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<IBM Hybrid Cloud>パートナーのクラウドビジネス攻略術 SoftLayerはこう売る! AIT IBMテクノロジーとオープンソースを強みに クラウドビジネスを強力に推進

2015/05/14 19:55

週刊BCN 2015年05月11日vol.1578掲載

 SRAホールディングスグループで、IBMビジネスパートナーのAITは、「SoftLayer」とオープンソースソフトウェア(OSS)を組み合わせたビジネスを伸ばしている。OSSを使ったシステムをSoftLayer上で構築、サポートするサービスメニューを整備するとともに、今後はOSSと密接に関連する「IBM Bluemix(Bluemix)」利用者へのサポートも視野に入れている。IBMテクノロジーをベースとしつつ、クラウドとOSSを組み合わせる独自のサービスを打ち出すことで競争優位性を高めているのだ。

「OSSサポート for SoftLayer」を投入

ITサービス事業本部
第一ITサービス部部長
勝田径代 氏
 AITが打ち出した「OSSサポートサービス for SoftLayer」は、SoftLayerのプラットフォームにおいて主要なOSSを利用を支援するものだ。サポートメニューの最小構成はウェブサーバーの「Apache」、ウェブアプリケーションサーバーの「Tomcat」、データベースの「PostgreSQL」の三つを組み合わせたサービスで、「ポピュラーな三つのOSSに特定し、さらにSoftLayer利用者に限定した魅力的な価格体系の【ライト】メニューを設定した」(勝田径代・ITサービス事業本部第一ITサービス部部長)とSoftLayer利用を意識したことを強調する(図参照)。


 そのOSSサポートサービスの中核を担うのは、AITと同じSRAホールディングスグループのSRA OSSだ。SRA OSSは、オープンソースビジネス推進協議会(OBCI)やPostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアムなどOSS推進団体の中心的役割を担いOSSの技術動向をいち早くつかんで、日本のユーザーにその知見を提供するサービスを展開している。とりわけOSSの定番データベースとなっている「PostgreSQL」のサポートは、“国内最高水準”と、評価が高い。

ソリューション営業本部
クラウド&ソリューション営業部係長
小関翼 氏
 「従来のハードウェア購入型に比べてコストを平準化しやすいパブリッククラウドのSoftLayer と、商用パッケージソフトウェアに比べてライセンス料を抑えられるOSSを組み合わせることで、IT基盤部分への投資を節約し、ユーザーの付加価値の部分、ライバル他社と差異化したい領域へのIT投資を重点的に拡大できる」(小関翼・クラウド&ソリューション営業本部ソリューション営業部係長)と、メリットを強調する。

 AITはIBM Power SystemsやIBM Storageの構築を多く手がけてきたIBMのソリューションプロバイダに位置づけられて、IBM構築ビジネスへの顕著な貢献に対して贈られるIBMサービス・エクセレント・アワードを2年連続で受賞した実績を誇る。一方、SoftLayerの前身であったIBM SCEの時代から現在に至るまでクラウドビジネスにシフトしてきた経緯がある。またSoftLayer上でAITが取り扱う主力製品のなかには、米SugarCRM(シュガー・シーアールエム)が商用化しているOSSベースのCRM/SFAシステムの「SugarCRM」があり、ここにSoftLayerを活用するケースが現れはじめている。大手製造業向けには、そのヘルプデスクシステムにSugarCRMが採用された実績をもつ。

Bluemixも視野に入れたサービスメニュー

 AITでは今後利用が一層進むであろうBluemix 利用者のOSSサポートも視野に入れている。BluemixはPaaSに位置づけられて、開発フレームワークやアプリケーション・サービスといった開発者にとって便利な機能が準備されており、クラウド・アプリケーションの作成、デプロイや管理を簡単・迅速に行うことができる。BluemixのラインアップのなかにはIBM独自のソフトウェアモジュールだけでなく、多くのOSSも含まれており、「BluemixとOSSとは密接な関係にある」(勝田部長)とし、IBMテクノロジーとOSSの分野でAITの強みを生かせる領域と位置づける。

 AITは、IBMのハードウェアやソフトウェア販売を中心に成長してきたソリューションプロバイダであるが、それが今ではクラウド上でのシステム構築を従来のビジネスに付け加えるかたちで成長を持続させている。「収益モデルが異なるなかでもIBMプラットフォーム上で構築を行うという点では大きな違いはない」(勝田部長)と、従来のビジネスモデルにIBMテクノロジーとOSSの強みを加えたAITの今後のSoftLayer推進力に大いに期待がもてる。

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外部リンク

AIT=http://www.ait.co.jp/