Special Issue
<BCN Conference 2015>アクロニス・ジャパン マルチクラウド時代のバックアップ サービス化するための仕組みがカギ
2016/02/04 19:55
週刊BCN 2016年02月01日vol.1614掲載
SMBの関心はクラウドバックアップ
セールスエンジニア部
セールスエンジニアマネージャ
ユーザーが現在、検討中あるいは導入予定のバックアップでは、従来のストレージやテープが下降トレンドにあるのに対し、クラウドバックアップサービスは急上昇している。とくに、SMB(中堅・中小企業)では注目度が圧倒的に高い。SMB市場におけるIaaS用アドオンサービスでは、サーバーバックアップが1番の関心を集めている。
クラウドバックアップ活用のポイントは?
クラウドバックアップの主流はバックアップツールを使い、クラウドストレージにデータ転送するSaaS型サービスだ。運用管理も、クラウド経由で行う。佐藤マネージャは、クラウドバックアップの活用にあたって肝となるキーワードを取り上げた。一つ目は「マルチクラウド」。用途に応じて複数のクラウドを使い分けることがあたりまえになるなかで、異なるクラウド間での一元的管理が求められる。
二つ目は「スケールアウト」。管理台数に制約がなく、インフラ設計や特別な投資が不要でオンデマンドなスケールアウト性を備える必要がある。
三つ目は「マルチテナント」。クラウド基盤上に複数企業が相乗りすると、管理者が各社の環境にアクセスできる可能性があることから、セキュリティが問題となる。
四つ目は「マルチティア」。バックアップをサービス化した時に、1次店、2次店、ユーザーなどの商流をデザインし、課金などの設定を的確に行う必要がある。
最後が「リモートからのシステム復元が可能」であること。クラウドのコンソールでシステム全体を復元することができ、異なるクラウド間での復元が可能である必要がある。その応用が、クラウド間、オンプレとクラウド間など、相互マイグレーションの実現となる。
事業者とユーザーに多くのメリットを提供
続いて、佐藤マネージャはイメージバックアップの特徴を解説。イメージバックアップは、従来のファイルバックアップと比べ、ファイル数に依存せず、高速処理ができる。100万ファイルの配置では、Acronis Backup11.5(ブロック)とRobocopy(ファイル)を比較すると、10倍以上の差になったという。「夜間にバックアップが終了できないという悩みをもつユーザーが多い。イメージバックアップはその解決策となり、BCP/DR対策(事業継続/災害対策)にも有効だ。実際、19年に向けて、イメージバックアップが急増するという調査データがある」と強調する。
アクロニスのイメージバックアップは、日本市場で約4割とトップシェアを誇る。「これをクラウド向けに移行したのがAcronis Backup Cloudで、SaaS型のバックアップを提供する。サービスプロバイダ、ユーザーの双方にさまざまなメリットを提供できる」と佐藤マネージャ。
サービスプロバイダに向けては、商流に合わせた階層構造を提供し、請求業務に必須のレポートも自動作成できる。また、バックアップインフラをアクロニスデータセンターが保有する「Acronis Hosted」によって、初期投資を抑えて即座にサービスが開始できる。また、自社ブランドでのサービス提供にも対応する。
一方、サービスプロバイダのデータセンターにデータをバックアップしたい場合には、SDS(Software-Defined Storage)の「Acronis Storage」によって、バックアップ/アーカイブに最適化されたスケールアウト型のストレージ環境を構築することで対応できる。排他的なマルチテナント、マルチユーザーによりセキュリティも安心だ。また、「Acronis Storage Gateway」は、パブリッククラウド上のさまざまなストレージサービスにデータのバックアップを可能にする。もちろん、リモートでの集中管理や異なるクラウド間やオンプレミス間でのシステム復元が可能だ。
佐藤マネージャは、「Acronis Backup Cloudは単なるバックアップツールではなく、バックアップをサービス化するための仕組みが全部入っている」とアピールした。
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