Special Issue
サイボウズ、プライベートイベント「Cybozu Days 2016」を開催、「共に生きる」がテーマ
2016/12/16 19:54
同社は、プライベートイベントを2012年から「cybozu.com カンファレンス」の名称で実施し、クラウド環境への移行を訴求してきた。今年は、クラウド版を契約する企業が1万5000社を超えたため名称を変更。開催期間も二日間とし、「滞在型」で参加できるようにした。青野社長は両日の基調講演で、働き方やチームのあり方を伝えたほか、各製品の来年以降のアップデートを説明した。二日目の展示では、30を超えるITベンダーが「kintone」に関連したソリューションを示していた。
kintoneは、システムを簡単に作成できるクラウドサービスだ。業務アプリを直感的に作成でき、チーム内で共有して使うことができる。さらに、他システムとのデータ連携や画面カスタマイズを実装するための豊富なAPIを備えているため、開発力を生かせると柔軟な機能拡張が可能。このような特徴から、多くのITベンダーが自社の製品・サービスとの連携などでソリューション化しているというわけだ。
「BCN 勝手にkintone大賞」を実施
今回、BCNでは、このkintone関連の展示をしていた全ITベンダーを取材し、編集部の編集長、副編集長、編集委員の3人で10社を厳選して紹介する。このなかから読者投票でベストソリューションとなる「BCN 勝手にkintone大賞」を決める。『週刊BCN』編集長 畔上文昭の推薦
アイティーフィット
基幹系システムをkintoneアプリで実現。販売管理や生産管理、予算管理、総勘定元帳などの機能を装備し、業務に合わせてカスタマイズ提供。ワークフローに活用されることが多いkintoneだが、基幹系システムの実現によって新たな可能性を見出した。kintoneでの扱いが難しい処理は、JavaScriptを活用。JavaScriptのプログラムはウェブブラウザ上で実行するため、クライアント側にアプリを置く必要がなく、クラウドのメリットを生かした構成になっている。大塚商会
複合機のタッチパネルの操作だけで、スキャンしたデータをkintoneに保存できる「QuickスキャンV4」。ワークフロー業務に強く、カスタマイズが容易なkintoneを活用することで、紙文書の共有や外出先での利用といったビジネスニーズに応える。また、「e-文書対応オプション」はタイムスタンプの付与など、スキャナ保存の要件に則ったかたちで、領収書・請求書の電子データをkintone上で保存することができる。タクトシステムズ
企業内に点在する顧客データ。そこには、「全角と半角」、「1丁目1番地」と「1-1」、「斎藤」と「齋藤」など情報の揺らぎから同一人物の特定が困難である。そのためダイレクトメールの複数送付や、顧客満足度低下のリスクがありマーケティングには顧客データの整備が欠かせない。情報の揺らぎや入力ミスの補正を考慮のうえ、同一顧客の特定を行うのが「TAKT名寄せサービス」である。またkintoneと接続可能な唯一の名寄せサービスとなっている。日本オプロ
ネットがつながらない環境でもkintoneへのデータ入力を可能にする、iOS/Android用モバイル入力画面生成アプリ「AppsME」。モバイル側で指定した項目への入力画面を自動的に生成することで、オンラインでないと利用できないクラウドの弱点をカバーする。電波の状態を気にすることなく、データの入力ができる。病院など、電波を利用しにくい現場での利用も期待できる。オフライン時に入力したデータは、オンラインになったときにkintone上のデータと同期する。『週刊BCN』副編集長 佐相彰彦の推薦
M-SOLUTIONS
「Pepper」の動作設定を簡単に行うことができる「Smart at robo for Pepper」を展示。会話や動作をkintoneから簡単に登録が可能でプログラミング力を必要としないうえ、顧客とPepperとのやり取りや来訪時間などを記録して、集客やマーケティングに応用できる。kintoneであれば開発しやすく、ユーザー企業にとっても使いやすい点で採用した。現在100社が導入済みで、来場者の多くがデモに興味を示していた。シャノン
2017年1月に提供予定のkintoneと連携できるマーケティングオートメーションを先行して展示。メール配信やマーケティングからの顧客情報をkintoneに格納して、案件管理との連携を実現。マーケティングとセールスの両部門のデータを相互に生かしたソリューションだ。シンプルで連携しやすく低コストで提供できるとの判断からkintoneを採用。自社製品「SHANON MARKETING PLATFORM」と組み合わせた。日立システムズ
ブースで目立っていたのは、kintoneとSAP製ERP「SAP Business One」の連携ソリューション。この連携は、国内初の取り組みだ。専用アプリケーションによって、生産管理や販売管理などSAP Business Oneの各機能をkintoneに対応させて、工数実績管理や予実管理、経費管理、取引先管理などを実現、社内で情報を共有できる。SAP Business Oneのユーザー企業から要望があって開発した。富士通エフサス
「場所を選ばない働き方を実現するコミュニケーション基盤」をテーマに、kintoneとシスコシステムズ製ユニファイドコミュニケーションツール「Cisco WebEX」を組み合わせたソリューションを展示。テレビ会議、チャットなどのコミュニケーションに加えて、スケジュール調整、タスク管理なども可能だ。「エフサス版ふるさとテレワーク」という名称で、岡山県瀬戸内市とともに在宅勤務の実証実験を進めている。『週刊BCN』編集委員 谷畑良胤の推薦
アールスリーインスティテュート
kintoneアプリ開発をサポートする月額課金制(月額1000円)のプラットフォームサービス「gusuku(グスク)」を提供。kintoneエヴァンジェリスト3人が在籍する唯一の会社が、kintoneを使ったシステム開発をしていくうえで、どうしても欲しくなる機能をツール化して公開。開発時に必要となるデプロイ・バージョン管理や実行環境の管理、バックアップなどを一元的に行える。Excel帳票出力機能もあり。システムズナカシマ
SFA・営業支援システム「NICE営業物語 on kintone」は、ユーザーが必要な機能だけを選択し運用することができる。費用を抑えてスモールスタートが可能だ。例えば、顧客管理、案件管理、営業レポートだけを利用する、といったことができる。また、Sansanの名刺情報とNICE営業物語 on kintoneの顧客情報をkintone上で連携するなど、他のkintoneアプリとのコラボができる。小規模の企業にも拡販が可能だ。- 1
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外部リンク
アイティーフィット=http://www.itfit.co.jp/
大塚商会=https://www.otsuka-shokai.co.jp/