Special Issue
Microsoft Dynamics 活用事例/山善(上海)貿易有限公司 導入から3年、新たなITパートナーとともに再活用を開始
2017/12/21 09:00
週刊BCN 2018年02月26日vol.1716掲載
※ Microsoft Dyanmics AXは、現マイクロフトサービス体系のDynamics 365 for Operations、Dynamics CRMはDynamics 365 for sales に該当します。
課題
平山 奨士
董事 財務総監
だが、規模拡大の一方で上海、深セン、香港の各事業法人とその傘下の16拠点がそれぞれに個別最適化した業務プロセスを構築。「従来の量を追い求める拡大路線から今後の質を求める安定路線に転じるには業務改革が必要だった」と平山奨士董事 財務総監は振り返る。そこで14年、台湾地区も含む5法人でマイクロソフトの統合ERPパッケージDynamics AXと営業支援をはじめとするDynamics CRMの導入を開始。各法人で運用してきたバラバラのシステムを統合し、中国全体の数値を一元管理することで経営効率の向上を図った。
しかし、「経営視点の要求と実際に業務でシステムを日常的に使用するスタッフの意向が十分にかみ合っていなかった」(平山董事)ため、現場からは、Dynamics導入後は業務効率が下がったと以前のシステムへの回帰を求める意見もあった。加えて、数多くの部門や拠点が、当時導入を担当したITベンダーに直接要望した機能や仕様がその必要性を十分に吟味されることなく実装された。その結果、機能の部分最適と開発・運用コストの増加に拍車がかかり、当初目指した業務改革を実現するシステムとは言い難いものとなってしまった。
改善
森井 郷
機工部部長
導入自体に直接関わっていないシーイーシー上海が山善(上海)貿易のDynamicsに携わり始めたのは16年。慢性的に遅く、業務に大きく支障をきたしていたレスポンスの調査を皮切りに、当時のDynamicsのパフォーマンスの改善案を提出した。Dynamics AXにない機能だと思い、仕方なくエクセルやCRMで代替していた機能が、「実は本来備わっている標準機能だった」(森井部長)ことも判明したという。
改善案の一つにユーザーIDの登録がある。従前は新規ユーザーが増えた場合は導入担当のITベンダーに外注し、その都度費用が発生していたが、「現在はシーイーシー上海からマニュアルを提供してもらい、内製によるコスト削減を図れるか検討中」(平山董事)という。この7月からはDynamics AXとCRMの保守サービスをシーイーシー上海に完全に切り替え、新たなパートナーとともにシステム導入時に目指した中国全社の経営情報の一元管理による経営効率の向上を図る。
溝道 修司
シーイーシー
上海 総経理
Microsoft Dynamicsは世界各国の言語から通貨までマルチ対応し、グローバル展開する企業に適しています。一方でユーザーのなかには「自社の業務に合わせて何でもできるように」といったご要望をもつ方々もいますが、その機能とパッケージとして利用するメリットを熟知した立場から、時にはそのご要望にはそのまま応えず、別の課題解決の手段をご提案することがあります。Dynamicsの専門集団として、お客様の業務効率が本質的に改善することがシーイーシー上海の使命だと考えているからです。
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