Special Issue
<クラウド特集>人やモノ、システムを“連携” クラウドの利便性を最大限に引き出す
2015/03/12 15:49
週刊BCN 2015年03月09日vol.1570掲載
例えば、複数の企業がつながるサプライチェーンでクラウドを活用すれば、固定的な従来のEDI(電子データ交換)よりも格段に自由度や柔軟性が高まる。サプライチェーンにつながる基幹システムをクラウドに対応させることで、拠点ごとにシステムを構築する必要がないばかりか、国内外からクラウド経由で基幹システムにアクセスできるグローバル対応が可能になるからだ。システムを1か所で集中管理するというITガバナンスの強化やシステム負荷に応じた柔軟な拡張性、異なるクラウドの活用による事業継続性を高める環境も容易に構築できる。
また、社内外の協働者と情報を共有したり、複数のビジネスパートナーと顧客やマーケティングの情報を共有したりといった、いわゆる企業向けソーシャルメディアも、クラウド時代に重要な“連携”のキーワードとなる。さらに、スマートフォンによってインターネットへの常時接続があたりまえとなった現代では、クラウドを活用した顧客接点の増強は欠かせない。
小売業を例に挙げると、販売チャネルのオムニチャネル化やO2O(オンライン・トゥー・オフライン)など、インターネットと実店舗を融合したデジタルマーケティングでもクラウドの存在が大きくなっている。人やモノをつなぐIoT(Internet of Things)/IoE(Internet of Everything)によって得た情報を分析し、マーケティングに生かす。スマートデバイスやソーシャルメディア、コンタクトセンターなどを有機的に連携させる。これらは、クラウドのメリットを最大限に引き出すことができる分野である。
ITベンダーがクラウドサービスをどのようにつなぎあわせて、ユーザー企業の課題を解決しようとしているのかをレポートする。
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