されているOSの最新版「Fireware 12.2」で新たに実装されたウイルス対策機能だ。シグネチャレスのマルウェアの検知に特化し、未知の脅威に対する検知力を向上させる。
 

 IntelligentAVは、エンドポイントセキュリティベンダーのCylance社が持つマシンラーニングの技術を活用したアンチウイルスエンジンを使用。シグネチャを用いず、ファイルの特性を分析して悪意のあるファイルの特徴を抽出することで、侵入してくるマルウェアを特定し、実行前に防御する。

 Fireboxでは、すでにシグネチャベースのアンチウイルスエンジンとして、Bitdefenderの技術を「Gateway AntiVirus」として実装している。新たに提供されるIntelligentAVでは、シグネチャベースのエンジンで検知できなかったものに対しスキャンを実行する。つまり、「二つのエンジンが同時に動くわけではなく、Cylanceのエンジンはシグネチャベースのスキャンの後ろで構えて事前に検知できなかったものをスキャンするかたちだ。このデュアルスキャンにより、より高い精度でマルウェアを検知することが可能になる」と堀江部長は説明。なお、「ゲートウェイレイヤーでCylance社のAIエンジンを実装したのは、ウォッチガードが初めて」だという。

 さらに、脅威の相関分析とレスポンスを行う「Threat Detection and Response(TDR)」や、Lastline社のサンドボックス技術を活用した「APT Blocker」などと組み合わせて、より一層強化された多層防御を実現する。

 IntelligentAVは、最新の「Firebox Mシリーズ」(M270以上のモデル)や、「Firebox Cloud」「FireboxV」などのクラウド、仮想アプライアンス製品に対応。ウォッチガードのパッケージライセンス「Total Security Suite」を持っていれば、追加コストなしで利用できる。

 堀江部長は、「IntelligentAVを搭載することで、企業のネットワークセキュリティをより強固なものにすることができる。パートナーにとっても、Total Security Suiteの付加価値がさらに高まり、エンドユーザーに高い安心感を提供できるだろう」と語り、新たな世代のFireboxシリーズの提供に自信をみせる。
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外部リンク

ウォッチガード=https://www.watchguard.co.jp/