Special Issue

富士通 グローバル化した国産サーバーのHCI 「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX」

2018/02/01 09:00

<Windows Server 2016  HCIで商機をつかむ Partner>
すぐに使えて変化にも柔軟な構成、運用自動化で管理負担の軽減も


 富士通は、2016年11月にHCIの「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX」を発表し、17年12月の時点ですでに100ノード以上の導入実績を有している。国産サーバーのHCIとして日本での案件が増えているほか、欧州を中心に海外でも導入が進んでいる。導入後すぐに使えるうえ、柔軟な構成で環境の変化にも対応。統合運用管理ツールによる自動化も実現している。国内サーバー市場でトップシェアをもつ富士通が、20年にはHCI市場でもトップシェアを狙う。

環境変化で増大するユーザー企業の課題
システム導入時の相反する条件を解決へ

船木 淳
データセンタプラットフォーム
事業本部
コンバージドインフラストラクチャ
開発統括部
統括部長

 現在、ユーザー企業を取り巻く環境は大きく変化している。「働き方改革の推進」に向けて柔軟に働けるようにテレワークを導入したり、少子高齢化による「労働人口の減少」に向けて人手不足に対応したり、ICTの利用による業務の効率化や、「標的型攻撃の増加」に対応するトータルなセキュリティ対策など、求められる要件はさまざまだ。そういった状況のなかで、ユーザー企業の現場では、新しい業務システムの必要性から迅速に立ち上げなければならない一方、投資やランニングコストの縮小も強いられている。しかし、システム担当者の不足や予算が少なければシステムを簡単にリプレースすることができず、将来を見越した設計も難しい。

 このような課題を解決する対策の一つとして、HCIの導入がある。サーバー管理者のみで運用が可能なシンプルさをもち、スケールアウトも容易、省スペース化や省電力化にも貢献する。富士通の船木淳・データセンタプラットフォーム事業本部コンバージドインフラストラクチャ開発統括部統括部長は、「だからこそ、HCI市場は国内外を問わず急激に成長している」と説明する。

 しかし、海外と比べると国内は未だ導入率が低い状況だ。このような状況下、富士通ではFUJITSU Integrated System PRIMEFLEX(PRIMEFLEX)の提供に踏み切った。

キーワードは「簡単」「柔軟」「安心」
直感的な運用管理を実現

 PRIMEFLEXは、容易な導入、高い拡張性、運用容易性を実現しているHCI。強みは「簡単」「柔軟」「安心」である。
 

紀室英輔
データセンタプラットフォーム
事業本部
コンバージドインフラストラクチャ
開発統括部
インフラ管理プロダクト開発部
マネージャー

 「簡単」では、製造工場でセットアップしてから納入することで導入を簡単にしているほか、富士通独自の統合運用管理ツール「FUJITSU Software ServerView Infrastructure Manager(ISM)」によって、インフラ構築や運用管理、増設を効率的に行えるようにしている。「統合管理がしやすいことから、ISMはお客様のIT部門ばかりでなく、TCO削減を意識するマネジメント部門からも期待が寄せられている」と話すのは紀室英輔・データセンタプラットフォーム事業本部コンバージドインフラストラクチャ開発統括部インフラ管理プロダクト開発部マネージャー。機器の状態や温度・電力などの稼働状況を3Dのラックイメージで監視でき、ラック搭載イメージで表示されている機器をクリックするだけで個別の詳細情報の確認も可能。物理サーバーと仮想サーバーの関係性も表示できるため、前記の稼働状況と合わせて、インフラ環境全体を俯瞰して直観的に管理できる点で高い評価を得ている。

 「柔軟」では、サーバー単位のほか、CPUやメモリ、HDD/SSDなどの部品単位で構成を選ぶことができる。「安心」では、高品質サーバーとワンストップサポートが大きなポイントだ。

 こうした強みは、まず海外で高評価を得ており、「欧州を中心に導入が進んでいる」と船木統括部長はアピールする。国内でも、地方自治体や地方官庁などから導入が始まっている。

 富士通では、全社の仮想デスクトップ(VDI)基盤の一部にPRIMEFLEXを導入。13年8月から9月にかけてVDIのトライアル運用を実施し、13年12月からは希望する社員8000人に提供を開始した。そして現在、全社員8万人に向けて本格導入を進めている。船木統括部長は、「本格稼働してから、ブートストーム時に約30%の性能改善、従来に比べて約20%の導入コスト削減を実現した」と自信をみせている。

 PRIMEFLEXのラインアップは、Windows Server 2016のSoftware Defined Storage(SDS)技術「Microsoft Storage Spaces Direct」とヴイエムウェアの「VMware vSAN」を用意している。「マイクロソフトとヴイエムウェアの両方が選択でき、既存環境の移行や再構築も容易」(船木統括部長)という。主に、中小規模にはマイクロソフト版、大・中規模にはヴイエムウェア版を提供と、すみ分けたビジネスを展開している。
 

グラフィカルで直感的に一元管理できる「FUJITSU Software ServerView Infrastructure Manager」

特別価格キャンペーンを実施
2020年にトップシェア狙う

 「簡単」「柔軟」「安心」が揃って、中小規模でも導入できるPRIMEFLEXは、今後ますます導入企業の幅が広がりそうだ。富士通では、さらに普及を図るため、「FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for Microsoft Storage Spaces Direct」では標準価格から最大58%を割引く特価キャンペーンを、18年3月まで実施している。さまざまな顧客層にHCIを浸透させ、「サーバーでは国内市場でトップシェアを果たしている。HCIでは2020年までにトップを狙う」と船木統括部長は意気込んでいる。
 
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外部リンク

富士通=http://www.fujitsu.com/jp/products/computing/integrated-systems/virtual/