Special Issue
NTTデータ イントラマート 「Enterprise Web Solution 2017」を開催
2017/11/16 09:00
週刊BCN 2017年11月13日vol.1702掲載
NTTデータ イントラマートは10月6日、東京・恵比寿ガーデンプレイスのウェスティンホテル東京で同社最大のイベント「Enterprise Web Solution 2017」を開催した。今年のテーマは、「デジタルビジネスが『働き方』の改革を起こす!」。長時間労働の是正・業務生産性向上といった経営課題に向けて、いま取り組むべきデジタルトランスフォーメーションとは何か。その本質とその先にある未来の価値について、多くのセッションとソリューションの展示で紹介した。同イベントは大阪、名古屋でも開催し、いずれも大盛況だった。
業務改革プラットフォーム
「intra-mart」
オープニングセッションは、「イントラマートの基礎知識を習得!『はじめてのintra-mart』」がテーマ。NTTデータ イントラマートの新人社員2人が中心となり、スペシャルゲストとして登壇した週刊BCN編集委員の谷畑良胤とのトークを交えながら、システムの開発から運用までを支える業務改革プラットフォーム「intra-mart」について、わかりやすく紹介した。intra-martの大きな特徴は、効率的な管理を実現するとともに、intra-martによる開発がOpen(汎用性/拡張性) & Easy(開発容易性)であることだ。これにより、ビジネスの革新を支えるシステムの共通基盤を早く、低コストでつくることができる。また、Open & Easyを支える豊富なツールと機能群をラインアップしており、開発はノンプログラミングでできる。
開発容易性については、これまでExcelで作成していた帳票を、そのデータを活用して容易にワークフローを実現する工程をデモで紹介した。
こうした先進性が多くのユーザーに支持され、ワークフロー市場では10年連続でシェアNo.1の導入実績を誇り、導入社数は5300社以上、取り扱いパートナーも200社を超える。
ビジネスの成長につながる
「働き方改革」の本質
NTTデータ イントラマート
中山義人
代表取締役社長
最初に、中山社長が紹介したのはヤマトホールディングスの取り組み。ヤマトホールディングスから佐々木勉執行役員が登壇し、人口減少・高齢化、宅配クライシスなどを前にして、新たな取り組みを進める同社の最新事例を解説した。
DeNAと提携して神奈川で実証実験をスタートした「ロボネコヤマト」は、自動運転社会を見据えた次世代プロジェクト。車内に保管ボックスを設置した電気自動車(EV)を活用しており、利用者はスマートフォンで荷物を受け取る場所と時間帯を指定できる。当初はドライバーが運転するが、将来は無人運転を想定。利用者の非対面販売のニーズにも対応する。
ラクスルとの提携による「ハコベル」は、運送会社の空き時間を利用した貨物輸送。テクノロジーを活用してオープン型の物流プラットフォームを構築し、各業界の企業間物流の構造変革の実現を目指していく。このほか、路線バスを宅急便輸送に活用する「貨客混載」も開始した。今後は、ドローンの活用や送るモノに合わせた箱の作成、倉庫のさらなる自動化を検討しているという。
佐々木執行役員は、「大切なのは、テクノロジーによる自動化と、人が行う領分とを試行錯誤しながらみつけていことだ」と強調した。
デジタルビジネス推進に
不可欠な四つの視点
次に、中山社長は「ERP導入でみなさんの仕事は楽になりましたか」と問題提起した。つまり、ERP導入で間接業務はシステム化されたが、そこからはみ出た間接業務、直接業務、そして顧客との接点は効率化されておらず、業務改革は思ったほどに進んでいないというわけだ。そこにデジタル化の対象を拡大する必要があるとした。そのための四つの視点として、「個別最適から全体最適へ。End to Endの視点で業務プロセスをデザインしなおす」「業務プロセスのデジタル化、オートメーション化でビジネスを正確かつ高速に」「効率化した業務オペレーションは新しい顧客体験を支える」「業界を超えたデジタルツインの構築で、社会全体の業務プロセスの可視化・効率化」を挙げた。
まず、「個別最適から全体最適へ」では、顧客接点からはじまる(取引先まで含めた)ビジネスプロセス全体のデジタル化を説明。これがデジタルトランスフォーメーションプラットフォームであるとした。
例えば、あるエンタテインメント企業では、現場が人手不足を訴える一方、経営は余剰と考えるという相反があった。実際、ある時期を切り出すと人手が不足し、別の時期では余剰になる。その解消には全体最適が不可欠になる。
