ストレージ市場は常に熱い。主要ベンダーが確固たる地位を築いたはずが、新しい技術トレンドに対応した新興ストレージベンダーが台頭してくる。主要ベンダーも、新コンセプトの製品で新たな市場を切り拓く。進化を続けるストレージ市場を最も的確に把握しているのが、ネットワールドだ。6社のストレージ製品を一次店として取り扱い、市場を開拓してきた“国内唯一”のマルチベンダーディストリビュータである。

ストレージのネットワールド

　ネットワールドは開拓者だ。どこよりも早く、新しい技術や製品に取り組んできている。同社が扱う製品をみると、すべて一次店というだけでなく、国内初、アジア初、世界初が並ぶ。

　例えば、ストレージ。ネットワールドは6社のストレージ製品を一次店として取り扱っている。6社、それも一次代理店というのは国内唯一だ。各社の製品は、重複する分野のラインアップもあるため、1社のディストリビュータが複数社のストレージ製品を取り扱うのは難しい。

　「市場ニーズに合わせて、取り扱う製品を増やしてきた。重要なのは、単に取り扱っているというだけでなく、検証機を保有していて、社内のエンジニアが運用環境を構築することもできる」と、黒川拓生・マーケティング本部本部長は語る。しっかりと社内で検証することで、各ストレージ製品の特徴を把握し、利用環境にベストなものを提案するというわけだ。

　ネットワールドが最初に扱ったのは、EMCのストレージ製品。次に、NAS（ネットワーク接続型ストレージ）へのニーズから、ネットアップ製品の取り扱いを始める。その後、仮想化環境向けストレージのティントリ製品、以降はニンブルストレージ、IBM、ピュアストレージと広げてきた。
　「EMCやネットアップのストレージ製品で実績を築いたことにより、“ストレージといえばネットワールド”というイメージが定着した。それによって取り扱う製品が増え、ユーザーニーズに合わせて最適な製品を提供できるようになっている」と、佐々木久泰・マーケティング本部インフラマーケティング部部長は実感している。ポイントは、6社の製品を扱うようになってからも、ネットワールドではEMC製品やネットアップ製品の売り上げが伸びているということ。ネットワールドに対するストレージのイメージから、取り扱う製品が増え、さらにストレージのイメージが強くなるという好循環になっているのである。

HCIも“唯一”のバリューアディッドディストリビュータ

　“本当の一次店”にこだわるネットワールドの姿勢は、ストレージに限ったものではない。最近注目のコンバージドインフラとハイパーコンバージドインフラ（HCI）においても、関連技術を身につけ、製品を検証することで、複数メーカーの製品を取り扱う“唯一”のバリューアディッドディストリビュータである。

　「どの製品も必ず社内で検証しているので、メーカーの信頼が厚い。EMCのHCI製品は、どこよりも早く一次店として取り扱いを始めることができた」と黒川本部長。しっかりした検証をベースに最適な製品を提案するため、リセラーの信頼も厚い。「多くのメーカーの製品を取り扱うことの相乗効果も大きい」（佐々木部長）という。

　同じ分野で複数メーカーの製品を扱うという、無謀とも思える取り組みが、ネットワールドの強みとなっている。ディストリビュータのあるべき姿なのかもしれない。まさに、ネットワールドはディストリビュータの開拓者だ。