Special Issue

スーパーストリーム 20年以上の業務ノウハウを“結集”

2017/06/08 09:00

週刊BCN 2017年06月05日vol.1680掲載

最新版「SuperStream-NX Ver.2.0」の全容を公表

 会計・人事給与システム「SuperStream」を開発・販売するスーパーストリームは4月20日、販売パートナー向けの年次イベント「SuperStream Partner Conference 2017」を開いた。同イベントでは、20年以上の業務ノウハウを“結集”したという最新版「SuperStream-NX Ver.2.0(NX-V2)」を6月にリリースすることや、クラウド基盤をもたない販売パートナー向けにパブリッククラウド「SuperStream Cloud(SS Cloud)」を提供することなど、今年度(2018年3月期)の製品・販売戦略が示された。同社は、「SuperStream-COREシリーズ」から「SuperStream-NXシリーズ」への移行を昨年度から促進し“守り”を固める一方、NX-V2の導入を加速するための“攻め”を本格化している。

各パートナー別のERPソリューション強化

多田友也
取締役営業技術本部長

 SuperStreamは、販売開始から今年で22年目を迎えている。初代の「GL」「CORE」と続いて、いまの「NX」は第三世代のシリーズだ。6月1日にリリースしたNX-V2は、メジャーバージョンアップとして7年ぶり。SuperStreamの17年末現在の累計導入社数は8404社。昨年度だけで、新規企業として284社(上場企業9社を含む)に導入。業種別では、医薬品・自動車部品製造が好調で、建築業界が昨年度に比べ大幅に伸長したほか、「他拠点展開企業では、証憑管理の案件が増えた」と、多田友也・取締役営業技術本部長は、業種別ソリューションモデルでの最適提案が有効に作用したことを強調している。

大久保晴彦
代表取締役社長

 また、大久保晴彦社長は、「COREシリーズからNXシリーズへの移行完了は必達。『移行コンソーシアム』のパートナーとともにNXシリーズへの移行を猛烈に推進する。一方、競争力のあるNX-V2をリリースした。当社製品の単体売りでなく、NX-V2を中心にパートナーの製品であるSAF(SuperStream Applications Family)などを利用した各パートナーのERPソリューションを推進する」と、“攻め”と“守り”の両面でパートナー連携をさらに強化することを誓った。

UXをSilverlightからWPFへ

山田 誠
取締役企画開発本部長

 「1995年以来、約20年の間でお客様から頂いた『声』や『ノウハウ』『想い』をすべてV2へ」――。今回の年次イベントの目玉であるNX-V2の詳細説明に入る前、山田誠・取締役企画開発本部長は、この文言が書かれたスライドを表示し、NX-V2がSuperStreamの歴史の集大成であることを強調した。

 市場拡大に貢献した第二世代のCOREシリーズは、快適な操作性や国内利用に特化した機能などが特徴だ。第三世代のNXシリーズのV1は、UI(ユーザーインターフェース)をビジュアルに刷新したほか、グローバル・グループ経営を支援する機能の強化を図ってきた。ただ、「COREは、クライアント/サーバー(C/S)向けにつくられた製品で、見た目が古くアーキテクチャとしても老朽化した。NX-V1は完全にウェブだが操作性はCOREに比べると若干劣る。こうした点を踏まえ、NX-V2でお客様に恩返しがしたい」(山田取締役)とNX-V2の開発経緯を語った。

 NX-V2は、次の方針にもとづいて開発されている。UX(ユーザーエクスペリエンス)を、Silverlightから互換性のある「.NET Framework 3.0」以降のWPF(Windows Presentation Foundation)に変更。操作性(オペレーション)とDB(データベース)の変更は行わない。「Input・Output」部分を大幅に刷新し、クラウドとオンプレミスで導入した全ユーザーがSuperStreamのクラウドサービスに接続できる。

 このような方針のもとで生まれたNX-V2は、「入出力インターフェースを細部まで磨き上げることで、快適な操作性を提供する」(山田取締役)という。製品説明の冒頭では、実際に、NX-V1とNX-V2の違いについてデモを行った。例えばログインではV1は呼び出しに30秒ほど時間を要したが、V2は瞬時に処理が終了し、各入力業務についても業務負担が大幅に軽減されることを実証していた。

「NX-V2」はUIを個別カスタマイズ可能

 NX-V2の強みは、まず直感的に操作ができるようにフラットデザインとユニバーサルデザインを採用し、UIを大幅に刷新している点だ。利用者ごとにベースカラー(7色)や文字フォント、表示サイズを変更できる。利用頻度の高い機能やファイルを選択し登録できる「マイメニュー機能」や、仕訳入力、支払/債務計上などの画面のフレームワークを分割して、レイアウトをユーザー側で変更できる点も、ユーザー目線で強化した機能だ。

 また、NX-V1で「最もすぐれた機能」と山田取締役が評する「帳票出力・閲覧機能」では、「Excel Report」や「Excel差込」「Pivot Report(集計機能)」「ReportPlus」の各機能を追加。作表や集計作業の大幅な効率化を実現する。山田取締役は、「アドオン帳票のゼロを目指し、ユーザー側で帳票定義が可能になったほか、Pivot形式の集計レポートを提供し集計作業の効率化を支援する」としている。さらに、企業の経営状況を可視化できる「ダッシュボード機能」を標準実装したほか、グローバル対応のフレームワークを提供。現在のSuperStreamは、日本語と英語対応だが、将来的にはタイ、中国などの言語対応も検討する。
 

ディーン・ガイダ
Founder & CEO
米インフラジスティックス

 4月10日には、米インフラジスティックスと、UIやモバイル技術分野で協業を発表。同イベントでは、ディーン・ガイダCEOが「SuperStreamのユーザーに、よりよい体験が得られるモバイル向けのUI/UXを提供することで、パートナーのビジネス展開に貢献する」と挨拶。山田取締役は「NX-V2から米インフラジスティックスの技術を組み入れた」としている。

長崎忠雄
代表取締役社長
アマゾン ウェブ サービス ジャパン

 一方、クラウドに関しては、従来のプライベートクラウド「NX-SaaS」などに加え、「クラウド基盤をもたないパートナー向けに、パブリッククラウドで顧客に当社製品を提供できるようにする」(山田取締役)と、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上のマルチテナント方式で提供する「SS Cloud」を公表した。イベントには、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの長崎忠雄社長が駆けつけて登壇。「スーパーストリームのミッションを実現するため、当社はインフラ側で支える」とメッセージを送った。

 山田取締役は最後に、「ERPの“いままで”と“これから”」として、現在は研究段階だがSuperStreamにAI(人工知能)やRPA(ロボティックプロセスオートメーション)など、最新テクノロジーを搭載したイメージを、デモを交えて紹介。SuperStreamは、将来に向けさらに進化し続けることを印象づけた。
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外部リンク

スーパーストリーム=http://www.superstream.co.jp/