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<クラウド特集>日立システムズ 新サービス「クラウド基盤運用自動化サービス」を投入 VMwareとAWSに特化で手軽に運用自動化を実現
2016/05/12 19:55
週刊BCN 2016年05月09日vol.1627掲載
運用の工数削減とミス防止に役立つ
クラウド基盤ソリューション部 第1グループ技師、
紺谷 勉 IT基盤サービス事業部 プラットフォームソリューション本部
クラウド基盤ソリューション部 第3グループ技師、
桑原真一 IT基盤サービス事業部 プラットフォームソリューション本部
クラウド基盤ソリューション部 第1グループ技師
クラウド基盤運用自動化サービスは、ユーザー数の多いVMware vSphereとAWSに特化しており、前者は主にプライベートクラウド環境で、後者はクラウドサービスでの利用を想定している。いずれも、日立システムズが手がけた個別のSI案件で培ったノウハウをもとに、今年4月にサービス化したものだ。
日立グループの運用自動化といえば、統合システム運用管理の「JP1」が有名だが、日立システムズでは「特定のクラウド基盤に特化することで、手軽に早く運用を自動化できる」(五十嵐眞之・IT基盤サービス事業部プラットフォームソリューション本部クラウド基盤ソリューション部)ようにした。
VMware対応版「運用自動化システム for VMware vSphere」を使ったプライベートクラウドの運用自動化では、仮想サーバーの作成からプロビジョニング(ITリソースの割り当て)、OS・ミドルウェアの設定、動作確認、そして仮想サーバーの電源操作、スナップショット操作までを「自動化サーバー」が一元的に行う(図1参照)。VMwareをそのまま使うと、運用担当者がこれらの作業を手動で行わなければならず、「作業に多くの工数を取られ、またミスを誘発する原因」(紺谷勉・IT基盤サービス事業部プラットフォームソリューション本部クラウド基盤ソリューション部)にもなっていたが、自動化によって工数削減やミスを防止できると話す。
AWSでは従量課金に着目して“節約運用”
一方、AWS対応版「運用自動化システム for AWS」では、従量課金制サービスの特性を踏まえて、サーバーの起動と停止を自動化する点に焦点をあてている。AWSはCPUやネットワークの使用量に応じて課金されるが、停止してしまえば利用料金を節約することができる。この点に着目して、「必要なときにサーバーを起動させ、使い終わったら停止させる」(桑原真一・IT基盤サービス事業部プラットフォームソリューション本部クラウド基盤ソリューション部)ことで、停止し忘れて無用な課金をされてしまったり、起動すべき時間に起動し忘れてシステムが利用できなくなるといったミスをなくす。AWS版をある教育・研修サービス会社に先行的に納入したところ、AWSの課金費用を含めたトータルの運用費を半減させることに成功している。この教育・研修サービス会社では、IT技能研修の際に受講者用の仮想サーバーをAWSで運用していた。講習が終わると仮想サーバーを停止して、翌日、講習が始まるときに起動させる。この手順を自動化するとともに、万が一の停止し忘れによる無用な課金を防止。講習の時間割に合わせて運用スケジュールを組むとともに、AWSで稼働しているシステムの構成情報を読み取ってきて、表計算ソフトのExcel形式でダウンロードすることも可能だ。構成情報を収集し、構成図として可視化する機能は、日立システムズによって特許出願中の技術である。
VMwareの構成情報を収集し信頼性を向上
VMware対応版は、仮想サーバーを提供する事業形態のPaaSベンダーに先行的に納入している。このPaaSベンダーでは運用の自由度が高いことからプライベートクラウド方式を採用したものの、運用の自由度の高さゆえに、運用に必要な人員や工数が膨れあがる課題を抱えていた。日立システムズでは、プライベートクラウドに対応した自動化サーバーを客先に設置して運用を自動化している。クラウド基盤運用自動化サービスでは、VMwareの詳細な構成情報を収集し、これをもとにわかりやすいユーザーインターフェースで表示(図2参照)。サーバーやストレージ、ネットワークなど、「物理層と関連する情報も集める」(五十嵐氏)ことで、信頼性の高い運用自動化を実現している。また、VMwareの稼働状況を独自の手法により分析することで、これからクラウド基盤運用自動化を検討しているユーザーが、どのくらい運用作業などを削減できるかを最短4日でアセスメント(事前評価)するサービスも提供する。
VMwareとAWSに特化することで運用自動化のハードルを大きく引き下げた日立システムズでは今後、Microsoft Azureをはじめ対応クラウド基盤を増やしていくとともに、クラウド基盤運用自動化サービス関連事業で向こう3年で累計30億円のビジネスに育てていく方針を示している。
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