Special Issue
ビッグデータ分析特化型のDCが誕生
2016/08/16 19:55
週刊BCN 2016年08月22日vol.1641掲載
SIerとマーケティングコンサルの協業点とは?
DCの建設場所は新潟県の長岡市で、外気と雪冷熱のハイブリッド冷房によって空調コストを抑える。東京から2時間圏内というアクセスのよさも売りだ。スペック面では、1ラックあたり最大30kVAの電力を供給する。基本契約が6kVAで、3kVA単位で無停止での追加が可能となっている。さらに、データドック特別仕様のラックを準備し、4分の1ラックからフルラックへ、同一ラック内での拡張が可能だ。宇佐美浩一社長兼CEOは、「自社で建設して保有するDCなので、こうした柔軟なメニュー構成を採用できる」と、クラウド時代のDCに求められるユーザー本位のサービス企画・開発に強い意欲を示す。
床耐荷重は1㎡あたり3トンで、集積度の高いIT機器を設置できるように考慮している。加えて、大手町(東京都千代田区)と新潟・長岡DCを結ぶバックボーンの帯域として100Gbpsを確保した。
データドックのサービスの強みは、ハウジングに代表されるデータの生成、蓄積、保護、再活用などを行うインフラ領域のサービスに加え、データの分析・活用を行うアナリティクス領域のサービスが存在する点だ。データを守るインフラサービスと、データで攻めるアナリティクスサービスの双方をラインアップすることで、ユーザー企業の事業部門とIT部門の連携を強力にサポートしている。
SIerは、自社のサービスにデータドックのサービスを取り入れてソリューションとして提案することで、ITによる顧客の業務効率化・最適化ニーズを満たしながら、データの利活用による売り上げの向上に貢献することが可能となる。
メディックスがデータドックを設立し、高規格DCをつくろうと判断したのは、デジタルマーケティング事業の拡大が目的。ユーザー企業に最適なサービスを提供するためには、コンピュータの演算能力を駆使した「アドテクノロジー(広告配信技術)」の活用が欠かせず、IoT/ビッグデータ分析が必須となる。今後、AIの活用なども考えると、マシンパワーへの需要はますます拡大すると、強く感じ取っていたことが背景にあげられる。
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