Special Issue
デジタルテクノロジー 仮想化環境の移行を支援 ZertoとVeeamを組み合わせた 移行ソリューション
2018/02/22 09:00
週刊BCN 2018年02月19日vol.1715掲載
Zerto
移行のダウンタイムを 大幅に短縮
酒井宏一郎
アライアンスビジネス部
部長
ZVRは仮想化基盤に対応したレプリケーション製品だ。システムの複製を作成するレプリケーション機能を生かして、仮想マシンの移行、つまりマイグレーションとして活用できる。ここにDTCは注目した。従来通りの手法では、移行するデータ量の増加に比例し、ダウンタイムが伸びてしまう。ZVRはハイパーバイザーにVirtual Replication Appliance (VRA) を立て、vCenterと連携することで、仮想マシンは何も設定変更することなく複製が可能になる。これにより既存のシステムを運用したまま移行作業を開始し、切り替え時のみ仮想マシンを止めることでダウンタイムを大幅に短縮して移行できる。「ダウンタイムを短縮したいというニーズは、データ量が増えるほど高まっていく」(茂木陽介・アライアンスビジネス部3課SEグループ主任)という。
多様なプラットフォームに対応する点も特徴だ。VMware vSphere 4.xからvSphere 5.x/6.xへ、オンプレミスの仮想化環境からAWS/Azureへ、またプライベートクラウドへの移行も可能だ。「最近はHCIへの移行ニーズが高まっている。また、クラウドへのディザスタリカバリ(DR)も増えてきており、Azureへレプリケーションする構成ではオンプレミスへのフェールバックも可能であり、今後こうしたDRニーズも高まるだろう」と酒井部長は話す。ライセンス体系は、レプリケーションとしてDR/移行/バックアップのすべての機能を使える永久ライセンスのほか、移行用の6か月期間限定ライセンスを用意。期間限定版のライセンス料は1VMで5万円。AWS/AzureをDRとして使用する1年間のサブスクリプションもある。DTCは2014年秋のVMworldをきっかけにZVRを知り、翌年の2月には社内検証を開始した。その流れで15年12月に国内で初めてZertoと販売代理店契約を結ぶ。国内で最もZVRを知っている、それが同社の強みだ。
Veeam
高速復旧を実現 データ健全性もチェック
茂木陽介
アライアンスビジネス部
3課SEグループ
主任
従来の復旧手法は、バックアップしたファイルやデータをリストアし、復元したデータを仮想マシンに戻して起動する。この際、バックアップデータが大きいほどリストアに時間がかかり、仮想マシンの起動が遅れてしまう。Veeam Backup & Replicationは「インスタントVMリカバリ」を搭載。リストアする前にストレージのプロビジョニング、バックアップの展開、本番環境へのコピーまで行い、仮想マシンをバックアップファイルから直接起動できる。その後、VMware Storage vMotion、Hyper-V Storage Migration、または独自のQuick Migrationを使用して、本番ストレージに戻す。これにより何時間も要する通常のリストアとは異なり、わずか数分で仮想マシンを起動し、ダウンタイムを短縮する。
仮想化環境に特化したからこそ実現した機能として、自動復旧検証機能を備える。隔離した仮想化環境をつくり、そこで仮想マシンを立ち上げ、動作確認を実行できる。茂木主任は、「vSphere/Hyper-Vのバックアップを自動的に起動テストできるので、ファイル、アプリケーション、仮想マシンを必要に応じて確実に復元できる」と話す。
ライセンス体系は、3つのエディションから使用したい機能で選択し、ハイパーバイザーの物理CPU数分ライセンスを購入するシンプルな設計だ。
ハンズオンセミナーを開催
製品の基礎や特徴、基本操作など、理解を高めるために、Veeam Backup & Replication/Zerto Virtual Replicationの実環境を使用したエンジニアや情報システム部門担当者向けのハンズオンセミナーを毎月開催している。要望に合わせ出張セミナーも行う。詳細は下記のURLから。
・http://www.dtc.co.jp/veeam
・http://www.dtc.co.jp/zerto
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