「業務プロセスのデジタル化」では、ネオアクシスの池田鉄哉部長と協和エクシオの戸塚勝巳部門長が登壇し、従来のビジネス課題を洗い出して可視化し、業務プロセスを見直すことで改善した事例を紹介した。
次いで、中山社長は物理空間に実在するモノと、コンピュータ上に再現したモノを合わせた「デジタルツイン」について説明。これを業務プロセスに適応する必要があるとした。その事例として紹介した東急リバブルとリコーの取り組みは、いずれもintra-martが支えていると語った。
「効率化した業務オペレーションは新しい顧客体験を支える」では、セイコーエプソンの田中秀樹部長が登壇。次々に注目される新製品を生み出す背景には、同社の垂直統合へのこだわりと、15年に立ち上げたEutopia(ユートピア)という取り組みがあると説明した。その効果として、顧客に新しい価値を提供できているとした。
最後の「業界を超えたデジタルツインの構築で、社会全体の業務プロセスの可視化・効率化」では、東京医療保健大学の学事顧問で、日本ユーザビリティ医療情報化推進協議会の落合慈之理事が登壇した。
落合理事は、大学病院などにおけるカテーテル管理を例に挙げ、医療従事者の業務の30~40%は記録に取られている現状を説明。「各社の仕様が違うと業務連携がうまくできない。インターフェースやコードを共通化してほしい。そうすれば日本の医療はより高度化できる」と語った。それを受けて、中山社長が会場の参加者に向けて社会全体で業務プロセスの可視化・効率化に取り組む必要性を訴えた。
ヤフーの新オフィスで
「UPDATE『働き方』」
スペシャルキーノートセッションでは、ヤフーの田中祐介・執行役員パーソナルサービスカンパニー長が登壇し、「UPDATE『働き方』」と題して講演した。ヤフー
田中祐介
執行役員
パーソナルサービスカンパニー長
そこで、ヤフーは16年10月の東京・紀尾井町への本社移転を機にオフィスを一新。新しいアイデアの創出を促進するため、机をジグザグに配置して座席を自由に選べる「フリーアドレス制」を導入。社内外との交流を増やすことを目的に、オープンコラボレーションスペースLODGE(ロッジ)を開設した。また、日常から離れた環境で、いいアイディアの創出や業務効率の向上などにつなげる「どこでもオフィス」では、月に5回まで自宅やカフェなど、自分の好きな場所で働くことができる。育児や介護をしている社員を対象にした週休3日制「えらべる勤務制度」も導入。通勤時間が2時間以上かかっている従業員を対象に、新幹線代を含む通勤交通費を月に15万円まで会社が負担する制度もある。こうしたオフィス環境整備と新しいワークスタイルの促進を「UPDATE『働き方』」として実践している。新オフィスは「ハッカブル」としてあえて未完成の形で残し、常に進化、変化をし続けているという。
同社の働き方改革を支えているのがITインフラだ。PCとiPhoneを貸与し、社員の居場所が常にわかるシステムを導入、会議室にはTV会議を常設している。
「17年4月には、intra-martを導入決定した。これにより、これまで手作業で行っていた作業や煩雑な担当者連携を、業務フローを簡素化し、マーケティングを最適化。さらなる業務効率化を強力に推進していく」と訴えた。
パートナー各社が
先進ソリューションを展示
午後からは、「スペシャルトラック」「ユーザーケーストラック」「テクノロジートラック」「スポンサートラック」にわかれ、ホテル内の5会場で26のセッションが行われた。スペシャルトラックでは、働き方改革、AI、マーケティング、IT戦略をテーマに講演。ユーザートラックでは、キーノートセッションにも登場した各社が製造、不動産、建設業の立場から、それぞれ詳細な取り組みを紹介した。テクノロジートラックでは、NTTデータ イントラマートがBPM・IoT・AI・RPAといった最新テクノロジーを駆使したソリューションについて説明した。会場内の展示ブースでは、「経費旅費/勤怠/マイナンバー」「ワークフロー/クラウド/モバイル」「運用管理/支援サービス/IM連携」「購買/調達/販売/顧客管理」「BPM/RPA/IoT/AI」「電帳法/文書管理/メール/コラボレーション」「intra-martソリューション」にわかれて、47ブースが出展。NTTデータ イントラマートとパートナー各社が先進の製品、サービスを展示・紹介した。また、展示会場の3か所でパートナーによる10分間のミニセッションも多数開催され、会場を埋めた多くの参加者の関心を集めていた。
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