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ネットワールド×米EMC 対談 「VSPEX BLUE」でハイパーコンバージド・インフラを根付かせる

2015/06/25 19:55

週刊BCN 2015年06月22日vol.1584掲載

 このほど販売が開始されたEMC製ハイパーコンバージド・インフラストラクチャアプライアンス「VSPEX BLUE」。VMwareを含めてEMCグループのビジネスパートナーとして長年の実績をもつネットワールドの森田晶一社長と、米EMCのギル・シュネオルソン バイスプレジデントの対談を通じて、VSPEX BLUE開発の背景、日本市場でハイパーコンバージド・インフラを根付かせる取り組みを聞いた。

VSPEX BLUE

フルパッケージで要望に応える「VSPEX BLUE」

──まず、両社のパートナーシップの背景とこれまでの取り組みを教えてください。

ネットワールド
森田晶一
代表取締役社長
森田 当社は、2000年6月に仮想化製品「VMware」シリーズの取り扱いを開始いたしました。2003年の「vMotion」発表をきっかけに国内の仮想化市場が本格化した折、今後は高機能なストレージが不可欠になるとヴイエムウェアさんからアドバイスを受け、EMCさんを紹介してもらったことでパートナーシップがスタートしました。

シュネオルソン ネットワールドさんはコンバージド・インフラの提供者として、プラスαの価値の提供など専門性が高く、包括的ソリューションを提供できる点を高く評価しています。今回、ネットワールドさんに日本の市場に向けてハイパーコンバージド・インフラのVSPEX BLUEを提供してもらえることになり、大いに期待しています。

──VSPEX BLUE開発の背景を教えてください。

シュネオルソン 最近は、ITをさまざまな場面で活用したいという要望があり、なかでもサーバーベースストレージのニーズが高い。そこにユーザーが望むのはシンプルさと拡張性であり、重要なのがスケールアウトです。また、信頼できるベンダーからの購入を望んでいます。こうしたニーズに応えるハイパーコンバージド・インフラを設計することになった際、「VMware EVO : Rail」を活用するとともに、差別化要素として、EMCのリモートサポートやRecoverPoint、CloudArrayなどを加えました。これによって、高い信頼性と俊敏性を備え、しかも自動設定によって100台の仮想マシンを15分で展開可能です。スケールアウトにも自動対応でき、ユーザーの手を煩わせない。まさに、望むものをフルパッケージで提供しています。

──ネットワールドさんにとってVSPEX BLUEの強みは何でしょうか。

森田 単なる「VMware EVO:RAIL」ではないという点です。EMCさんの保守も含め、その付加価値がしっかりしています。まず保守ですが、EMCさんからは当初の「3年間保守必須」というルールが1年単位で自由に選択することができるようになると聞いています。値ごろ感が出てきました。しかも、VMware製サーバー仮想化プラットフォーム「vSphere」のEnterprise Plusライセンス(4ノード8ソケット)では、既存の環境から自由に移行できるようになるため、ユーザー様の価格イメージが良くなります。ハードウェアを最新のものに更新すれば、古いサーバーよりも多くのVMware仮想マシンを稼働できます。ハードウェアの乗り換えに最適なVSPEX BLUEが選ばれることに期待しています。

VMware環境からクラウドまで
幅広いニーズに対応

──コンバージド・インフラ市場をどうみていますか。

米EMC
ギル・シュネオルソン
バイスプレジデント
&ジェネラルマネージャー
VSPEX
グローバルソリューションズ担当
シュネオルソン ワールドワイドの市場は40億ドル規模で、年率33%で成長しています。そのなかでも、ハイパーコンバージド・インフラ市場は60%以上の成長率です。それだけに当社でも中核的な戦略としてVSPEX BLUEを発売したというわけです。しかも、当社はユーザーの幅広いニーズに適切に対応できる製品を用意しています。コンバージド・インフラの市場に対して包括的に対応できると確信しています。

──VSPEX BLUEで、どのようにアプローチできるとお考えですか。

森田 主なユーザーは、すでにVMwareを導入している企業ですが、クラウド基盤にも十分に活用できます。オンプレとクラウドのVMware環境をハイブリッド環境として接続した場合、双方がVSPEX BLUEなら非常に効率のよいハイブリッド環境が実現できます。また、VDI(仮想デスクトップインフラ)にもマッチしています。

シュネオルソン さまざまなタイプのユーザーに理想的な製品です。中小企業では、汎用的なVMwareの活用があるでしょう。一方、大企業は部門レベルでの活用やVDIが考えられます。地方拠点や海外拠点をもつ企業にとっても、リモートオフィスのソリューションに活用できると思います。

森田 VMwareを積極的に活用してインフラを統一していきたいお客様はますます増えていきます。そうしたお客様に向けて、ハードウェアの更新をうまく活用する提案をパートナーとともに訴求します。

──パートナーへの支援策を教えてください。

シュネオルソン ネットワールドさんとそのパートナーの方々が成功できるよう、徹底的なサポートを第一に考えています。教育やトレーニング、資料などマテリアルの拡充、情報提供を強化します。

森田 当社も各種セミナーなどのリセラーイネーブルメントを推進します。また、当社にはパートナー向けシステム検証施設のプリインテグレーションセンターがありますが、そこに併設してEMC認証を受けた「VSPEX BLUEビルドセンター」をオープンします。さらに、制約は付きますが、パートナー様のデモ環境用にVSPEX BLUEを300万円台で提供するプログラムも、EMCさんと計画しています。

──最後に、今後の抱負を。

森田 日本は、まだハイパーコンバージド・インフラが根付いていません。VSPEX BLUEで認知度を高め、市場を拡大していきます。

シュネオルソン 日本へのVSPEX BLUEの投入にワクワクしていますし、ネットワールドさんとのパートナーシップは大きなメリットになると期待しています。
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外部リンク

ネットワールド=http://www.networld.co.jp/

EMCジャパン=http://japan.emc.com/