Special Issue
<技術者座談会>ニフティ×ヴイエムウェア 新サービスの魅力と今後の展開は ニフティクラウド DRサービス with VMware vCloud Air Technologyを語る
2015/08/27 19:56
週刊BCN 2015年09月07日vol.1594掲載
VM単位の課金など柔軟なアプローチ
──サービスの強み、他社との差異化点を教えてください。五月女雄一
クラウド事業部
クラウドインフラ部
浜中 DRを実施したいというお客様は、実はバックアップしておきたいというニーズがほとんどです。DRの立ち上げとなると、どうしても初期投資も高価になって検討段階で諦めるケースも少なくありません。それでも万が一の場合には、DRできるようにしておきたいわけですから、バックアップでの課金、DRする際の課金と2段階に分けました。
大久 日本は地震の多い国ですが、海外と比較してデータセンターインフラはとても強く、よほどの地震でなければ建物や電源は大丈夫というケースがほとんど。DR対策はクラウドを活用してミニマム投資で始めたほうがいい。そこで、まずバックアップのニーズに応えて、しかも低コストで導入できるようにしたのです。
福本 ニフティさんのDRと当社のDRは同じテクノロジーがベースですが、内容は異なります。当社のDRはグローバルスタンダードで、汎用的でシンプルとなっていますが、すべてのお客様のニーズに応えられるものではありません。そこをニフティさんのように、同じテクノロジーで異なるメニューでのサービス提供を決定していただけたのは、非常にありがたいですね。DRはコストが高いなど、いくつか壁があります。vCloud Airと一緒にその壁をできるだけ低くしていただけたことも大きい。
VDIやMDMなどのサービス化も検討
──次のステップとして検討されている新しいサービスはありますか。五月女 次の段階として考えているのが、バックアップデータをオンプレミスへ戻すのではなく、万が一の際は、そのままニフティクラウドへ移行してサービス継続できるかたちにもっていくことです。バックアップして、必要なときは追加コストを払えばDRを立ち上げられるというアプローチをより整備します。
浜中 今後のサービス展開で検討しているのが、オンプレミスからクラウド移行のためのゲートウェイ機能です。具体的にはオンプレミスのサーバーを停止せずに、クラウドへ引っ越しできるようなサービスを考えています。
大久光崇
ストラテジックアライアンス本部
シニアテクニカルアライアンス
マネージャ
浜中 いま、まさに構築検討を行っていて、2016年の早々にはサービス開始を目指しています。もう一つは、お客様が自社のVMがどのような状況にあるのかを把握できるUIの機能です。また、VDIやモバイルデバイス管理(MDM)など、エンドユーザー・コンピューティングのサービスも実現したいと考えています。いままでのVDIは、ユーザーからみると必ずしも使い勝手がいいものではなく、あくまで管理者にとっての利便性が中心でした。これを、ユーザーが通常の端末を利用するのと変わらない使い勝手を実現して、高性能で高信頼なサービスを提供したいですね。
福本 当社も、ニフティさんと同様の点に注力していますし、今後もパートナーの方々に優れたテクノロジーを提供して、より良いサービスの実現に貢献していきます。
五月女 当社は、日々お客様のさまざまなニーズを耳にしています。そうしたニーズに対して、テクノロジーを活用して最適なサービスをご提供できるかが、プロバイダの力の見せどころだと自負しています。
──最後に、SIerが商材に据えるうえでの優位性を教えてください。
福本 他社のクラウドは、オンプレミスから仮想マシンデータを移行するとアーキテクチャが変わってデータフォーマットが揃わなくなることがあります。データが揃わないとツールも揃わないし、運用も煩雑になるという問題が起こります。このようなハイブリッドクラウドの相互運用性をどう担保するかという課題に対して、当社は幅広くお応えできます。
浜中 オンプレミスで7~8割は普及しているVMware製品による仮想環境とクラウドをつなぐ役割を果たすのがニフティクラウドの強みです。SIerの方々もVMware製品を触った経験をもっておられると思いますが、それらのVMware製品と親和性の高いニフティクラウドで、今後はSIerの方々が、さらにビジネスを拡大できる環境を整えることに力を注いでいきたいと考えています。また、パートナーの方々に向けて、できるだけ情報を開示してホワイトボックス化することで、当社と組んでいただく価値を明らかにしていきます。
関連記事
<トップ対談>両社の協業で新たなクラウドDRサービスを創造 国内初「VMware vCloud Air」のテクノロジーを採用
ニフティ、ニフティクラウドで定期処理の自動実行を指示するサービス
ヴイエムウェア、ジョン T. ロバートソン氏が日本法人社長に就任、三木泰雄前社長は代表取締役会長に