Special Issue
<働き方改革特集>クロノス 長時間労働の抑止には確実な就業管理が不可欠
2017/11/02 09:00
週刊BCN 2017年10月30日vol.1700掲載
働き方改革に取り組む企業が、とくに力を入れているのが労働時間の短縮だ。だが、十分な成果をあげていないケースも多い。「長時間労働の是正には、まず現状の把握、つまり確実な就業管理が欠かせない。そのうえで、初めて効果的な対策に結びつけていくことができる」と語るクロノスの濱田淨史社長に、同社の就業管理システム「クロノスPerformance」の特徴とその機能を活用した対策について聞いた。
8割が労働時間短縮に取り組む
まずは就業実態を可視化する
濱田淨史
代表取締役
それほど企業の関心が高いにもかかわらず、十分な成果をあげていないケースも少なくない。その大きな理由の一つと思われるのが、企業が社員の勤務実態を正確に把握できていないことに起因しているという。
「紙ベースのタイムレコーダーや、そもそもレコーダーを導入していない企業も多い。それでは勤務実態がわからない。長時間労働を是正するには、まず現状の把握、つまり確実な就業管理が欠かせない。そのうえで初めて、残業の抑止や勤務間インターバルの確保といった効果的な対策に結びつけていくことができる」と濱田社長は強調する。
長時間労働の是正に取り組む企業に向けて、クロノスが提供するのが就業管理システムのクロノスPerformanceだ。30年以上におよぶ同社の就業・勤怠管理のノウハウを結集。導入実績が6700社以上を誇る。打刻データや各種機能との送受信をスムーズに行うことができ、勤務時間などの自動集計や変形労働時間制に対応するなど、働き方を確実に可視化できる。タイムレコーダーなどのハードからソフトまで、クロノスが一貫して開発した。「各社の給与ソフトに連動したデータ作成も可能など、抜群の連動性を備えている」とアピールする。
就業管理の導入で
社員の立ち居振る舞いが変わる
クロノスPerformanceの主要な二つの機能を紹介しよう。まず「残業抑止アラート通知」は、システム起動時にあらかじめ設定した労働時間基準値を超えた従業員がいた場合、アラートを表示して管理者に気づきを与える機能だ。設定したアラート条件を基準に、残業時間の実績から1か月間の残業時間を推測して、アラートラインを超えるか否かを判定し、過重労働になる前に改善することができる。
「とくに、メンタルヘルスの異常は、外からの判断が難しい。一般の勤怠管理では基準値を超えて初めて就業状況が把握されるため、対応の遅れから従業員が深刻な状況になりかねない。そのような状況に対して事前に気づくことができるため、適切な対応ができる」と濱田社長は説明する。
また、集計時における実残業時間と予測される1か月の残業時間を一覧表示するアラート一覧では、「予測される時間の多い順」「アラートを超える従業員のみ」など、さまざまな条件を設定して表示できる。
もう一つの注目機能の「勤務間インターバル制度対応」は、従業員の心身の健康維持を目的として、時間外労働を含む勤務終了時間から始業時までに一定時間「インターバル」の休憩を保障する制度に対応するもの。すでに制度化したEU加盟国では、最低11時間の休息を義務づけている。クロノスPerformanceでも、タイムレコーダーの退勤打刻時に、翌日の(インターバル後の)出勤時間を知らせる機能を12月に追加する。
クロノスPerformanceを導入した企業からは、「上司や管理部門が勤務時間をしっかり把握していることをアピールできるため、無駄な残業が削減でき、会社に残る人数が減った。同時に、光熱費の削減にもつながった」「今までは30分単位で計算していたため、タイムカードを押さずに時間稼ぎする社員がいたが、1分単位に変更した後はすぐに退社するようになった」「ICカードを社員証にしたことで、だらだらしていた従業員がきびきびするなど、立ち居振る舞いが変わった」などの声が寄せられている。
業種別ユーザーは、製造、医療・福祉で5割を超え、サービス、小売などが続く。働き方改革をテーマに最近、引き合いが多いのが製造、建設、運輸。目的は長時間労働の是正や業務効率化が中心だが、経営層も経営分析の資料として活用しているという。
「今後、導入を促したいのが勤務時間の把握が遅れている学校。タイムカードなどでの時刻記録は1割強程度に過ぎず、勤務時間を客観的に把握、集計できるシステムの構築が求められている。また就業管理は、あらゆる分野の企業に適応できるシステム。働き方改革への取り組みが大きく盛り上がるなか、販売パートナーやSIerの方々が、まずはドアノックツールとして活用することに期待している」と濱田社長はアピールする。
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