Special Issue
システムの標準化・統合によるコスト削減や業務改革を実現 ITベンダーとの協業で提案力とサポート体制を強化
2016/09/23 19:55
週刊BCN 2016年09月19日vol.1645掲載
日本と同等のガバナンスレベル 日中連携によるサポートで課題を解決
MA事業本部
グローバルビジネス
推進室室長
(兼)中国担当
グループリーダー
「かつてはメーカーが中心だったが、2010年代以降は流通業などの進出が増えて、今や幅広い業種の企業が中国に進出している。多くの企業が安定期、さらに充実期を迎えようとしているなか、お客様のITへのニーズも変化してきている。従来のオフィスのインフラ関連といった拠点の整備から、拠点の最適化、さらにグローバルでの最適化も視野にITの整備を進めようとしている。お客様の変化に対応して、リコージャパンとリコーチャイナが連携して業務改善につながるソリューションを提案している」と加藤泰彦・MA事業本部グローバルビジネス推進室室長(兼)中国担当グループリーダーはニーズの変化とミッションを語る。
現在の日系企業の代表的なITニーズはセキュリティやガバナンスの強化だ。日本本社にとって海外子会社は、統制しなければならない重要な対象であるため、厳格なセキュリティポリシーや業務ルールを適用するケースが増えている。ところが、日本と比べて現地従業員のセキュリティ意識はまだまだ低い。しかも、多くの日系企業はIT専任担当者を抱えるほどのリソースがなく、現地だけで適切に対応することが難しい状況だ。セキュリティへの懸念から、ITガバナンスに対するニーズが高まっているのだ。
リコージャパンとリコーチャイナでは、こうした悩みを抱える日系企業に対して情報セキュリティ統合管理システム「IP-guard」を提供している。IP-guardは、データの持ち出しを防止するメール/印刷/デバイス管理やログ取得機能を備え、ウェブ閲覧管理によってマルウェア感染リスクを防止する。リコーチャイナでは、ログ解析のコンサルティングやトレーニングを通じてユーザー企業の自社運用をサポートしている。
また、セキュリティ対策以外にも日系企業からは、中国国内にある複数拠点の全体最適化を通じてコストダウンをしたいという相談が多く寄せられている。例えば、PCの集中購買のように統括会社による中国全体最適を指向したコストダウンや現地法人のコーポレート・ガバナンスを強化したいというニーズ、他にも本社へ接続するPCなどのライフサイクルマネジメントを標準化したいという要望、さらにグローバルでのグループウェア統合を検討するユーザー企業も出てきている。
計画比130%を達成 パートナーシップでさらに拡大へ
こうした多様化するユーザー企業の要望に応えるには、中国拠点だけではなく日本本社を含めた双方への対応が不可欠だ。「だからこそ、日本本社と中国現地でお客様とコミュニケーションを図ることができる、われわれのような存在が強く求められている。リコージャパンとリコーチャイナの緊密な連携によって、サービスデスクも含め現地の実情に即したワンストップソリューションが提供できる」と加藤室長はアピールする。実際、中国担当グループを設置したことで、昨年は計画比130%を達成するなど、ビジネスも順調に拡大しているという。
リコーチャイナでは、日系企業を専任でサポートする営業担当を配置しているが、より広範なニーズに対応するためにパートナーシップも強化する。現在、リコーチャイナが拠点を構えるのは北京、天津、上海、蘇州、広州、深センで、それ以外のエリアについてはITベンダーと協業することで日系企業をサポートしていく。例えば、自動車産業の集積地として注目される武漢など、リコーチャイナが十分カバーできていない地域にも多くの日系企業が進出している。
加藤室長は、「われわれが得意とするドキュメント関連以外の、日系企業が直面する中国での全体最適によるコストダウンやガバナンスの課題を解決するため、ITベンダーと組んで幅広いソリューションを提供していく。基幹系システムや生産管理システムなどに精通しているベンダーの方々と、ぜひ協業したい」との考えを示している。
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