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<モバイルデバイスセキュリティ特集>クオリティソフト ユーザーニーズの拡大に合わせて三つの新機能を追加 「ISM CloudOne」最新版をリリース

2014/12/18 19:55

週刊BCN 2014年12月15日vol.1559掲載

 クオリティソフトは、クラウド型マルチデバイス管理ツール「ISM CloudOne」の新バージョンをリリースした。今回のバージョンでは、三つの新機能が追加され、このツールの大きな特徴である「セキュリティ管理工数の削減」を継承しながら、Windows/Android/iOSへの対応でさまざまなデバイスを一括で管理するツールとして、さらに磨きをかけたものになっている。

セキュリティ管理工数を削減する
マルチデバイス管理ツール

山崎誠司
カスタマーコミュニケーション本部
セールスプロモーション部部長
 クオリティソフトは、クラウド型マルチデバイス管理ツール・ISM CloudOneの新バージョン「ISM CloudOne Ver.4.9i」を11月末にリリースした。

 ISM CloudOneは、同社が2007年4月から提供しているデバイス管理ツール。Windows、Android、iOSを搭載するデバイスに対応しており、PCやスマートフォン、タブレット端末を一元管理することが可能だ。しかも、管理工数の削減に重点を置いていることも特徴となる。例えば、自動ぜい弱性診断機能では、クライアントから収集したインベントリ情報を、毎日更新されるセキュリティ辞書やユーザー企業のポリシーに沿って5段階のセキュリティレベルで自動的に評価し、レポートを生成することができる。

 新たに追加された機能は、「インターネットリモコン」「Windows MDM」「アプリケーションポータル」の3種類。山崎誠司・カスタマーコミュニケーション本部セールスプロモーション部部長は、「今回の三つの新機能はクライアント管理ツールとして一層の成熟を図ったものだ」と強調。加えて、「PC用のIT資産管理ツールとスマートデバイス管理ツールをそれぞれ用意するのは、管理者にとって大いに不便。ISM CloudOneなら、どちらのデバイスも一括で管理でき、管理者の負担を軽減しつつ、マルチデバイス環境のセキュリティを維持または向上させることができる」とアピールする。

海外のPCやモバイル端末も
社内LANと同様のリモート管理

 新機能の一つであるインターネットリモコンは、情報システム部門やヘルプデスクがエンドユーザーのサポートに使うことができるリモートコントロール機能で、これまでの社内ネットワークだけでなくインターネット経由の接続でも利用できるようにしたもの。管理者側からエンドユーザーのPC画面を操作するだけでなく、双方向のファイル転送にも対応している。これによって、例えば外出先にPCを持ち出して喫茶店やホテルなどでの業務で不具合が生じた際にも、インターネットに接続することさえできればサポートを受けることが可能となる。また、グローバル展開する企業がISM CloudOneをIT統制に使うケースも増えていることから、国内の情報システム部門から海外拠点のクライアントを管理するような使い方に対応した。

 山崎部長は、「クラウドに対応したISM Cloud Oneならではの機能で、他のIT資産管理ツールとの大きな差異化ポイントになる」としている。

Windowsタブレット端末も
モバイルデバイス管理を実現

 二つ目の新機能として追加したWindows MDMは、これまでAndroid/iOSで実現していたスマートデバイス管理機能のMDM(モバイルデバイス管理)を、Windows(8.x向け)にも対応させたものだ。通常時の資産管理やセキュリティ管理機能はもちろん、紛失・盗難時には画面やアカウントのロック、データ暗号化機能であるWindows BitLockerドライブ暗号化のパスワード変更、指定ファイル/フォルダの削除などをリモートで実行することができる。

 山崎部長は、「Windows 8を搭載したタブレット端末の普及がWindows MDMを開発する大きなきっかけになった。Windows OSは、タブレット端末への搭載だけでなく、PCにも搭載されている。モバイル端末の紛失・盗難対策については、PCなら暗号化、スマートデバイスならリモートワイプ/ロックを使うのが一般的だが、両方の性質を合わせもつWindowsでは、まだ固まっていないのが実状」と説明する。そこで、Windows MDMではAndroidやiOSのMDMと少し異なり、例えばWindows BitLockerドライブ暗号化のパスワード変更で、通常はエンドユーザーが覚えやすい平易なパスワードを使って、紛失/盗難時に強固なパスワードへ変更して情報漏えいを防ぐといった使い方を可能とした。

Android/iOSデバイスには
アプリケーションポータルを提供

 三つ目の新機能、アプリケーションポータルはAndroid/iOSデバイス向け。ユーザー企業が指定するアプリケーションを一つのポータルにまとめ、エンドユーザーがセルフサービスでインストールできるようにしたものである。

 山崎部長は、「多くの企業で、最初に導入したスマートデバイスがリプレースの時期を迎えつつある。初期導入時は、端末を一括でキッティングしていた企業でも、リプレースの際には『まっさらな』端末を配布するケースが増えると考えられ、エンドユーザーがアプリストアから好き勝手なアプリケーションをインストールする危険性も高まってくる。ポータルを提供することで、エンドユーザーが間違ったアプリケーションを選ぶ心配もなく、管理者の工数を削減しつつ、セキュリティ上のリスクを減らすことができる」としている。

 三つの新機能によって、クラウド型マルチデバイス管理ツールのISM CloudOne Ver.4.9iは、新規顧客層を取り込む可能性が高い。最新版をリリースすることによってクオリティソフトは、さらなる市場拡大を図っていく。
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外部リンク

クオリティソフト=http://www.quality.co.jp/