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<シスコシステムズ 導入事例>「Cisco Spark」で現場の職員でも手軽にビデオ会議が利用可能に遠隔地の顧客とのプロジェクトで出張費削減にも効果
2017/03/16 09:00
週刊BCN 2017年03月13日vol.1669掲載
遠隔会議システムの必要性 現場と本部をつなぐ
長友信裕
アボック
代表取締役会長
ビデオ会議システムでは、主に国内メーカーのソリューションを取り扱い、販売・構築に加えて中継を管理するMCU(多地点接続装置)の時間貸しや、会議の円滑な実施をサポートするためのエンジニア派遣などのサービスも手がけている。長友会長は、「ビジネスを続けていくなかで、モバイルで現場と本部を手軽に接続できるシステムが必要だと考えるようになってきた。これまで扱ってきた製品は拠点間を結ぶのが基本で、モバイルといっても専用の中継器しかない。そこで、目的に合う新たなソリューションを模索していた」と語る。
全国有数の畜産県で、鳥インフルエンザや口蹄疫といった家畜の伝染病に見舞われた経験もある宮崎県。獣医などの専門家を集めた対策本部が迅速で的確な判断を下せるよう、現場に急行した職員がリアルタイムで中継する仕組みをイメージしたのだ。また同時にアボック自身でも、十数人のスタッフが各地の客先などを飛び回っているなかで、円滑なコミュニケーションを実現できるよう、ユーザー自身がセルフサービスでビデオ会議を開催できる仕組みを求めていたという。
長友会長が関わっている全国の医療機関を結んだ情報共有ネットワークの概要。
単に各医療機関を結ぶだけでなく、システムごとにバラバラの医療データを共有できるよ
う標準仕様の策定に取り組んでいる
クラウドベースのSparkを選定 全国にまたがるプロジェクト効果を発揮
そこで選ばれたのが、Cisco Sparkだ。クラウドベースのサービスで、メッセージングやビデオ通話・会議機能があり、「Cisco WebEX」や他社製ビデオ会議システムとも接続できる。「これまでシスコとは直接のつき合いはなかったが、当社と長いつき合いのあるプリンストンが新たにシスコとの協業を開始したことから紹介を受けた。Sparkは他と発想がまったく違って、スマートフォンアプリもあるため、現場の職員でも即座に利用でき、映像品質も十分な水準だ」と長友会長は話す。
16年12月に自社での採用を決定し、17年早々に利用を開始している。社内だけではなく、すでに一部ではユーザー向けの遠隔サポート業務にも利用し始めているという。長友会長自身も、医療機関を結ぶ全国規模の情報ネットワークのプロジェクトに関わっていることもあって、各地を忙しく飛び回る日々を過ごしており、Sparkによるビデオ会議を頻繁に活用している。
「会議の開催はURLを発行して送るだけと簡単で、さまざまな端末の間で資料を共有しつつ打ち合わせができる。多くの組織が参加するプロジェクトではプロ同士でも、お互いに異なった理解をしている部分があり、イメージを共有していくことが大切。東京をはじめとする各地の関係者との打ち合わせで出張費が高くついていたため、とても重宝している」と長友会長は評価している。
今後は、Sparkをはじめとするシスコのソリューションを、プリンストン経由で積極的に取り扱い、ユーザーに提案していく方針。将来的には、自社の独自技術を組み合わせていく考えもある。
「社名のアボックには、『Add Value On Communication(AVOC)』という意味もあり、付加価値のあるコミュニケーションを展開させていこうというのが、当社のスタンス。現在は、自然言語解析技術の応用に取り組んでおり、例えば医療機関で、医師が患者を遠隔で問診すると同時に、患者の受け答えを記録したり分析したりするといった活用を提案していきたいと考えている」と長友会長は今後の事業展開も見据えている。
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