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SBクラウド 日中間ネットワーク問題を解決しビジネス拡大に貢献「Express Connect」

2017/11/09 09:00

週刊BCN 2017年11月06日vol.1701掲載

「SoftBank World 2017」でSBクラウドのトップ2人が講演

 ソフトバンクは、7月20、21日に東京で「SoftBank World 2017」を開催した。 日本市場向けにパブリッククラウドサービス「Alibaba Cloud」を提供するSBクラウドは、新サービス「Express Connect」をテーマに同社のキーマンが講演し、日中間ネットワーク問題を解決するサービスの魅力を紹介。展示会場では、サービスの強みを披露した。

中国特有のネット問題を
解決する新サービスが登場

 アンディー・シュワベッカーCTOは「巨大な中国マーケットへの進出を支えるSBクラウドのサービスとは」と題して講演した。

 講演ではまず、世界最大級の中国ECサイト「Taobao」を支えるパブリッククラウドサービスのAlibaba Cloudを紹介。中国でシェア5割を超えるAlibaba Cloudは、ECビジネスの総流通額ではAWSの倍の規模という。SBクラウドは、ソフトバンクと中国アリババグループの合弁会社で、Alibaba Cloudをローカライズ化して日本市場に提供している。「Alibaba Cloudの技術を日本で提供し、日本企業の中国市場への進出をサポートするボーダーレスなグローバルクラウドを展開することが当社のミッション。また、多くの企業にとって気がかりな顧客データの保管でも、当社サービスなら日本の法律下で運用することができる」とした。
 

展示会場でブースを出展

 巨大マーケットである中国進出を検討する企業は少なくない。だが、ビジネスを支える日中間を接続するインターネットにおいては、政府による通信規制など中国特有のネットワーク問題をはじめ、パケットロスや伝送遅延、セキュリティ対策、高いコストなど、クリアすべき課題は多い。課題解決に貢献するのが、7月18日に提供を開始した日中間の専用型ネットワークサービスのExpress Connectだ。日本企業の自社設備とSBクラウドの国内データセンターを接続するために、エクイニクスのInternational Business Exchange(IBX)データセンター経由で提供されるクラウド接続サービス「Equinix Cloud Exchange」、米Packet Hostのベアメタルクラウドサービスを相互接続する。

 「Express Connect経由で、当社の国内DCへのセキュアで高速なアクセスができる。他社サービスとの比較で日中間の接続において、パケロス率は約5分の1、レイテンシは約3分の1を実現している。また、インターネットを介さないので、中国特有のネットワーク問題もクリアできる」ことを強調した。

 続いて登壇した内山敏・代表取締役兼CEOは、日本で撮影したライブストリーミングを中国に向けて配信する事例や、顧客のDCや端末とクラウド環境を接続しハイブリッドクラウドを構築する事例を紹介した。

Alibaba Cloudは2、3年で
プレイヤーとしての地位向上へ

内山 敏
代表取締役兼CEO

 また、展示会場のSBクラウドのブースでは、ビジネスニーズに合わせて企業のインフラ環境を構築できるAlibaba Cloudのサービスを、デモを交えて紹介した。また、仮想サーバーのECSや日中間をつなぐネットワークサービスのExpress Connectなど、企業のグローバル展開におけるソリューションを展示し、多くの来場者の関心を集めていた。

 「Alibaba Cloud日本サイトがスタートし、このほど新サービスのExpress Connectを発表することができた。すでに大きな反響があり、お客様の関心の高さを強く感じている」と内山代表取締役兼CEOは前置きしたうえで、「日本でのAlibaba Cloudの認知度はまだ低いが、3年以内にプレイヤーとしての地位を向上させたい。当社としてはまず、ビッグデータなどの市場からも望まれるサービスをラインアップに追加していくことを考えている。さらに、アリババ側に日本市場のニーズをしっかりと伝えて、サービスを数と質の両面で充実させていく。同時に、多くのパートナーの方々と組むことでエコシステムの充実を図り、ビジネスを拡大していきたいと考えている。ぜひ、多くの方々に参加してもらいたい」と展望を語った。
 

「インバウンド・ジャパン 2017」でもソリューションを披露
顧客のビジネス拡大に貢献する

 SBクラウドは、インバウンド関連イベント「インバウンド・ジャパン 2017」でもソリューションを披露、中国人を対象にビジネスに着手したい企業などから注目を集めていた。出展した製品・サービスは、Alibaba Cloudの各サービス、越境ECに必要なサービス「越境Go」、加えてソフトバンクが提供しているインバウンドソリューションだ。
 
 

二宮暢昭
営業部
部長

 Alibaba Cloudのコーナーでは、新サービスのExpress Connectを展示したほか、仮想サーバーサービス「Elastic Compute Service」、コンテンツ配信サービス「Alibaba Cloud CDN」、クラウドオブジェクトストレージサービス「Object Storage Service」、オンデマンドのデータベースサービス「ApsaraDB for RDS」などを紹介。越境Goでは、決済カートやサイト制作・翻訳、海外配送関税手続きなど、越境ECに必要なすべてをワンストップで提供していることをアピール。インバウンドソリューションでは、中国テレビ番組「東京印象」を活用したプロモーションやモバイル決済ソリューション、リアルやECでの販売など、旅を軸に訪日前から訪日中、訪日後の中国人ユーザーをカバーする総合的なサービスを展示した。

 SBクラウドの二宮暢昭・営業部部長は、「当社では、単にプラットフォームを提供するだけでなく、顧客のビジネス拡大に貢献していく」と強調した。
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外部リンク

SBクラウド=https://www.sbcloud.co.jp/