Special Issue
ピクセラ IoT時代のモバイルネットワークを実現する「PIX-MT100」
2017/06/01 09:00
週刊BCN 2017年05月29日vol.1679掲載
ピクセラが今春、LTE対応USBドングル「PIX-MT100」の最新ファームウェアをリリースした。ポートフォワーディング機能やChrome OS対応など、新しい機能を無償で追加し、ビジネス現場での活用の幅を広げた。
コンシューマ製品をビジネスで活用 幅広いOSサポートとドングルが人気
ピクセラが2016年2月に直販サイトで発売したPIX-MT100。当初は、コンシューマ向け製品として展開したが、ビジネス用途での需要が多く、この春、ビジネス向けに最適な機能をファームウェアで追加した。成田友依
営業本部第二営業部
係長
デジタルサイネージや監視カメラ、レジなど、インターネットに接続するIoT機器が増え、インターネット環境を簡単に構築したい、というニーズが高まっている。インターネットケーブルを引きにくい屋外や小規模な店舗、作業現場などでは、無線LANアクセスポイント機能を備えたモバイルWi-Fiルータが注目を集めている。ところが、バッテリ内蔵のモバイルWi-Fiルータの場合、充電が必要で長時間使い続けるとバッテリが膨張するというトラブルの原因にもなる。ドングルタイプのPIX-MT100は、機器のUSB端子に接続して給電するのでバッテリがなく、こういったトラブルを回避できる。
LTE対応USBドングル「PIX-MT100」
またサポートするOSの多さも強みだ。発売当初からWindows、macOS、Linuxに対応したほか、この春のアップデートでChrome OSにも対応。デジタルサイネージに使用されるセットトップボックス(STB)や開発キットとして使われるRaspberry Piでも動作する。さらに教育の現場で使われることが多いChromebookにも対応し、教育現場でのインターネット構築にも役立つ。
現場でのネット構築が簡単に幅広い用途提案が可能
岡本恭孝
営業本部第二営業部
部長
「業務用なので、コストを抑えるため、安いSIMを使いたい企業が多い。また、通信量の小さいデータを送信するケースも多く、LTEでは過剰スペックも見受けられる。運用コストを抑えたい要望は強く、今後Category 1やNB-IoTの新しい通信規格に対応した製品も展開していきたい」と岡本恭孝・営業本部第二営業部部長は説明する。SIMフリーのPIX-MT100は顧客のニーズに合致するというわけだ。また、PIX-MT100とSIMカードとのセット販売を求める顧客も多く、3月22日にMVNOサービス「ピクセラモバイル」の提供を開始した。月額1980円でデータ通信が使い放題となるほか、PIX-MT100とセットで購入すると月額料金が1480円になるプランも用意している。顧客の反応は上々で、「想定の10倍」(岡本部長)の予約があったという。
格安SIMを挿すことができる
2020年の東京五輪に向けてデジタルサイネージ提案を強化
多言語対応が比較的容易なデジタルサイネージは、「2020年に向けて市場が拡大する」(成田係長)と捉え、ピクセラではデジタルサイネージのデータ受信用途での提案を強化していく。LinuxベースのSTBが多いほか、後からドライバを追加できないChromeベースのSTBも増えている。「LinuxとChromeの両方に対応しているのは現時点ではPIX-MT100だけ」(成田係長)という強みを前面に押し出している。また、今春のアップデートで追加したポートフォワーディング機能も新規提案の強み。固定IPを振ることができるSIMカードを挿せば、セキュリティを保ちながら外部のネットワークを介してネットワークカメラの映像を離れた場所から視聴できる。20年の東京五輪に向けて需要が高まるセキュリティ会社向けに提案していく。
- 1