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<畔上編集長が今、いちばん気になるストレージ>連載 第6回 徹底分析 ネットワールドは開拓者だ! 能動的なサポートが好評価 Nimble Storage
2017/03/02 09:00
週刊BCN 2017年02月27日vol.1667掲載
NimbleはCPUドリブン
宮本隆史
ストラテジック
プロダクツ営業部
SP2課課長
また、CPUを利用して書き込みを高速化しているため、IOPSはCPU性能に依存する。つまり、コントローラごとにIOPS値が決まっていることから、どのモデルを選択するべきかが判断しやすい。
Nimbleでは、SSDとHDDのハイブリッド製品が人気となっている。ハイブリッドでもCASLにより、処理スピードが速く、コストパフォーマンスにすぐれているからだ。とはいえ、オールフラッシュのモデルも用意しており、ニーズに応じて機種を選択できるようになっている。
「Nimbleは、ハイブリッドとオールフラッシュの製品をラインアップしているが、10種類のみ。わかりやすいラインアップのため、ストレージにあまり詳しくないSIerでも選択しやすい。実際、スピード感をもった製品選択ができると、SIerの評価が高い」と、ネットワールドの宮本隆史・ストラテジックプロダクツ営業部SP2課課長はSIerにうけている理由を語る。例えば、「3万IOPSの製品が必要となれば、CS1000」というように、対応するモデルがIOPSで決まるため、製品選択に迷うことはない。
ネットワールドでは検証施設「プリインテグレーションセンター(PIC)」でNimbleのハイブリッド製品を中心に検証を行った。「製品カタログにあるIOPSは、PICでの実検証でも確認できた。VDI環境でも、1000ユーザーならこの製品、というように、Nimbleのストレージは選びやすい」と、宮本課長はVDI環境の製品選択における優位性を説明する。
管理ツール「InfoSight」
「Nimbleのストレージは内部のセンサから1秒単位の稼働データを取得し、5分おきにクラウドへアップする。得た情報から、Nimbleが健全性をチェックし、需要予測などをユーザー企業へ報告する。障害検知も早く、ユーザー企業が気づいていない段階で報告してくれる」と、宮本課長。実は、InfoSightがユーザー企業に最もうけているという。
同様のオンラインサービスは他のストレージメーカーも提供しているが、Nimbleの強みは初号機からのすべてのセンサデータを保有しているところにある。宮本課長は、「最初から、ログを収集し、保守サービスに活用することを念頭に設計されている。ログの粒度も高く、初号機から集めたログデータは圧倒的で、他社の追随を許さない」と評価している。ユーザー企業には、InfoSight起点でNimbleのストレージを選択するケースもあるという。InfoSightは常に機能強化しているところも魅力で、2015年にはVMware環境を可視化する「VMvision」を追加した。こうした取り組みも、運用管理を重視するユーザー企業の支持を集める要因となっている。
編集長の眼 AI時代のストレージとしても期待
IoTデバイスとしてのストレージ。Nimbleのストレージには、そのようなイメージを抱いた。データを格納する役割のストレージが、自らデータをつくってInfoSightに送信する。蓄積したデータは、サポートサービスに活用される。Nimbleは、このサイクルを最初の製品から設計に盛り込んでいたというから驚きだ。ITの分野で注目を集め続けているAI(人工知能)は、活用にあたって大量のデータが必要になる。これをユーザーに求めるのは、難しい。得られるデータが限られるからだ。ストレージも同じ。ログデータをAIで解析するには、データが多いほうがいい。大量のログデータを保有するInfoSightは、その点でも要注目である。
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