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デル モバイルなどワークステーション領域を拡充 パートナーとの連携で販売増を目指す

2015/04/27 19:55

週刊BCN 2015年04月27日vol.1577掲載

 デルは、CADや映像/アニメーション、ゲーム制作などの領域に照準をあてたワークステーション事業を強化する。昨年は、モバイルワークステーション「Dell Precision M2800」を含む2機種を市場に投入し、モバイルワークステーションの製品ラインを押し広げた。そして現在、ワークステーション性能に影響を与えない強固なセキュリティのソリューションを提供。あわせて、パートナーとの協業関係を強化し、ワークステーションの販売増に拍車をかける構えだ。

ユーザー要求を満たす性能と多彩なきょう体

嘉山よし子
クライアント・ソリューションズ
統括本部
クライアント製品&
ソリューション
マーケティング本部
ブランドマネージャー
 デルのワークステーション「Dell Precision」シリーズは、タワー型からラックマウント型、モバイル・タイプに至るまで、幅広い製品をラインアップしている。直販のイメージが強いデルだが、Dell Precisionシリーズについては、ディストリビュータやその先の販売パートナー、ソリューションベンダーといったパートナーとの連携を重視。「パートナーとともに、当社製品を訴求・拡販するためのさまざまな施策を展開している」と、嘉山よし子・クライアント・ソリューションズ統括本部クライアント製品&ソリューションマーケティング本部ブランドマネージャーは語り、施策の中身についてこう説明を加える。

 「例えば、デモ機の貸し出しや、販促用のポップなど拡販キットをパートナーに提供しているほか、製品カタログの配布やパートナーのイベントのスポンサー、ノベルティの提供など、協業していくうえで要望に応じた手厚い支援を展開している。また、ワークステーションの場合、標準機導入前の評価・検証が重要となるが、『デルから期間限定で貸与するマシンだけではなく、購入予定の実機とまったく同じ環境でしっかりと検証したい』との要望に応え、評価用マシンを(最大)50%オフで提供するプログラムも用意している」。

 Dell Precisionシリーズには、デル独自のテクノロジーや「デルならではのノウハウ」がさまざまに組み込まれている。一つは、パフォーマンスを自動的にチューニングするソフトウェア「Dell Precision Optimizer」だ。このソフトウェアを用いれば、ハードウェア・リソースをワンクリックで、使用する業務用アプリケーションに最適化することができる。また、システムのダウンタイムを最小化する技術としてメモリエラーを発見し、不良セクタをマップアウトする「Dell Reliable Memory Technology」も搭載されている(Tower 5810以上のECCメモリ構成で提供)。さらに、きょう体設計にもデルがBTOを通じて培ってきた知見が取り込まれており、ディスク類の増設や電源ユニットが簡単に抜き差しできるなど、メンテナンス時の作業効率を高める工夫が随所に凝らされている。

 「欧米に比べ、日本の作業スペースは総じて狭く、ワークテーションにもコンパクト設計と取り扱いやすさが求められる。Dell Precisionシリーズは、そうした日本の実情やユーザーの要求に合わせて、非常に小さなフォームファクタを実現している。実際、エントリモデルのDell Precision T1700 SFF、さらに、Tower 5810/7810/7910の最新バージョンでは、日本のゲーム開発業界の要望に応え、きょう体カバーの仕様も変更している」(嘉山ブランドマネージャー)。

Dell Precision M2800、Dell Precision T1700 SFF

パフォーマンスを犠牲にしない セキュリティを実現

 こうしたDell Precisionシリーズにあって、デルの「おすすめ」ともいえるのが、プロフェッショナル仕様のグラフィックカード「AMD FirePro」を搭載したモバイルワークステーション「Dell Precision M2800」だ。モバイル・タイプのワークステーションは他にも存在するが、「廉価で軽量、しかも高性能という点が、他社製品にはないM2800の魅力」と嘉山ブランドマネージャーは訴える。

次世代プロフェッショナル・グラフィックカード「AMD FirePro」は、ワークステーションの高速かつ安定したパフォーマンスを実現する。

 またもう一つ、M2800にはアドバンテージがある。それは、ワークステーション上での業務とセキュリティの両面に対する配慮が、具体的なソリューションとして提供されている点だ。

 モバイルワークステーションは、開発中の製品画像といった機密情報を保持しながら、デモなどで社外に持ち出して使う機会が少なくない。そうしたモバイルワークステーションのセキュリティリスクを最小化すべく、デルでは、暗号化、認証、マルウェア対策の3機能を備えたエンドポイント・セキュリティソリューション「Dell Data Protection(DDP)」をオプションで提供しているのである。

 「モバイルワークステーションでユーザーが最も求めるのは、パフォーマンスを犠牲にしないセキュリティ対策。ハードウェアアクセラレータオプションを用いた暗号化では、生産性を落とすことなくデータをセキュアに運用できる」と、嘉山ブランドマネージャーは説明する。

 デルでは、パートナーとの協業関係を深め、Dell Precisionシリーズがより販売しやすい体制を構築していくという。

 「デルの信頼性が高く、幅広い製品ラインアップとオプションは、パートナーにとっても大きなメリットになる。これからも、導入事例の作成など多彩なプロモーション施策をパートナーとともに展開し、協業の幅を拡大させ、製造系・制作系のニーズを満たす高性能でセキュアなマシンを、より多くのユーザーにお届けしたい」(嘉山ブランドマネージャー)。

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外部リンク

デル=http://www.dell.co.jp/