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<トップ対談>ポリコムジャパン×プリンストン 長年の強いパートナー シップで付加価値を提供 「コミュニケーション」をキーワードに市場拡大へ
2015/11/05 19:55
週刊BCN 2015年11月02日vol.1602掲載
ポリコム製品で常にトップクラス
──プリンストンは長年、VAD(Value Added Distributer)として、ポリコム製品を販売されてきましたが、これまでの歩み、販売実績を教えてください。中出 ポリコムさんとのパートナーシップは、1997年に米ポリコムとの販売代理店契約締結からと、18年の長いおつき合いになります。音声会議システム「SoundStation」から始まって、99年にはビデオ会議システム「ViewStation」を販売しました。
当社は直販はせず、販売パートナー様を通じて販売するVADです。ポリコム製品を事業の大きな柱として注力し、06年にはプラチナリセラー認証を取得し、04年以降、8度の国内No.1ポリコムパートナーに認定されるなど、常にトップクラスの実績を積み上げてきました。
三ッ森隆司
代表執行役社長
ニーズに応えて付加価値を提供
──ビデオ会議市場に参入するベンダーも相次いでいます。それら競合に対するポリコム製品の強みとは。三ッ森 ビデオ会議の確実な接続、臨場感などの高い品質はもちろんのこと、企業規模の大小にかかわらず確実な運用サポート、セキュリティ、スケーラブルであることが求められます。そうした企業のニーズにしっかり応えてきたことが、最大の強みであり、お客様から支持されてきた理由だと自負しています。
また、音声・ビデオの統合ソリューションを実現するには「Microsoft Lync(Lync)」との連携が欠かせません。ポリコム製品は、Lyncの認定製品として、ネイティブかつシームレスに連携でき、導入後すぐに活用でき、生産性の高い統合環境を構築できます。
──常にトップクラスの販売を続けてきたプリンストンの強みを教えてください。
中出 VADである当社の存在意義は、単にポリコム製品を販売パートナー様に卸すのではなく、文字通り付加価値を提供することです。当社では会議システムに精通した営業、技術、サポートの各部門を有しており、また各種システムまで含めた提案が可能な販売パートナー様と協力し、ネットワークからディスプレイなどの周辺機器、サポートを含めて総合的に最適なシステムを提案してきました。また、SMB(中堅・中小企業)から大企業まで、会議室があるところはすべてターゲットとして、拡販に取り組んできました。近年、力を入れているのが教育市場で、すでに全国の多くの国立大などでも導入実績があります。
具体的なソリューションとして、ビデオ会議に当社の液晶ディスプレイ、スピーカーなどを組み合わせたオリジナルのオールインワンモデル「コンパクトビデオ会議ステーション」や、コラボレーション&コミュニケーションをキーワードに掲げ、複数メンバーがPCで協働編集できる米Tidebreakのコラボレーション・ソフトウェアとポリコム製品を組み合わせてアクティブラーニング向けソリューションとして提供しています。
創立25周年。コラボレーションエクスペリエンスを変革するソリューション
RealPresence Debut
2015年10月8日に、創立25周年とその革新およびリーダーシップを記念して、人をコラボレーションの中心に据え、協業をより効果的かつスマートに、そしてより効率的に行う独自の画期的なコラボレーションエクスペリエンスを米国にて発表。日本国内でも順次、提供していく予定。
モバイルの普及で新市場を開拓
──ビデオ会議市場をどう捉えていますか。三ッ森 コンシューマ向けを含めて参入は多いのですが、市場の可能性はまだまだ大きなものがあります。例えば、モバイルデバイスで外出先や自宅からでも会議に参加するという新しい会議の形態が生まれるなど、すそ野は確実に拡大しています。現在、市場は過渡期で、当社としてもLyncとシームレス連携できるメリットを生かすなど、次のステージを目指します。
中出敏弥
代表取締役社長
当社は、これからもポリコム製品を幹として、そこに独自の枝葉という価値を加え、新しい時代のニーズに対応していきます。
