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インターコム 「MaLion 5」が今期、新たにサイバー攻撃対策機能に対応 内部犯行からサイバー攻撃まで、総合的な情報漏えい対策ソリューションを実現
2016/10/20 19:54
週刊BCN 2016年10月17日vol.1649掲載
オンプレミス・クラウドの両形態で提供 Mac対応やLinux対応などが強み
インターコムのMaLionシリーズは2006年6月に最初のバージョンがリリースされ、ちょうど10周年を迎えた。有力な競合がひしめくIT資産管理ツール市場において、独自の差異化ポイントとしてMac対応を11年から推進してきたという。代表取締役社長
兼営業本部長
また、MaLionシリーズのクラウドへの対応も進んできている。インターコム自身がクラウドサービスとしてMaLionの管理サーバー機能を提供する「MaLion Cloud」の提供を12年に開始しているほか、16年3月にリリースされたパッケージ最新版の「MaLion 5」では管理サーバーの動作基盤としてLinux(CentOS)にも対応し、IaaS環境での利用も容易になった。
「管理サーバーの自社運用が負担となる中小規模の企業に適しているのがMaLion Cloud。逆に大規模ユーザーは管理サーバーを自社で運用したい傾向が強いが、そうした企業では近年、IaaSの利用が一般的になっている。ほとんどのIT資産管理ツールがWindowsサーバーのみに対応しているのに対し、IaaSやオンプレミスの仮想化基盤上ではLinux環境のほうが扱いやすいので、MaLion 5のLinux対応は先進的な環境のユーザーに評価されている」と長年にわたりMaLionシリーズの営業に携わってきた鴨田尚之係長は説明する。
「内部対策」によりサイバー攻撃を検知し情報漏えい被害を防止
IT資産管理ツールは内部犯行による情報漏えいに対し、端末の監視を通じて抑止したり、端末の機能を制御することで防止するといった効果があるが、一方で外からの攻撃に対するセキュリティとはこれまでほぼ無縁だった。しかし、最近では企業などに対するサイバー攻撃が巧妙化しており、標的型攻撃などにより情報漏えいが生じてしまうケースも少なくない。今回のセキュリティフライデーとの提携は、そうしたサイバー攻撃に備えるための取り組みとなる。「われわれは国産ソフトメーカーとして、製品、サポート、そしてプロモーションをまじめにやっていくことにこだわっている。今回の連携ソリューションでは、製品としてのよさを高める一環として、『内部犯行』に加えて新たに『外からの攻撃』への対応を図った」と松原社長は説明する。
標的型攻撃などでは、これまで多くの企業が施してきた入口対策を巧妙にくぐり抜け、内部に侵入してくるようになってきている。そこで重視されてきているのが、侵入後の「内部」での活動だ。端末に感染したマルウェアは、社内ネットワーク上のほかの端末に感染を拡大させたり、それらの情報をスキャンしたり、また外部と通信して攻撃者からの指令を受け取るなどしている。こうした内部での活動への対策は、やはり内部で行うことが妥当であるため、「内部」を得意とするIT資産管理ツールの存在が大きな意味をもつようになる。
今回の連携ソリューションでは、セキュリティフライデーのサイバー攻撃検知システムVISUACT-Xで検知した情報をMaLionに取り入れることで、そのログを含む内外の脅威情報をMaLionのコンソールで一元的に把握できるようにし、さらにはマルウェアに感染した端末を特定してネットワークから遮断するといった機能を開発していく計画だという。16年度中には連携機能の一部対応を実現させ、順次強化していく予定とのことだ。また今後、ネットワークインフラ系のメーカーも加えた3社協業も検討しているという。
「同じ国産ソフトメーカーであるセキュリティフライデーは、サイバー攻撃を検知する機能を独自に高めてきた。得意分野が異なる国産ソフトメーカー同士の連携で、日本らしいセキュリティの姿をつくり上げていきたい。われわれの製品を扱ってくれている流通や販社にとっても、この協業を新たな事業領域へ展開するきっかけになると期待している」と松原社長はアピールする。/* *//* */
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