Special Issue
国内9000社が利用するファイル軽量化ツール「NXPowerLite」に開発キットが登場
2015/07/06 19:55
爆発的なデータ量増加の対応にNXPowerLiteの利用が拡大
薬師寺 啓史氏
2006年に国内販売を開始したNXPowerLiteデスクトップエディションは、Outlookなどと連携し、メールの添付ファイルを送信時に自動的に軽量化できるなど、これまで容量が大きく添付できなかった重いファイルの送信を可能にしている。そして2010年にストレージの容量不足を解消するファイルサーバーエディションが加わり、現在、国内で9000社以上が導入している。
IDCの調査によれば、世界のデータ量は2年で倍に増えるともいわれ、増設したファイルサーバーやストレージが、当初の想定より早く容量不足になるケースが想定される。「爆発的な増加が続くデータ量への対応は、情報システム担当者に共通する課題。導入コストや運用コストを考えると、単純にストレージを増設するだけで済む問題ではない」と薬師寺マネージャーは指摘する。
重複排除やデータ圧縮ツールは、思ったほど効果が得られないことも多く、最終的にNXPowerLiteを導入する企業が増えているという。「根本的な解決は、ストレージを占有する巨大なファイルのサイズを直接削減するしかない。それを可能にするのがNXPowerLiteだ」と強調する。
「SDK」がデスクトップ/ファイルサーバー版にできない仕様を可能に
そして、これまで両エディションではできなかった活用を可能にするべく、オーシャンブリッジが、7月6日にリリースしたのが「NXPowerLite ソフトウェア開発キット(SDK)」だ。「『SDK』は、C++、Javaなどの開発環境から利用できる開発用モジュールであるため、自社で独自開発したアプリケーションや文書管理システムなどのソリューションに、柔軟に組み込むことができ、今までできなかった自由な活用ができる」と薬師寺マネージャーは説明する。
例えば、ファイルサーバーエディションではあらかじめ設定したスケジュールに沿って軽量化を行うが、SDKではユーザーがファイルサーバーにファイルをアップするタイミングで軽量化を実施するといったこともできるようになる。
デスクトップ、ファイルサーバー、SDKという用途に応じた三つのラインアップが揃ったことで、組み合わせて活用すれば、単にファイルの軽量化にとどまらず、業務効率化やITのインフラコスト削減にも貢献することが可能となる。
SIerとの連携ソリューションを期待
SDKの具体的な活用としては、文書管理システムやWebサーバーと連携し、ユーザーがファイルをアップするタイミングで軽量化を実施し、データベースに保存するといったことができるようになる。また、イントラサイトと連携させ、ユーザーが軽量化したいファイルをイントラサイトに投げ、軽量化したファイルをユーザーに返すといった利用も可能だ。さらに、特定フォルダにアップしたファイルを自動で軽量化する、軽量化したファイルを特定のフォルダに格納するなど、自社の業務に合わせた運用が実現できる。「Office 365に組み込み、SharePoint Onlineへのファイルアップ時に軽量化するなど、クラウドサービスでの活用も可能だ。またファイル容量を軽量化することにより、クラウドストレージの効率的な利用や、Webページ表示の高速化にも貢献できる。最近では、Webメールの利用が増えていて、数十MBの容量のメールも簡単に送信できるようになったが、一方で、ネットワーク帯域やメールサーバーの容量を圧迫することになる。これもSDKとWebメールを連携させることで、予め容量を削減することができるため、トラフィック量やメールサーバーの容量を削減できる。このように、さまざまなクラウドサービスやVDIを導入している企業にとっても、大きなメリットになる」と薬師寺マネージャー。
NXPowerLiteには元々、ダウンロードして利用できる無料体験版が用意されているが、SDKでも、30日間の無料体験版を用意する。
「Office365や文書管理システムなどのソリューションを提供しているSIerの方々に、SDKを活用した連携ソリューションを提供してもらえるよう、当社も、セミナーや技術サポートを通じて積極的にサポートしていく」と薬師寺マネージャーはアピールしている。
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