Special Issue
VAIO 高品質と高信頼で好調なVAIO 「快」がビジネスの生産性を高める
2016/07/28 19:55
週刊BCN 2016年07月25日vol.1638掲載
法人需要を取り込んだモバイルモデル
執行役員
設立当初は、販売の多くをコンシューマ向けPCが占めていたが、現在では全台数の3分の1以上を法人向け製品が占めるまでになっており、業績回復の原動力となっている。早くも2016年5月期は黒字転換を果たしている。
販売施策として強化しているのが、販売パートナーとの関係強化だ。当初は、ソニーマーケティングに販売を全面的に依存していたが、現在は技術営業組織の新設によって、製品開発を担当した技術者が販売パートナーに同行してユーザー企業に製品の特徴を説明するなど、販売パートナーとともにユーザー企業を直接支援する体制を整えたことが奏功している。
「ビジネス関連の展示会にも積極的に参加して、法人のお客様の要望や市場ニーズをしっかりくみ取っていくことに注力している。小回りのきく国内メーカーという強みを生かして、いち早く製品開発やカスタマイズの要望に反映させている」と花里執行役員は強調する。
VAIOの法人需要を牽引するのが、薄型軽量で高性能というVAIOの優位性が際立つモバイルモデルだ。法人ユーザーはコストでVAIOを選択するわけではなく、むしろ、国内メーカーとしての安心感を高く評価してくれるという。
また、「Windows 10」も好影響を及ぼしている。インターフェースを含めて、よりモバイル利用を強く意識したWindows 10への関心の高まりが、モバイルモデルの販売にも追い風となっている。
先進性を手軽にビジネスに快適さを提供
VAIOでは、フラッグシップ「VAIO Z」とメインストリームライン「S Line」をラインアップしている。VAIO Zは、TDP(熱設計電力)28Wという通常ではノートPCが採用しない高性能のCPUと13.3型ワイド高精細ディスプレイを搭載。タブレット端末にもなるフリップモデルとスタンダードなクラムシェルモデルを用意する。そのパフォーマンスを求めて、コンテンツ制作やデザイン関係などのパワーユーザーが指名買いするケースも少なくないという。
VAIOのPC(写真は「VAIO Z」)
一方、販売の中心となるS Lineは、モバイルモデルに13.3型ワイドの「S13」と11.6型ワイドの「S11」を揃えている。さらに、15.5型でディスクドライブ搭載の「S15」も用意。なかでも、S11のLTEモデルは、スマートフォン/タブレット端末とPCの2~3台のクライアントをもち歩くユーザーに対して、1台で完結できるという利便性が見事にマッチして「販売開始から爆発的な売れ行きで、生産がまったく間に合わず、当初はお客様にご迷惑をお掛けした」(花里執行役員)ほどだ。
VAIOのモバイルモデルが高い支持を集める理由は、以前から定評のあるハイスペックでスタイリッシュなデザインといった先進性に加え、徹底してビジネスモバイルの「快適さ」を追求し、仕事の生産性を高めることに貢献している点だ。塗装を含めた外装の堅牢性、静寂なキーボード、滑らかな操作のタッチパッド、プレゼン用の豊富な端子など、細部に至るまで徹底したつくり込みを行っている。
「ビジネスの生産性を下げるストレス要因を徹底して排除し、先進機能をすべてのモバイルユーザーに手軽に使ってもらえることにこだわった」と花里執行役員は説明する。
品質面では、「安曇野FINISH」をうたい、海外生産のS Lineについても、安曇野本社ですべて梱包を開けて、OSなどのインストールと業界初となるペンはさみ試験などの厳しい品質試験を実施して出荷している。この設計製造の現場と直結した安曇野FINISHは、高品質で迅速かつフレキシブルなキッティングにも生かされており、ユーザーのさまざまなカスタマイズの要望をワンストップで実現できることが大きな強みになっている。
「正直にいえば、ソニー時代は品質面でご指摘を受けたことも少なくない。国内全数検査を実施する体制に移行してから、初期不良が圧倒的に減少した。お客様サイドでの保守に関わる作業を大幅に軽減でき高い信頼も獲得できた」と花里執行役員はかみ締める。
今後は、パートナーとの関係をより密にしていくことで、ビジネス向け販売のさらなる拡大を目指す。また、「設立2周年に絡めたさまざまなキャンペーンを実施するので、ぜひ期待してほしい」と花里執行役員は訴える。
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