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スプライン・ネットワーク 情報漏えい最大要因“印刷文書”への対策を強化 印刷イメージログ監視システム「PrintInsight」

2016/07/28 19:55

週刊BCN 2016年07月25日vol.1638掲載

 外部へ情報漏えいすることで、大きな損害になる顧客情報や機密情報をたくさん所有する金融機関や製造業界などが、最近になって揃って導入を始めた印刷セキュリティツールがある。スプライン・ネットワークの「PrintInsight (プリントインサイト)」だ。印刷された中身をそのままPDFで保存し、それをもとにユーザーの印刷行動を把握・監視することで、印刷文書からの情報漏えいを効果的に抑止できるソリューションとして注目されている。

情報漏えい最大の要因は「紙」従来対策では不十分

 情報漏えいインシデントの経路として紙媒体(印刷物)は、全体の67.7%と、2位のインターネット(9.1%)と比較して圧倒的に高い割合を占めている(日本ネットワークセキュリティ協会の調査報告書)。実際、この春にはある信用金庫で、行員による印刷された顧客情報の持ち出し事件が起きており、非常に大きな問題となっている。紙は業種を問わずに多用される使用頻度の高い媒体にもかかわらず、多くの企業で特別な対策が取られておらず、内容の把握に至っては、ほぼできていないのが現状だ。

 それでも、印刷ログを取得したり、認証印刷システムを導入したりと、何かしら対策を施す企業もあるようだが、印刷ログはファイル名で機密情報であるかどうかを判断しなければならず、またファイル名を書き換えて出力すれば偽装も可能という抜け道がある。さらに、認証印刷システムは、印刷する本人に悪意があれば情報の持ち出しを防止できないという盲点がある。こうした従来対策の課題をカバーし、ユーザーの印刷行動を把握・監視することで、印刷文書からの情報漏えいを効果的に抑止できるソリューションとして注目されるのが、スプライン・ネットワークの印刷イメージログ監視システム、PrintInsightである。

監視の目。目のイメージが印象的な製品カタログ

印刷情報の“中身まで”取得 アラート機能でしっかり監視

 PrintInsightは、専用のソフトをインストールしたPCから出力された印刷情報のすべて、つまり「印刷ログ」「印刷文書内テキスト情報」「印刷イメージ(PDF/XPS)」を取得(※)。印刷したドキュメントについての情報を文字やレイアウトも含めてそのまま再現性の高いPDF/XPS形式でイメージ保存することで、ファイル名だけでは判断できない、印刷文書の機密性を中身を見て判断することが可能になる。しかも、イメージ取得の際に、印刷文書内のテキスト情報もすべて取得するため、そのテキスト情報を活用して専用画面から「テキスト全文検索」を行うことができる。「急に休日出勤が増えた社員の印刷状況のみ確認する」「情報漏えいが起きてしまったので、その印刷文書は誰が印刷したかを確認する」など、特定のユーザーや印刷文書に絞って状況を把握したい場合などに役立つ。


 さらに、PrintInsightには「アラートメール機能」を備えている。これは、あらかじめ条件設定をしておくことで、その条件に該当した印刷がされると、指定アドレスにアラートメールを送信するもので、怪しい動きをリアルタイムに把握することができる。

 ほかにもPrintInsightは、外出先での印刷にも対応し、サーバーとの接続が回復すると、クライアントPC内に一時保存した印刷イメージログを順次サーバーへ送信する。このように、PrintInsightは、社内外のすべての印刷情報を漏らさず取得し、その情報をしっかり把握できる機能を兼ね備えているのである。

IT資産管理との併用も可能 総合的なセキュリティ管理を実現

 PrintInsightが多くの企業に受け入れられている理由はほかにもある。それは数多くあるセキュリティ製品とは機能がバッティングしないよう“印刷セキュリティ”という、単機能に絞られているため、IT資産管理ソフトなど他のセキュリティツールと併用して使えるという点だ。例えば、「SKYSEA ClientView」とは製品連携をして「PrintInsight for SKYSEA Client View」という製品で提供を開始している。「LanScope Cat」や「System Support Best1(SS1)」とは製品連携を視野に、まずは配布連携を始めている。セキュリティに関心の高い企業ほど、IT資産管理ソフトなどを導入しているところも多く、IT資産管理ソフトが収集するクライアントPCの操作ログと、同じ管理画面上で印刷情報を管理できることは、情報セキュリティ管理の範囲が拡大され魅力的のようだ。

 また、PrintInsightの導入はソフトの配信だけで済むため、新しいシステムを採用する際に発生しがちな、面倒なシステム変更もなく、安価かつ容易に既存環境に導入することができる。

 このように、これまでは防止しづらかった印刷セキュリティ領域を、過去の投資を無駄にせず、安く簡単に取り入れられることは、導入企業にとっても、提案企業にとっても待ち望んでいたことであろう。情報漏えい対策で最大の懸念を解消するためにも、PrintInsightの導入を検討してはいかがだろうか。
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外部リンク

スプライン・ネットワーク=http://www.spline-network.co.jp/