Special Issue
パートナービジネスで成長を加速するDell EMC
2018/07/05 09:00
週刊BCN 2018年07月02日vol.1733掲載
Dell EMC Business Partner Forum 2018 Tokyo
年間1兆円以上の新しい経済環境を創出
2016年9月にデルとEMCが統合し発足した米デル テクノロジーズは、順調に成長している。イベントの冒頭では、Dell EMCの松本光吉・執行役員副社長インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括兼パートナー事業本部長が、「直近の通期決算ではグローバルで8兆8000億円の売り上げを記録し、年間成長率のパーセンテージは二桁を超えている。デル テクノロジーズだけで年間1兆円以上の新しいITの経済環境をつくりだしている」と成果を説明した。
国内市場の成長も著しい。松本副社長は「パートナー各社のお力添えもあり、日本も二桁成長を達成することができた」と強調。パートナー経由の売上高は対前年比で16%成長したという。製品別では、コンバージドインフラ、ハイパーコンバージドインフラ(HCI)の伸びがとくに大きく、対前年比4倍の成長率を記録した。一方で、「日本も頑張っているが、グローバルの成長があまりにも早く、そこに追いついていない」と課題にも言及。「サーバー、ストレージもまだまだ伸びしろがあるし、デル テクノロジーズの幅広い製品ポートフォリオのなかで日本でまだ十分に提供できていないものもある。ここをパートナーの皆様としっかりカバーして、成長を加速させたい」と会場に呼びかけた。
続いて登壇したデルの黒田晴彦・最高技術責任者(CTO)は、Dell Technologies Worldで発信されたデル テクノロジーズのメッセージを解説した。「マイケル(・デル会長兼CEO)はDell Technologies Worldを人類の進化をけん引する技術のビジョンを共有する機会と位置づけている」として、農業などへのIoT活用事例などが紹介されたことを説明。「技術戦略こそがビジネス戦略を決める。そしてデル テクノロジーズには技術戦略を包括的に支えることができるグループとしての大きな力がある」と強調した。また、デジタルトランスフォーメーションにつながる五つの技術トレンドとして「VR/AR」「IoT」「マルチクラウド」「SDx」「AI」を挙げ、これらに着目して投資をすることが「パートナーにとってはビジネスチャンスに直結する」とコメントした。
伊藤忠テクノソリューションズが「Titanium Black」に
イベントでは、デル テクノロジーズのエンタープライズ向けITインフラ製品を担うDell EMCブランドの製品群について、ストレージ、HCI、サーバー・ネットワーク製品、クライアントソリューションの四つの領域に分けて最新の製品群や開発ロードマップ、パートナープログラムを詳細に説明した。
また、Dell EMC製品の拡販に貢献したパートナーを表彰する各種アワードの授与式も開いた。伊藤忠テクノソリューションズが日本のパートナーとして初めて最高位パートナーである「Titanium Black」に認定され、世界のトップパートナーが集う「Dell EMC President's Circle」に参加することになったほか、「Server」部門でAPJ地域の最優秀パートナーになった。さらに、富士ゼロックスが「Go Big - Win Big New Business」部門で、ユニアデックスは「Go Big - Win Big Growth Premium to the market」部門で最優秀パートナーを獲得。このほか、一つ以上の部門でファイナリストにノミネートされたパートナーであるリコージャパン、ネットワンシステムズ、兼松エレクトロニクス、NTTデータを含め、7社にトロフィーを授与した。
締めくくりには、デルの平手智行社長、EMCジャパンの大塚俊彦社長がイベントを総括した。「7月で着任から3年経つが、この間、パートナー様との協業の仕組みを一からつくり直し、パートナー様との売上高が1000億円を超えるところまでやっときた。パートナー様のますますの発展に向けてわれわれがますます頑張るべきタイミングだと思っている」(平手社長)、「デルとEMCが一緒になって約1年半が経過したが、多くのお客様、パートナー様にお役に立てる製品、ソリューションが充実してきた。パートナー様の一層の発展と成功に貢献し、ともに成長することを目指して、Dell EMC社員一同全力で取り組んでいく」(大塚社長)として、パートナーエコシステムのさらなる活性化に継続して取り組んでいく姿勢を鮮明にした。
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