Special Issue
ブラザー販売 業種を意識したプロモーションも強化 上位機種刷新でSMB市場に切り込む
2017/03/09 09:00
週刊BCN 2017年03月06日vol.1668掲載
SMB市場での拡販に向け高耐久性モデルの新機種投入
伊藤英雄
マーケティング推進部長
「これまで想定していた市場は、従業員10人以下の規模。それに対し、今回のハイエンドは50人以下のSMBを想定したモデルとなっている。販売チャネルも、従来のハイエンドではチャネルを絞り販売していたが、今回は全チャネルを通じて販売することで露出量を増やし、プロモーションも積極的に行うようにしている」と伊藤英雄・マーケティング推進部長は話す。さらに、「今年度はさまざまな新しい取り組みを実施し、われわれにとって大きな一歩を踏み出した。今のところ、当初の期待値に近いところまで達成できていると感じる。SMB市場へ挑戦していくうえで、いいスタートになった」と、16年を振り返る。
A4レーザープリンタ・高耐久モデル「JUSTIO HL-L6400DW」(左)と
A3ビジネスインクジェット複合機「PRIVIO MFC-J6995CDW」(右)
充実した機能性はSOHOモデルも共通 強みを生かして売り込んでいく
ブラザー販売が注力している業種の一つが医療系だ。16年5月のJUSTIOの新製品投入に合わせ、B2B事業を担当する部隊のなかにプレセールス・医療グループを立ち上げた。主に個人病院やクリニックなど、比較的小さめの医療機関を対象としているという。「医療系は患者に渡す明細などでプリントボリュームが多いうえに、コスト意識も高い。この市場に省スペース・高耐久・低ランニングコストで食い込んでいく。ブラザーのプリンタは以前からユーザーが自ら検討して導入していただいていたが、今年からブラザーが医療システムベンダーに推奨プリンタとして採用されるための活動を強化したこともあり、導入台数が順調に広がっている」と伊藤部長は状況を説明する。
ブラザー販売が注力するもう一つの業種が店舗だ。「店舗のカウンターまわりは、以前からファクス、子機付、コンパクト性など最も得意としている市場。現在は、A3インクジェット複合機の導入も増えてきている。最近では、受信ファクス/スキャンデータをクラウドサービスへ転送管理したり、本部から店舗複合機の状態をリモート管理したいといったチェーン店に一括採用されるケースも出ている。また建築や不動産といった業種でも一定の支持を得ており、さらなる浸透を図っていく。新製品の進化ポイントを生かし、より具体的な利用イメージを打ち出すなどして、ブラザーならではの『できること』を伝えていきたい」と伊藤部長は話す。
市場全体の動向もブラザーにとっては追い風だ。事務作業におけるペーパーレス化が進んで以前のように大きな複合機が必要となる場面が減り、スペースや価格面が重視されるようになってきた。そのなかで、インクジェット、レーザーともにコンパクト・低価格ながらタブレット端末やクラウドとの連携、豊富な機能をもつ点がビジネスユーザーに評価されてきているのだ。
伊藤部長は、「業種を意識したプロモーションは、今後さらに展開していく方針だ。もちろんB2C市場でのポジションも維持しつつ、B2Bに注力する姿勢をより鮮明にしていきたい。B2Bでは横展開がわれわれの課題。パートナーあってこそのブラザーだと考えているので、ぜひ今後ともご支援をお願いしたい」との考えを示している。
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