Special Issue
JBCCホールディングス 「SMART Fast」の販売が好調 人材育成で中国企業の顧客開拓へ
2015/03/12 19:55
週刊BCN 2015年03月09日vol.1570掲載
買い取りビジネス主流の市場で
月額サービス提供型ビジネス浸透へ
森浩二
董事長総経理
中国では、「企業が社内にシステムを購入することが根づいており、ITベンダーの提案はオンプレが主流になっている」と、森董事長は説明する。にもかかわらずSMART Fastのユーザー企業が増えているのは、手軽に利用できることに加えて、JBCN上海の手厚いサポートが大きな要因になっている。SMART Fastのユーザー企業は日系の現地法人が中心だ。森董事長は、「日本でJBグループが提供しているサポートと同様の質の高さが求められる」と考えている。そのためには「スタッフのスキルアップが一番のポイントになる」と、森董事長は強調する。
現地スタッフに任せる体制へ
JBCN上海が人材強化を図るために、積極的に取り組んでいるのは、優秀な人材の採用とスキルアップ。現在、上海での人員は約20人の体制。即戦力を重視して中途採用が中心だったが、「昨年は、大学の新卒採用を初めて実施した」(森董事長)。また、スタッフのスキルアップ策として「現地スタッフを責任者として配置している」(森董事長)という。現在、広州と大連の2拠点は、営業責任者を現地スタッフが担当。広州に関しては、オフィス自体の責任者も現地スタッフが担当するようになった。森董事長は、「責任者として広州を任せた当時は、実は『まだ早いかな』と考えた」と打ち明ける。しかし、「今では立派にビジネス拡大に貢献している」と、森董事長は手応えを感じている。OJTだけでなく、技術者に対するトレーニングなども拡充している。
スタッフの質を高めることによって、JBCN上海が次のステップに捉えているのが、さまざまな業界・業種で中国企業をユーザーとして獲得するための成功モデルを増やしていくことだ。森董事長は、「JBグループの文化を理解し、しかも中国の文化も根づいている現地スタッフのアイデアで新しいソリューションを創造できれば、競合のなかでも中国の現地法人との差異化につながる」と判断している。
JBCN上海の売り上げについて、森董事長は「ユーザー企業の増加に伴って大幅に伸びている」と、自信をみせている。現地スタッフのスキルアップに力を注いで成功モデルを確立するというのは、JBグループにとってタイやシンガポールなどASEANのビジネス拡大にもつながる可能性が高い。森董事長は、「ほかの国でも横展開できる人材育成を構築していきたい」との考えを示している。
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