Special Issue
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター ブロックチェーンで新しいマネタイズ 誰でも価値交換の仕組みを提供できる
2017/09/21 09:00
週刊BCN 2017年09月18日vol.1694掲載
高木聡一郎
研究部長
ビットコインを実現するために生まれたブロックチェーンについては、「インターネット技術の上に構築される価値(資産)交換するための分散型インフラ技術」と定義したうえで「ビットコインだけでなく、最近は台帳管理やIoTなどに応用範囲が広がってきた」と説明。改ざん耐性、資産の管理可能性、中央管理者の不要性をブロックチェーンの三大要素に挙げた。
ビジネスでは、「さまざまなプロパティ(資産)や取引をブロックチェーン上で登録、確認、移転できる可能性がある」とし、株やクラウドファンディングなどの「金融」、不動産登記や自動車登録などの「公的情報」、運転免許やパスポートなどの「ID」でも活用が見込めると紹介した。
ビジネスでの活用に向けた課題については、一般的なデータベースの代わりとして使う場合、「スピード」や「データ量」、「セキュリティ」に問題があると指摘。仮想通貨のトークン機能を中心に利用した際は、アルゴリズム上の安全性を確認できるかが懸念点だとした。
ただ、ブロックチェーンを活用することで、「大企業でなくても、銀行でなくても、政府でなくても、情報の信頼性を確保でき、価値交換の仕組みが提供できる」と予想。「トークン発行により、契約関係にない相手にインセンティブを生じさせることで業務を回す仕組みをつくることが可能だ」と述べた。
さらに、「信頼できるトークンがあることによって、手数料や利用料に限らないマネタイズやファンディングの方法が誕生する」と持論を展開し、「今のシステムにどうやってブロックチェーンを使うかということのほか、もう少し中長期的な視野で活用を考えることも重要だ」と語った。
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