Special Issue
DX時代の最新ビジネスモデルを解説 ふくおかクラウドアライアンスの柴田氏もゲスト登壇――週刊BCN(主催者講演)
2017/09/14 09:00
週刊BCN 2017年09月11日vol.1693掲載
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週刊BCN
谷畑良胤
編集委員
さらに、中国のアリババグループが実現を目指す無人スーパー「TAO CAFE」については「米アマゾンの『Amazon GO』を追いかけて、中国でもRFID、顔認証、FinTech、IoT、という先進テクノロジーを駆使した取り組みが出てきている」と説明。また、同じく中国発の自転車シェアリングサービス「Mobike」が日本でサービスをローンチしようとしている話題や、人体にITが入り込んで生態系とデジタル技術を融合させる“第4のプラットフォーム”として、「Augmented Humannity」の事例も近い未来に登場するというIDCの予測なども紹介した。
IoTの先進事例の一つとして、「北海道でトラクタをセンサデバイスとして活用した農業IoTが流行しつつある」と説明し、通信技術への目配りの重要性も指摘。「IoTソリューションの提案に、LoRaWANやSigfoxといった規格に代表される省電力・遠距離通信型の通信方式LPWA(Low Power Wide Area)の活用も意識する必要がある」と語った。
このほか、RPA、APIエコノミー、データアグリゲーションといったキーワードを取り上げ、ITベンダーの新しいビジネスモデルがさまざまな領域で生まれていることを、事例を交えて解説した。まとめとしては、「顧客の要望に応えるだけでなく、新しい技術、トレンドをしっかり消化し、新しい価値をベンダー側から提案していくことが、DX時代のITビジネスでは重要になる」と結んだ。
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ふくおかクラウドアライアンス
柴田健二
ビジネス開発副委員長
柴田氏は同アライアンスについて、「お客様のほうに目を向け、一緒に新しいビジネスを考えていくという活動は、IT関連の業界団体では珍しい取り組みだと思っている」と特徴を説明。セミナーの開催などを中心に活動しており、昨年は参加者が900人を超えたことなどを紹介。福岡のIT市場を盛り上げるべく、新たなメンバーの参加を歓迎する意向も示した。
クラウドで成長中の注目ベンダー6社が登場
週刊BCN編集部による公開取材も
全セッション終了後の懇親会では、福岡県内に拠点を置き、クラウドビジネスなどで急成長中の注目ベンダーを招き、週刊BCNの公開取材も行った。自社ビジネスの状況や福岡都市圏のIT市場のポテンシャルについて、各社のコメントを紹介する。
マーケティング部マネージャー 安部直樹氏
「セールスフォースのCRM/SFAビジネスを核に、順調に成長できている。当社の8割は地元・福岡のお客様だが、年平均130%~140%は成長しており、まだまだ成長のポテンシャルはあると感じている」
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第1システム本部インフラサービスグループグループ長 岩崎寿史氏
「Azureをはじめさまざまなクラウドに、オンプレからシステムをマイグレーションする『FL.OPS(フルオップス)』というサービスが非常に好調。サーバーの償却期間が終わるサイクルでクラウドへの移行を検討するユーザーが着実に増えてきている」
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セールスマーケティング本部 営業部 九州ユニット 神野拓氏
「スタートアップの活動が盛り上がっていることなどもあり、クラウドサービスやデータセンター事業の拡大が見込めると考え、福岡に今年2月、拠点を設けた。認知度も上がり、着実にビジネスも拡大している」
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CSO 末永善彦氏
「デバイスからデータストレージ、AIを使った分析まで、ワンストップのIoTサービスを提供しており、順調に成長できている。福岡は、ITビジネスの市場というだけでなく、人材獲得の面でも非常に魅力的な市場」
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事業推進部門PMOチーム 船越将一氏
「従来主力のAWSのビジネスはこれまで同様注力していくが、IoT、AIの自社商材にも注力しており、開発者向けにIoTのデバイスをシミュレーションする『mockmock』というサービスをリリースした。福岡でも、IoT、AIの案件は着実に増えてきている」
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代表取締役 武藤元美氏
「昨年までUOS理事長を務めていたが、同8月にDevOps推進協議会を立ち上げた。福岡でも、ユーザーのデジタルビジネスへの意識は高くなってきている。日本のIT業界もユーザーのビジネススピードに合わせて、システム開発していくべき」
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