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クアンマックスジャパン、エーティーワークスとの協業強化で製品を拡販、IoT市場の拡大を見据えて10年間で10億円規模に
2016/06/08 19:55
IoTやM2M用途など過酷な使用環境での信頼と豊富な実績
台湾に本社を置くクアンマックスは、ボックスPCやパネルPC、モニタなどのエンベデッドシステムやIoT製品の製造・販売を手がけている。日本法人のクアンマックスジャパンは、エーティーワークスと2011年6月に業務資本提携。今では、クアンマックスジャパンはエーティーワークスの東京オフィス内に移転し、両社は一体となってビジネスに取り組む体制が整っている。エーティーワークスとの強固な関係をさらに築いたことによって、このほどクアンマックスジャパンのトップに就任した高瀬代表取締役は、こう力を込める。「最近のIoTをはじめとする新たな市場ニーズの高まりも相まって、工場など産業用途に強い当社の製品を訴求できるチャンスと考えている。これからは、エーティーワークスの販売ルートやパートナーシップをフル活用して拡販していく」。
IoTやM2Mなどに使用されるサーバーやゲートウェイ製品は、空調などを完備したデータセンター内に設置した製品に比べると、スペースや温度、埃、ノイズなど圧倒的に過酷な環境に設置される。もともとクアンマックス製品は、デジタルサイネージや組み込み用途に特化した設計がなされており、耐環境性能は非常に高い。
「例えば、一般的なサーバーの動作保証環境が0~40℃の温度範囲なのに対し、当社の小型ボックスPCやIoTゲートウェイ製品には、-20~70℃まで対応できるワイドテンプのモデルも用意している。もちろんファンレスをはじめとするゼロスピンドル構造の採用で可動部分がないため、故障する要素は可能な限り排除されている。新規参入するメーカーなどと違い海外を中心に豊富な導入実績もあって、信頼性は折り紙つきだ。まさに、連続した安定稼働を求められるIoTやM2M用途に最適な製品」と、高瀬代表取締役はメリットをアピールする。
パートナーと組んで特定市場向けのアプライアンスを展開
潜在市場として大きな可能性をもつIoT市場をターゲットにしたサーバーやアプライアンス、ゲートウェイ製品の競争は過熱している。それだけに、ハードウェアの優位性を打ち出すだけでは差異化が難しくなっている。そこで、クアンマックスジャパンではIoTに欠かせないリモート管理など独自のソフトウェアをもつベンダーや、特定業界に強い販社などと組んで、拡販を進める方針。販売チャネルは、サーバーを販売する、エーティーワークスのパートナーを経由して、主に中堅・中小企業を対象に拡販していくが、要望があればOEMも積極的に進める考えだ。また、ゲートウェイ製品と統合脅威管理(UTM)機能を組み合わせ、エンドポイントに向けたアプライアンスの展開も検討している。
「エーティーワークスの販売ルートをフルに活用することはもちろんだが、新しいパートナーの開拓も積極的に進めたい。特定用途に向けたアプライアンスを開発するためにも、われわれがまだ十分に開拓できていない分野や、電波法など国内の通信技術に明るいSIerの方々に声をかけていく」と高瀬代表取締役。
エーティーワークスとのパートナーシップでは、検査体制や故障対応などで高品質のサポート強化にも取り組んでいく。外資系メーカーが見落としがちなローカル言語(日本語)でのサポート提供をはじめ、パートナーのソフトウェアなどの動作検証でもバックアップしていくことで、できるだけ手のかからない販売ができる環境を整えていく。
「まだビジネスは立ち上がったばかりだが、可能性は大きい。目標は、10年間で10億のビジネスに育てていくことだ」と、高瀬代表取締役は力強く展望を語る。
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