Special Issue
日立システムズ 中国全土から引き合い急増 リースシステム本稼働でビジネスに弾み
2015/03/12 19:55
週刊BCN 2015年03月09日vol.1570掲載
地方の中核都市に商機多し
金融情報サービス事業部
新規事業推進本部
第一金融業務サービス部
主任技師
鳳凰グループの中国国内での知名度は非常に高く、鳳凰文貿ファイナンスリースでの採用・本稼働のニュースが伝わるや否や、「日立ファイナンスリース管理システムの問い合わせや引き合いが急増。中国の現地法人の営業やエンジニアが総出で客先訪問に出かけている」(日立システムズの野村正明・金融情報サービス事業部新規事業推進本部第一金融業務サービス部主任技師)と、中国法人のスタッフはオフィスの席の温まる暇もないほどだとうれしい悲鳴を上げる。
中国では、2011年頃から民間企業の旺盛な資金需要を踏まえて法整備が進んできた。日立システムズでは、当初、北京や上海など大都市での需要が中心とみていたが、蓋を開けてみると南京や杭州、成都、深センといった地方の中核都市クラスのユーザーからの引き合いが強いことがわかった。同社では大都市の営業活動を改め、中国全土をターゲットとした検索ポータルやソーシャルメディアへの広告を展開。「融資」や「租賃」といったキーワードで広告を表示させ、引き合いがあれば「中国法人スタッフが全国どこへでも飛んでいく」(野村主任技師)。この背景には、中国のリース業の歴史がまだ浅く、とりわけ地方都市で開業する新しいリース会社のノウハウ不足は深刻であるという状況があり、そのため、インターネットでキーワードを検索し、日立システムズにたどり着く流れができ上がりつつあるのだ。
絶妙なタイミングで営業訪問
日立システムズが最も重視している点は、(1)ノウハウの提供と、(2)製品的な付加価値の二つだ。リース業は規制業種である以上、法令対応のため基本的な機能は、どうしても他社と似てしまう。そのため、ただ単にソフトウェアのライセンスを販売するというよりも「リース業のノウハウを販売する」(野村主任技師)感覚をもたないとお客さまに受け入れてもらえない。必然的に「これから開業しようとする」あるいは「業容拡大で表計算ソフトでは管理しきれなくなった」など、ユーザーがシステムとノウハウを必要とするタイミングがあり、それに応えることができるか否かがカギになる。
まずは、直販で実績を積み上げていく。いずれはリース業に強い地場のコンサルティングファームやシステムベンダーによる販売代理店網の整備も必要だが、当面は製品紹介サイトによる販促を続ける。拡販のためには、実績が必要であるとともに、ソフトウェアライセンスだけでなく、リース業のノウハウも提供していくことをアピールすることで、「ユーザーがリース事業を拡大していく絶妙なタイミングで、当社製品に興味をもっていただける」(野村主任技師)とみている。
中国の商習慣に対応した機能
製品的な付加価値では、エンドユーザーのリース会社に対する毎月の支払いを、数か月まとめて先払いしたり、あるいはその逆の後払いをシステム的に可能にすることや、支払い時期になったらユーザー経営者の携帯電話にショートメッセージ(SMS)で金額を通知するなど、“中国ならでは”の柔軟な入金対応を標準で装備するといった現地化を進めている。こうした取り組みによって直販やパートナー経由での販売件数を向こう数年で80~100社にもっていくことを目指している。- 1
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