──新たな市場の可能性についてはいかがですか。
三ッ森 日本は先進国で、個々人の能力も高いものの人口は減少していきます。ビデオ会議はそのような社会にあって、ワーキングマザーや介護に追われる方など、多くの人にビジネスに参加する機会を提供できる。ワークスタイル変革のための手段になるのです。当社は、その実現に貢献していきたいと考えています。
中出 今後も、教育分野は大きなターゲットになると考えています。今は大学が中心ですが、K12(小・中・高等学校)向けにも展開して、すそ野を拡大していきたい。文部科学省主導で離島の高等学校を結んだ遠隔授業などが始まっていますし、今後も、教員不足などを補うため遠隔授業が拡大していくと考えています。また、欧米ではあたりまえのアクティブラーニングも日本はこれからです。当社は、欧米の状況についてもしっかりと視察してきていますし、ぜひ普及させたいですね。
もう一つ。有望市場と考えているのが医療分野です。遠隔医療が普及する日が必ず来るでしょう。
クラウドや安価なラインアップも
──市場開拓に向けて、ポリコムに要望されることなどはありますか。中出 ポリコム製品は高機能高品質ですが、今後の市場開拓を考えると、より下位のレイヤに向けた低価格の製品を要望しています。小規模なものを含めると世界に会議室は4000万~5000万あるといわれています。とくに、日本はスペースの問題があるので、その需要が高い。そうした市場の声も含めて、ポリコムさんとはコミュニケーションを密にしていますし、ともに市場開拓を進めていきたいと思います。
三ッ森 ポリコム(本社)は設立から25周年。法人をターゲットに製品展開してきましたが、法人にも幅広い層があります。これまでは中位から上位に向けた製品ラインアップとなっていましたが、すそ野の拡大に向けてラインアップを充実させ、対象とするレイヤを拡大していく方針をワールドワイドで打ち出しています。今後、数か月ごとに製品ラインアップを追加していく計画ですので、ぜひ、期待してください。
──パートナーに向けてのメッセージを聞かせてください。
三ッ森 今後は、モノの提供だけでなく新しいサービスの形も検討しています。お客様のニーズも変化しており、必要な時にだけビデオ会議があればいいという声も少なくありません。そこで、ポリコムのインフラを使ってパートナー様が自らのブランドで売ることができる“ホワイトラベル”のクラウドサービスの提供も考えています。
また、プリンストンさんとともに、クラウドサービスを提供しているベンダーへの製品提供をはじめ、協力体制や仕組みづくりを進めて、パートナーの方々がビジネスとして確立していただけるよう、ともにサポートしていきたいと思います。
中出 ポリコムの新しいサービスに対しても、VADとして当社の付加価値を提供していきます。具体的なコミュニケーションの形にして提供することで、新しいマーケットを開拓し、販売パートナー様が販売しやすい環境を整え、しっかりとサポートしていきます。
──最後に今後の抱負を。
三ッ森 外資系企業でありながら日本でも20年近くビジネスを展開し、大きく成長してこられたのもプリンストンさんをはじめとする日本市場に密着した強力なパートナーの存在があったからこそと感謝しています。今後も、さらにパートナーシップを強化していきます。
中出 このほど米国で発表されたポリコムさんの新製品をはじめとして、今後の製品展開に大いに期待していますし、ワクワクしています。これからも当社はそこに高い付加価値を加え、販売しやすい商品としてコーディネイトし、責任をもって販売パートナー様に提供していくという姿勢を徹底していきます。
オールインワンビデオ会議システム
「コンパクトビデオ会議ステーション」
ポリコムの高性能ビデオ会議システム「Polycom RealPresence Group 310/500」とプリンストンの液晶ディスプレイやスピーカーと組み合わせた、小規模な会議室やミーティングスペースおよび個室などでの少人数のグループ会議に適したプリンストンオリジナルのオールインワンビデオ会議システム。
2015年10月に新たに「VESAスタンドキットモデル」と「VESAブラケットキットモデル」の2タイプのモデルを追加ラインアップ。
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